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「突発性発疹の恐怖」 おかっぱちゃんの子育て奮闘日記 Vol.34 

  • 2016.7.29
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こどもが産まれると、楽しいことも増えるけれど、やっぱり辛いことだってある。そんな中、体力的にも精神的にもまいってしまうことと言えば、それはこどもの健康状態が悪くなることだ。

ただ熱が出る程度ならいいけれど、まだ0歳児となれば言葉も通じないわけだから、全身で具合が悪いことを表現するしかない。そのため、これでもかというほどぐずる。

息子の場合、普段はとても穏やかで落ち着いている性格だが、風邪を引きようものなら終始グズグズしてしまう。生後半年を過ぎた冬、初めて風邪を引いたときも大変だった。

母業もスタートしたばかり。「まだまだ身体のちいさなわが子に、もしものことがあったらどうしよう」と余計な心配ばかりしてしまう。

母の心配を余所に、生後10ヶ月になる日を前に、息子が再び体調を崩した。深夜3時ごろ、ふと目が覚めて眠っている息子を抱き寄せると頭が熱い。汗もびっしょりかいている。

「うーん、おかしいな…。こんなに熱かったっけ?」

ちょっとだけ熱があるのかもしれないなと、少し心配しながらも寝不足が故、そのまま朝まで眠ってしまった。

朝起きると、いつも通りとても元気な息子に戻っていた。

「あれはなんだったんだろう? こどもはよく熱を出すと言うからな。」。そんなことふわりと考えながら、普段通り過ごしていたら、午後から突然、息子が「わ~わ~」と泣き、ぐずり始めた。

泣いている息子を抱き上げると、てのひらが熱くなっている。さらに、おでこを触れば湯たんぽのように熱が高い。測れば38度を越えているではないか。

うーん、これは普通の風邪なのか? それとも噂に聞いている”突発性発疹”なのか?

突発性発疹は、生後半年を過ぎたころ、免疫が切れてからほとんどの赤ちゃんがかかる病気で、高熱が3日3晩続いたあと、ブツブツの発疹が身体中に現れるというもの。

母の心配を余所に、予感は的中。夕方ごろになると熱はさらにぐーんと上がりに上がって、40度近くになっていた。念のため、病院に連れて行き診察を受けるも

「これは突発性発疹かもしれないね。この病気を治療する薬はないから、熱が下がるのをひたすら待ってください。水分補給だけ忘れずに! おっぱいをたくさんあげてね」と、アドバイスを受けた。

ほとんどの赤ちゃんが通る試練。この世に産まれて間もないというのに、こんな仕打ちを受けなくてはならないなんて、人間界は厳しいなあと思う。

わたしは平常心を保とうと思いつつ、1時間ごとにひどくなっていく息子のぐずり具合にオロオロする。夜になると息子のぐずりもピークに! 常に抱っこをしていないと泣きじゃくり、家事なんてとてもじゃないけれどまともにできない。

夫が抱っこを替わろうとしても、いやだいやだと拒んで泣きわめく。やはり、体調が優れないときほど、母親の存在が必要なんだろう。離乳食もほとんど口にせず、常におっぱいを要求する息子。高熱がゆえ、力も出ない。

ぐったりした様子を見て、かわいそうでかわいそうでこちらも泣きたくなってきた。夜は2時間おきに授乳をし、抱っこ、抱っこ、抱っこ…の末、ヘトヘトに。

心も体もずいぶんと疲れきっているはずなのに、それでも代わってあげたいと思った。母親なら誰しも願うであろう、その気持ちを、自然とわたしも願っていた。

この無償の愛情はどこから湧いて出てくるのだろう。母になってからというもの、新しい感情に気付くと自分が違う生き物になったかのような感覚になる。

この子が生まれてからの生活は、慌ただしくも歓びに満ちている。

これからのわたしの人生は、この子がいないと成立しない。だからこそ、元気でいてほしい。

「あぁ、早く元気になりますように。」

結局、丸二日38度~40度の高熱が続き、熱が下がったころにブツブツと赤い斑点が体全体に現れた。「あぁ、やっぱり突発性発疹だった…」。

ほかの病気ではなかったことに安堵し、翌日すっかり元気になった息子の笑顔を見て、「元気になってよかったねえ」と頭をなでる。そして、わたしはまたいつも通り、元の生活に戻るのだった。

つづく

次回は「大苦戦!食べない~1日3回 離乳食」

(Boojil(ブージル))

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