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高齢母の老人ホーム代“200万円”を負担した50代娘→「医療費控除の対象になる」と思いきや…税理士に告げられた“想定外の事実”

  • 2026.9.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

親の介護費用を負担した場合、医療費控除によって税金の還付を受けられるケースは少なくありません。

今回は、介護費用の負担が多額で「還付申告しよう」と税理士に相談したが、「思ったより還付が受けられなかった」女性の体験談をご紹介します。

介護費用200万円「還付申告しよう!」

50代女性・Wさんは年収550万円の会社員です。世帯年収は900万円近くありましたが、3人の子どもの教育費がかさみ貯蓄が心もとないと感じていました。

さらに去年、高齢の母が特別養護老人ホームに入居することになり、母の生活費も支えていたWさんがその費用を全額負担。その金額は200万円ほどだったそうです。

医療費控除を受けようと、会社の総務に相談するも「医療費控除は確定申告でしか受けられないんですよ」と説明されました。

「確定申告なんてはじめてだから、何をすればいいのかさっぱり」

困ったWさんは、税理士に相談することに決めて領収証を集めて持って行きました。

すべて医療費控除の対象になるわけではない?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「Wさんが支払ったのは200万円ほどですが、全額が医療費控除の対象になるわけではないんです。そこから整理していきましょうか」

対象になるもの

  • 介護費の2分の1
  • 食事代の2分の1
  • 居住費の2分の1

対象にならないもの

  • 日常生活費
  • 特別なサービス費

Wさんの場合、医療費控除の対象となる介護費・食費・居住費の自己負担額が160万円、対象外の日常生活費が40万円でした。

ようやく「介護費用=すべて医療費控除の対象」という認識が誤りであると気づくWさん。

「介護費などの160万円の半分、80万円が医療費控除の対象になるってことですか?」

「そうです。ただし、80万円がそのまま所得から差し引かれるわけではありません。総所得金額等が200万円以上の場合は、そこから10万円を差し引いた70万円が医療費控除額になります」

ただし、総所得金額が200万円未満の場合は、10万円ではなく「総所得金額の5%」を差し引いて計算します。

「税金がすべて還付されない」と知り呆然

「会社で年末調整をしてもらったら所得税が18万円だったんですけど…医療費控除70万円もあれば、全額還付されますよね?」
「残念ですが、全額は還付にはなりません」

Wさんの年収は550万円。ここから各種控除を引くと課税所得(税金の計算対象になる金額)は約280万円。

復興特別所得税などを考慮しない、簡易的な所得税の計算は次のとおりです。

280万円×10%(税率)ー97,500円(控除額)=約18万円

さらに、医療費控除を含めて計算をします。なお、医療費控除の適用前後ともに所得税率は10%、控除額は97,500円です。

(280万円ー70万円)×10%ー97,500円=約11万円

結果、還付になるのは約7万円です。

ただし、所得金額や年分によって結果は異なる点にご注意ください。

「70万円分の医療費控除しても全額戻ってこないんですね」と還付金額が少なく残念そうな様子のWさん。

支払った金額=還付金額にはならない

医療費・介護費を支払ったら「支払った分がそのまま戻ってくる」のが医療費控除ではありません。所得金額から差し引いて計算する仕組みなので、還付される税金はその人の税率や納付済の所得税額などによって異なります。

また、介護施設のタイプによって医療費控除の対象になるものや対象金額は変わります。

「たくさん支払ったから税金がその分戻ってくる」と思わず、事前に対象となる費用を調べ、還付される税金の見込みを出しておくとよいでしょう。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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