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成長へのステップ! 思春期の子どもの心理と上手な接し方

  • 2016.8.4
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子育て研究所代表の佐藤理香です。

先日、お子様が思春期を迎えたママが「もう小さな子どもでもないし、大人でもないし、接し方が難しい!」と言って嘆いていました。

子どもが思春期に入ると、これまで以上に衝突したり、 葛藤したりする機会が増えると思います。口をきかない、全く話をしなくなったというケースも聞きます。

これは思春期特有の心理状態が影響しているためで、成長のための重要なプロセス です。子どもの心の状態を理解できれば、反抗的な態度や不安定さにも慌てることなく対応できます。

今回は、思春期の子どもの心理と接し方をお伝えしていきます。

●思春期を迎える子どもの心

思春期のとらえ方は男女差があるようですが、おおよそ10~18歳ごろといわれています。この時期の子どもには、次のような変化がみられるようになります。

●依存と自立に揺れる

思春期の子どもは、依存(甘えの行動)と、自立(反抗的な行動など)の行ったり来たりが激しくなります。

親に干渉されて「うるさい」と怒鳴ることもあれば、「聞いてよ~」と甘えてくることもあるなど、子ども自身が葛藤する時期 なのです。

精神科医の明橋大二氏によれば、“甘えない子が自立する”のではなく、“甘えた子が自立する”のだといいます。

親に依存しながら甘えてくる言動も、反抗的な行動も、子どもの自立につながるステップなのですね。

●自我意識の強まり

この時期の子どもは、大人への準備をし始めるので体に大きな変化が見られるようになります。体毛や胸のふくらみ、初潮など外見的な変化とともに、異性への関心も強くなります。

また、交友関係が複雑化し、友達の言動から大きな影響を受け始めます。

自分と他人の違い、自分は周囲からどう見られているかなど、他人との比較や競争で劣等感や敗北感を感じることもあり、心理的にはストレスが多く不安定な状態になりやすい時期 といえます。

●子どもとの接し方

思春期の心の変化をお伝えしましたが、一緒に生活する親御様はやはり心配になるものだと思います。続いては、子どもとの接し方と、その前提となる考え方についてお話しします。

●親にはどう接してほしいか? 子ども目線で再考する

ご自身が中学生や高校生だったころを思い出してください。学校生活や部活動、友達に遊びと、思い出すことは家庭以外のことが多いのではないでしょうか。

この時期は、周囲の環境から影響を受けやすいので、記憶のインパクトは家庭外のことが多くなります 。

では、親との関係はどうだったでしょうか? 「いつも叱られてた!」という人、「親は何も言わなかった」という人、中には「記憶がない」という人もいることでしょう。

これは、親からの干渉を嫌っていた表れともいえます。

しかし、親は要所要所で関与してくれたはずです。べったりではなく、子どもが必要とするときに支えてあげるというスタンスが大切なのです。

●子どもはただ受け入れてほしいだけ!?

思春期の子どもは、知恵や知識、思考力がついてくるので、物事に自分なりの考えを持つようになります。

思春期は“対話が重要”と言われることが多いですが、対話すらままならないということもあります。そのような場合でも、子どもからの発信が必ずあるものです 。

その発信がどのようなものであれ、はじめから否定したり、話を遮ったりしたら子どもが心を閉ざしてしまいます。

大人は正解を知っていることが多いので、考えを誘導したり、押し付けたりしたくなりますが、まずはそこをガマンすることがポイントです。

子どもが話しだすのを待つ、そして落ち着いて聞くという受け入れの心を持ちましょう。

●家庭は甘え&リラックスができる場所に

子どもを尊重して対応しようとしてもうまくいかないこともあります。感情のタイミングや個性、家庭の事情もありますので通り一遍の正解はありません。

しかし、これだけは重要だということがあります。親の愛情 です。

家庭では甘えてよい、好きなようにリラックスして時間を過ごせるのだという安心感が必要です。

そして、子どものことを愛していて、どんなときも必ず味方であること、これを言動で継続的に示すことが大事なのです。

ふと子どもがもらす悩みや葛藤、心配や不安をキャッチできるように、喜びを共感できるように、家庭は子どものすべてを受け入れるという場所になるとよいですね。

【参考文献】

・『見逃さないで! 子どもの心のSOS 思春期に がんばってる子』明橋大二・著

●ライター/佐藤理香(株)

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