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朝ドラで注目を集めた2人が『深夜ドラマ』で再共演「当初は気付かなかった」初回から“代表作”を確信させた注目株の実力

  • 2026.10.14
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(C)「赤灯えれじい」製作委員会

黒崎煌代と鳴海唯がW主演を務める深夜ドラマ『赤灯えれじい』は、無職のヘタレ男と喧嘩っ早いヤンキー女の純愛ストーリーだ。

※以下本文には放送内容が含まれます。

大阪の実家で暮らすサトシこと柳川智史(黒崎煌代)は無職のヘタレ男。自堕落な日々から抜け出すために交通誘導のアルバイトを始めるのだが、そこで金髪のヤンキー女・チーコこと秋山智子(鳴海唯)と出会う。
理不尽な暴言をぶつけてくる気性の荒いトラックの運転手に対してサトシが何も言い返せない中、チーコは正面から言い返し大喧嘩になる。そんなチーコの毅然とした姿と、時々見せる優しい一面に触れるたびに、サトシはチーコのことを好きになっていく。

深夜ドラマだからこそできる平凡な男女の地に足のついた物語

『赤灯えれじい』は、2004年から2008年にかけて週刊ヤングマガジンで、きらたかしが連載していた同名漫画をドラマ化したものだ。主人公のサトシはヘタレなフリーターで、第1話で描かれるのは交通誘導のアルバイト。そしてサトシが好きになるチーコは金髪のヤンキー女。どこにでもありそうな話だが、フィクションではあまり描かれない地に足のついた泥臭い物語だ。

2000年代に筆者は、サトシと同じような交通誘導のアルバイトをしていたが、身に覚えのあるやりとりが多数登場する。トラックの運転手からの暴言に戸惑うサトシの姿は、当時の自分を見ているようで他人事とは思えなかった。舞台となっている大阪の風情のある街並みもあってか、どこか懐かしさを感じる作品である。

サトシは高卒で、特別な才能があるわけではない。そんな持たざる者の青年が、バイト先で出会った女性を好きになったことで、人生に転機が訪れ、少しずつ変わっていく姿を原作漫画は淡々と描いていた。

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(C)「赤灯えれじい」製作委員会

こういった普通の若者の物語は、テレビドラマでも定期的に作られていた。レジェンド脚本家の山田太一は1970~80年代に『男たちの旅路』や『ふぞろいの林檎たち』といったドラマを次々と執筆し、どこにでもいる名もなき若者たちが仕事や恋愛を通して人生について学び、少しずつ一人前になっていく姿を書くことで、テレビドラマの文学性を高めることに成功した。

その影響は、宮藤官九郎が『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』を書いた2000年代までは残っていた。しかし近年は、平凡な若者に焦点を当てた地に足のついた生々しい物語が地上波のプライムタイムで放送される機会は激減しており、主人公として描かれるのは刑事、医者、弁護士といった特別な職業の人間か、超能力のような特別な力を持った存在ばかりになってしまった。
そんな中、かつて山田太一や宮藤官九郎が書いていた平凡な男女の地に足のついた物語の受け皿となっているのが、昔の青年漫画を原作とする深夜ドラマである。

例えば、1990~94年に週刊モーニングで連載された新井英樹の文具メーカーの営業として働く青年の葛藤を描いた漫画『宮本から君へ』が2018年にドラマ化され、2003~05年に週刊ヤングマガジンで古谷実が連載していた、いじめられている高校生が年上の女性との恋愛を通して成長していく姿を描いた青春漫画『シガテラ』は、2023年にドラマ化されている。

どちらも原作の魅力を活かした見応えのある青春ドラマに仕上がっており、深夜ドラマの可能性を切り開く作品となっていた。今回の『赤灯えれじい』もその流れにある作品で、昔の傑作青年漫画を深夜枠でドラマ化することで、かつてテレビドラマに存在した地に足のついた若者の成長譚を復活させたと言える。

黒崎煌代と鳴海唯の楽しい芝居の応酬

何より本作最大の魅力と言えるのが、主演を務める黒崎煌代と鳴海唯の楽しい芝居の応酬だろう。
サトシを演じる黒崎煌代は、2023年度後期のNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『ブギウギ』で俳優デビューして以降、映画やドラマでひっぱりだこの俳優だ。

今年はNetflixで配信された連続ドラマ『九条の大罪』や濱口竜介監督の映画『急に具合が悪くなる』といった話題作に出演し、20代若手俳優の注目株として一気に躍り出てきたと言える。気が弱いが優しい男を演じる機会が多い黒崎だが、サトシ役との相性は完璧で、彼の代表作になることは間違いないだろうと第1話を観て確信した。

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(C)「赤灯えれじい」製作委員会

一方、チーコを演じる鳴海唯は、2019年度前期の朝ドラ『なつぞら』で注目を浴びて以降、様々な映画やドラマに出演しており、最近では2025年度前期の朝ドラ『あんぱん』や『テミスの不確かな法廷』といったドラマでの芝居が高く評価された。どちらかというと優等生的な女性を演じる機会が多かった鳴海だが、今回は喧嘩っ早いヤンキー女を演じており、髪を染めていることもあってか、当初は鳴海唯だと気付かなかった。

今回のチーコ役はこれまで鳴海が演じてきた役とは真逆のキャラクターでありながら、見事にハマっており、女優としてのポテンシャルの高さを証明したと言える。ちなみに黒崎と鳴海は『地震のあとで』というドラマで同棲中のカップルを演じているが、役柄も二人の関係性も異なるため『赤灯えれじい』と比較して観ると面白い。

まだ第1話が終わったばかりなので、物語が本格的に動き出すのはこれからだが、黒崎と鳴海の丁々発止の楽しいやりとりが毎週観られるというだけでも、必見のドラマである。


テレビ東京系ドラマ『赤灯えれじい』毎週木曜 深夜24時~

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