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【六本松】親子で夢中!200色の岩絵具が並ぶ「野の間」本格日本画体験

  • 2026.9.21

六本松の裏路地に佇む隠れ家!心落ち着くレトロモダンな空間「野の間」

皆さんは、ふと目にした写真や絵にすっかり魅了された経験ってありませんか?

私は友人から送られた、棚に美しくグラデーションで並べられた小瓶の写真を見て、目が釘付けになってしまいました。

「う、美しい、なんだこれは⁈」

それが日本画体験空間、野の間のアトリエの岩絵具だったのです。

というわけで、リビングふくおか・北九州Web地域特派員のBeBeが、大濠公園にもほど近い六本松エリアにひっそりと佇む隠れ家的なオープンアトリエ「野の間(ののま)」へ行ってきました!

実はこちら、築50年を超える建物を改装したレトロでモダンな空間で、本格的な「日本画体験」ができると今話題のスポットなんです。今回は、中1と小4の子ども2人で、日本画体験に初チャレンジしてきました。果たして小学生や中学生でも時間内に日本画を完成させることができるのか?

ほかにも日本画の奥深さや、アトリエに込められた熱い思いなど、たっぷりとお届けします!

木枠の出窓と小さな扉が印象的。欄間のような透かし彫りにも目を奪われます

福岡市地下鉄七隈線「六本松駅」から徒歩5分。賑やかな大通りから少し裏手に入り、懐かしい町並みが息づく六本松1丁目の住宅街を進んでいくと、「野の間」はあります。

ここは、護国神社の敷地内ということもあり、建物の高さ制限などがあるため、周囲には高いビルがなく、とても静かで趣のあるエリア。築50年を超えるという古い戸建て住宅の土間をリノベーションしたというアトリエは、どこか懐かしく、ほっとする温もりを感じる空間です。

中に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、壁一面にズラリと並べられたガラス小瓶の棚!

なんとこれ、すべて天然素材から作られた「岩絵具(いわえのぐ)」や「水干絵具(すいひえのぐ)」なんです。その数、なんと200色以上。鮮やかな色彩のグラデーションは、見ているだけでため息が出るほどの美しさで、子どもたちも「わぁっ!」と目を輝かせていました。

こちらのアトリエを運営されているのは、自然の草花を描く日本画家の立木美江(たちきよしえ)さん。

日本画の作品や画材に囲まれた、わずか3席限定の六畳一間のプライベート空間で、これから始まる体験への期待と緊張で胸が高鳴ります。

今回教えてくださったのは、講師のyacckaさん。 もともとはメディアアートを専攻し、インスタレーション作品や絵画を制作されていたのですが、自分ではなかなかコントロールできない日本画の奥深さに惹かれ、日本画材を用いるようになられました。英語での体験も担当されており、海外からのゲストにも日本文化の魅力を届けていらっしゃいます。

壁一面に並ぶ200色以上の絵具の小瓶
岩絵具の原料となるラピスラズリやトルコ石などの天然鉱石
和紙の壁に美しく掛けられた職人手作りの筆

小中学生が初挑戦!120分の「つゆくさコース」体験レポ

今回は、120分でじっくり制作に取り組める「つゆくさコース」(8,800円・税込)を体験しました。

【体験の流れ】

1. 日本画の歴史や道具について学ぶ

2. 葛飾北斎の手本を使った運筆練習

3. 好きな図案を選んで下絵を転写

4. 墨で輪郭を描く(骨描き)

5. 背景を塗る

6. 岩絵具で着彩して完成!

日本画と一言でいってもいろんなバリエーションがあります

日本画の基本を学んだ後は、江戸時代の絵手本で運筆レッスン

まずはパネルを使い、日本画と西洋画の違いや道具の歴史を学びます。クイズ形式で楽しく解説してくれるため、子どもたちも興味津々。 続いて、筆に墨を含ませて描く練習へ。江戸時代の有名絵師である仙厓義梵や葛飾北斎の絵を手本に筆遣いを練習します。線は極限まで少ないのに、鶴やうさぎの躍動感はたっぷり。江戸の天才たちが残した見事な筆さばきに驚かされます。

パネルを使った解説(英語対応も可能)
運筆指南書を見ながら筆の練習

下絵の転写と無心で向き合う「骨描き」

練習を終えたら、用意された図案から好きな絵を選んで色紙に転写します。 この転写はしっかり筆圧をかける必要があるため、筆圧の弱い未就学児や小学校低学年のお子さんの場合は、事前に相談すれば下絵の作成までサポートしてもらえるそうです。

上の子は「仏像」、下の子は「富士山とクラゲ」をセレクト。 (※通常つゆくさコースは12×13.5cmの色紙1枚ですが、下の子は小さめのミニ色紙2枚にアレンジしていただきました)

色紙へ下絵を丁寧に転写する様子〜その1
転写完成〜その1
色紙へ下絵を丁寧に転写する様子〜その2

薄くついた下絵の線の上を、筆と墨でなぞる「骨描き(こつがき)」に進みます。 仏像を選んだ上の子は線の数が多く、ひたすら無心で筆を動かしていました。その張り詰めた集中力は、まるで写経のよう。 先生曰く、生き物を線で捉えて写す行為は、かつて仏教の修行のひとつでもあったそうです。水墨画の祖・雪舟も禅僧であったように、日本画と精神文化の深い結びつきを肌で実感します。

転写完成〜その1
線が多くて大変だったようです

マットな質感を作る「背景塗り」とほっと一息デザートタイム

続いて背景の色塗りです。土を原料とした「水干絵具」を乳鉢に入れ、水と膠(にかわ=ゼラチン質の接着剤)を加えて混ぜ合わせます。まるで理科の実験のような楽しさ!

「縦や横など、方向を決めて素早く塗るのがコツ」と教わり、一気に刷毛を走らせます。塗りたてはかなり濃い色に見え、子供たちも心配そうな顔をしていましたが、乾くと淡く落ち着いた色に変化していくから大丈夫と言われて一安心。こういう色の変化も楽しいですよね。

仏像の背景は神々しさを引き立てる黒茶に
こちらは大好きな群青色で
乳鉢で絵具と膠を練り合わせる工程

制作の合間に、嬉しい抹茶とお菓子の時間があります。

運ばれてきたのは、えも言われぬ美味しそうな和菓子たち。箸休めの梅がたまりません。私も右端のどらやきをいただきましたが、餡が梅味で美味しかったです。子どもたちも口の中いっぱいに優しい甘さを感じながら、あっという間に完食です。抹茶も堪能させていただきました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
背景を塗り終えた色紙
体験の合間に提供される抹茶と和菓子

宝石をまとう贅沢!岩絵具での彩色

休憩を挟んで、いよいよメインの着彩です。 鉱石を砕いた「岩絵具」や貝殻から作られる「胡粉(ごふん)」から、塗りたい色を選びます。しかし、群青色だけでも粗さや色合いの違いで15種類以上あり、目移りしてなかなか決まりません!仕方ないですよね。日本画の色の数は世界一といいますから。

学校の美術では「はみ出さないように上手に」と意識しがちですが、yacckaさんは「上手に描くことよりも、自分の表現したいものを楽しんで描くほうがずっと素晴らしいよ」と優しく声をかけてくださり、親としてもハッとさせられました。

子どもたちは、キラキラと粒子が輝く絵具にすっかり夢中。雲母(きら)を重ねて光の反射を楽しんだり、色のグラデーションを試したりしながら、2時間集中を切らすことなく見事に描き上げました!

群青色だけで15色以上
色を3色選び、調合
出典:リビングふくおか・北九州Web

完成後、裏面に名前・日付・自分で考えた作品タイトルを記入します。子どもは自分の気持をタイトルに込めるため、あとで「どうしてこの名前にしたの?」と対話を楽しむきっかけになるそうです。

「描き上がったら、お外の太陽の光に当ててごらん」 yacckaさんに言われて外へ出て絵をかざすと、「わぁっ! キラキラしてる!!」と子どもたちから大きな声が。

室内の明かりで見るのと自然光の下で見るのとでは、天然鉱石の粒子の反射が全く違います。角度を変えるたびに宝石を散りばめたように煌めき、100年経っても色褪せないという天然画材の底力を目の当たりにしました。

出典:リビングふくおか・北九州Web
完成した仏像、富士山、クラゲの作品

福岡はかつて「筆」の一大産地だった?アトリエ誕生の背景

体験後、アトリエを運営されている立木美江さんにお話を伺いました。 九州産業大学で日本画を学ばれ、植物を描き続けてきた立木さん。しかしコロナ禍を経て、筆や絵具を支える伝統的な職人さんたちが次々と廃業していく現実に強い危機感を抱いたといいます。

実はかつて福岡は、日本屈指の「筆」の産地でした。福岡・早良の良質な竹などを用いて作られる「筑紫筆(つくしふで)」は広く親しまれ、明治初期には20軒以上の筆工場があったそうです。しかし、福岡大空襲などの戦災や時代の変化により職人が減少。現在では、室町時代から続く「平助筆復古堂(へいすけふでふっこどう)」が一軒残るのみとなり、その貴重な歴史は途絶えかけています。

そんな失われつつある日本の伝統や職人技を守り、次の世代へ伝えたいという思いから、この体験空間「野の間」は誕生しました。

正解のないアートだからこそ、自分だけの「好き」を見つける

最後に、子育て中の読者に向けて、立木さんからこんな素敵なメッセージをいただきました。

子どもにとって絵を描くことは、その場の空気感や細かいことに気づく「空間認知力」や「観察力」を育むのにとても良いんです。

そして何より、これからのAIが当たり前になる時代、AIに聞けばどんなことでも「それもいいですね」「それも素敵ですね」と上手に肯定してくれます。すべてがOKになってしまう時代だからこそ、「自分自身が何を美しいと感じるか』という主観を持つことが大切になってきます。

だからこそ、正解がないアートの世界で、自分なりの「これが好き!」という感覚を見つける経験を大切にしてほしいですね。

粒の大きさによって、色が変わります
鉱物を物色中♫
立木さんの優しい笑顔が印象的でした

帰り際、子どもたちには岩絵具の材料となる小さな鉱石をお土産に手渡されました。好きなものを一つ持って帰っていいよと言われると、「これ、トルコ石?水晶かな?ラピスラズリもあるかな?」と、選びに選んでおりました。

六本松の静かな路地裏で、日本の歴史や自然の恵み、そして自分自身の感性とじっくり向き合える贅沢なひととき。親子のお出かけにはもちろん、日常を忘れてアートに没頭したい大人のリフレッシュにも心からおすすめしたいスポットです。

■ コース・料金情報

※1組1〜3名までの完全予約制

* よもぎコース(60分): 4,800円(豆色紙 6cm×9cm/お茶・お菓子付)

* つゆくさコース(120分): 8,800円(ミニ色紙 12cm×13.5cm/お茶・お菓子付)※今回の体験コース

* ひなげしコース(180分): 13,200円(色紙 24.2cm×27.2cm/お茶・お菓子付)

* その他、街歩きや食事付きの特別プランあり。

日本画体験空間「野の間」
* 住所: 福岡県福岡市中央区六本松1-10-36 * 電話番号: 092-741-4505 * 営業時間: 毎週水曜日・金曜日・日曜日 12:00〜18:00(完全予約制) * 定休日: 月曜日、火曜日、木曜日、土曜日(不定休あり) * アクセス: 福岡市地下鉄七隈線「六本松駅」2番出口より徒歩約4〜5分/西鉄バス「六本松」バス停より徒歩約5分
https://nonoma.net/

※記事に掲載した内容は公開日時点または取材時の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください

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