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「生まれ変わったくらいで人が変わるわけない」魂を裁く男が語った“人間の本質”とは【マンガ】

  • 2026.10.29
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©️『出張裁判係』/ ユリカ・ユリカ・ユリカ

悪い人はずっと悪い人なのか

一度でも誰かのひどい行為を知ると、「この人はもう変わらない」と思ってしまうことがあります。被害を受けた人が相手を許す必要はありません。それでも、第三者がその人の今後まで決めつけてよいのでしょうか。

ユリカ・ユリカ・ユリカさん(@ma2nagaaan)の漫画『出張裁判係』は、死後49日を過ぎても成仏しない魂のもとに「裁判係」が出向き、裁判で向き合う物語です。退治するのではなく、対話を重ねて本人が納得してあの世へ向かえるよう導きます。今回のエピソードでは、魂を集める「収集家」と、裁判係の部下である青茂とのやり取りを通じて、善悪の判断と人が変わることについて描かれます。

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©️『出張裁判係』/ ユリカ・ユリカ・ユリカ

「汚い魂」を消そうとする収集家

街では、長い眠りから目覚めないまま亡くなる人が相次いでいました。都市伝説を調べる同好会に所属する鈴木は、人の魂を集める「収集家」が関わっているのではないかと考えます。ところが鈴木自身も倒れてしまい、収集家に魂を奪われそうになります。そこで裁判係が入り、鈴木の魂をめぐる裁判が開かれました。

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©️『出張裁判係』/ ユリカ・ユリカ・ユリカ

収集家は澄んだ魂を好み、ほかの魂を汚す者は消すべきだと主張します。法廷では、鈴木が女性たちを盗撮していたことも明らかになりました。盗撮は被害者の尊厳を深く傷つける行為で、責任を問われるのは当然です。

ただ、収集家が求めているのは罪を償わせることではなく、魂そのものを消すことでした。収集家にとって人間は「澄んでいるか、汚れているか」で仕分ける対象でしかないのでしょう。自分の基準が正しいと信じているからこそ、相手にこの先があるかどうかを考える必要すら感じていないように見えます。

「生まれ変わっても変わらない」の意味

そんな収集家に、青茂は「生まれ変わったくらいで人が変わるわけないじゃないっスか」と言い放ちます。

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©️『出張裁判係』/ ユリカ・ユリカ・ユリカ

一見すると「人間は改心できない」と突き放す冷たい言葉に聞こえます。しかし青茂の話には続きがあります。改心しようと思うだけでは意味がなく、実際に行動を変え、それを身につけて初めて人は変わる、というのです。

ここで分けられているのは、「変わりたいと思うこと」と「実際に行動を変えること」です。たとえば、誰かを傷つけた人が「もうしない」と口にしても、その言葉だけで信頼が戻るわけではありません。次に同じ場面に立ったとき、どう振る舞うか。変化は、そうした行動を積み重ねて初めて周りに見えてきます。

青茂は、鈴木が必ず改心するとは言っていません。変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。その結末を、収集家が魂を消して先に決めてしまう必要はない、と言っているように読めます。

魂を集めるより面白い人間の未来

青茂は収集家に、魂を集めるより、解放した魂がその後どうなるかを見届けてはどうかと持ちかけます。光に導かれるかもしれないし、闇に引き寄せられるかもしれない。それでも人間は、ときに予想を超える選択をする、というのです。

この説得がうまいのは、収集家の趣味そのものを否定していない点です。魂を眺めるのが好きなら、結末を急いで決めるより、その先を見たほうが面白いはず。青茂は相手の価値観をいったん受け止めたうえで、別の楽しみ方を示したのでしょう。

結果、収集家は鈴木の魂を返します。ただし目を覚ました鈴木は、そのまま警察に捕まりました。魂を消されずに済んだからといって、盗撮の責任まで消えるわけではありません。生き延びた先で自分の行いと向き合うことになる。この結末が、「変わるかどうかは、これからの行動次第」という青茂の言葉と重なります。

青茂は人間の何を見ているのか

このエピソードでは、青茂もまた人間ではないことが明かされます。だからこそ、彼が人間を「予測できない存在」と語る場面には、人間を外側から眺めてきた者ならではの実感がにじみます。

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©️『出張裁判係』/ ユリカ・ユリカ・ユリカ

収集家は、魂を手に入れた時点でその価値を決めつけようとしました。一方の青茂は、その先で何が起きるのかを見たがっています。今後、青茂が別の魂と向き合うときも、相手の過去だけでなく、その後の選択に目を向けるのかもしれません。人間ではない彼が、なぜここまで人間の行動に興味を持つのかも気になるところです。

おちゃらけた態度の奥にあるのは、人間を無条件に信じる気持ちではありません。簡単には答えが出ない存在だからこそ、最後まで見届けたいという好奇心なのでしょう。魂を消して結末を決めようとした収集家に対し、青茂が差し出したのは、まだ何が起きるかわからない「この先」でした。

X(旧Twitter):ユリカ・ユリカ・ユリカ(@ma2nagaaan)

 



 

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#1 死んだ後、成仏しようとしない『彼ら』のもとに現れるのは…
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出張裁判係
ユリカ・ユリカ・ユリカ
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クリエイター情報

ユリカ・ユリカ・ユリカ

その辺で好き勝手に主に漫画を描いている人。 名前はマウンテンゴリラのノリで名乗っておりますので、 「ユリカ」とだけで大丈夫です。 3を付けてもいいですね。敬称みたいになります。

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