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「あんたなんか大嫌い」認知症の母の言葉に涙。それでも私が母の娘でいたいと思う理由【医師監修】

  • 2026.9.18

「あんたなんか大嫌い」と認知症の母に言われたとき、認知症の影響があったのかもしれないと頭では理解しようとしていても、娘として深く傷つきました。認知症の症状が現れる前の母は、何でも話せる、私にとって一番の味方だったからです。だからこそ、そのひと言は今でも忘れられません。

母のために作った夕食だったのに

その日、私は朝から母のために夕食の作り置きをしていました。最近の母は、手作りよりもスーパーの弁当を好むようになっていました。少しでも栄養バランスの良い食事をとり、元気でいてほしい。そんな思いで作っていると、突然、母が怒り出したのです。

「また私に食べさせようとして! 私はあんたの作ったものなんて食べない!」

思いがけない言葉に私も腹が立ちましたが、言い返せば、お互い感情的になるだけだと思いました。私は何も言わず、気持ちを落ち着かせるために2階へ上がりました。

母のひと言に胸が締め付けられ

すると、1階のリビングから母の怒鳴り声が聞こえてきました。

「あんたなんか大嫌い!」

「もう一緒にいたくないから施設に入る!」

「ケアマネに電話して!」

そんな言葉が聞こえてきて、足が止まりました。

何でそんなことを言うんだろう……。そう思うと悲しくて、言い返す気力も失われました。

「施設だけは絶対に嫌」と言っていた母が、自分から施設に入ると言うのです。それほど私と一緒にいたくないということなのか。そんな思いが頭をよぎり、胸が締め付けられました。

理由がわかっても消えない悲しさ

数日後、落ち着いた母は「あのときは、今すぐ食べなさいと言われると思った」と話してくれました。

認知症では、時間や場所がわからなくなったり、周囲の状況や相手の意図を正しく受け止め、判断することが難しくなったりする場合があります。母にも、そうした影響があったのかもしれません。そのことは理解しています。

理由がわかっても、あの日母に言われた言葉は、今も心から消えません。

家が大好きで、「施設だけは絶対に嫌」と言っていた母を知っているからこそ、そして仲が良かったからこそ、以前とは異なる言葉を聞き、認知症が母の言葉や反応、親子の関係性まで変えてしまったように思えたからです。

認知症の影響があると理解することと、介護する家族が傷つかないことは、決して同じではないと感じています。

まとめ

認知症の症状が現れる前の母は、私にとって一番の味方でした。だからこそ、母から強い言葉をぶつけられると、認知症の影響かもしれないと理解しようとしても、簡単には割り切れません。

母にとっては「病気に言わされた言葉」だったのかもしれません。それでも私の中には、これまで積み重ねてきた親子の時間があります。今は、その絆が一方通行のように感じられる日もあります。それでも私は、認知症になる前の母を知っています。だから今日も、母の娘でいたいと思うのです。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修:駒形依子先生(こまがた医院院長)

著者:橘 あおい/40代女性。認知症の家族を在宅介護しながら、日々の出来事や感じたことをもとに執筆をおこなっている。自身も乳がんの手術・治療を経験しており、介護や病気と向き合う中で感じた不安や戸惑い、言葉にしづらい気持ちを、読者に寄り添いながら丁寧に言葉にすることを大切にしている。

イラスト:山口がたこ

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)


監修者:医師 こまがた医院院長 駒形依子 先生

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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