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Vol.3 小学校受験のリスク(デメリット)とは?

  • 2016.7.22
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●連載の目次はこちらから●

© shizendaisuki - Fotolia.com

幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんが見てきた中では、小学校から高校までの一貫教育をしている90%以上の学校で、主席は小学校からの内部進学者だそう。小学校受験を「人生の糧」にしているご家庭もある一方で、小学校からの内部進学者の学業成績が平均以下となることも珍しくない。

■小学校の内部進学者の成績低迷理由

「内部進学者の成績低迷の理由は、ほとんどが、その子の地頭の悪さではありません。ご両親の教育熱心さが良くない影響を与え、学力が下がったケースが多く、そういうケースを相当数見るにつけ、本当に心が痛みました」(浅井さん)

生まれ持った学力のポテンシャルがあるにも関わらず、学業不振に陥ってしまう。それはなぜなのだろうか?

■幼少期の自己否定感は負の連鎖を引き起こす

「小学校受験のリスクは、両親や講師が、指導中に望ましくない態度で子どもに接した結果、子どもに自己否定感を受け付けてしまうことです」(浅木さん)

模試の結果や勉強の進み具合で親の機嫌が頻繁に変わったり、子どもが問題を間違えた時に叱責(しっせき)したり、志望校にご縁をもらえなかったときに親が落ち込んでしまったりすると、子どもは自己否定感を強めてしまう。

「人格の基礎を形成する幼少期に、子どもの自己否定感を強めないよう、ご両親や指導者は、配慮をしなければいけません。ゆったりとした気持ちで子どもに接し、ご家庭は『子どもが安心できる居場所』であって欲しいと思います」(浅木さん)

■合格だけでは不十分

「志望校にご縁をいただけるように指導することは当然ですが、それだけでは不十分です。幼児教育指導者は、長期的スパンで、子どもの健やかな成長により良い影響を与える必要があります」

そのためには、小学校受験のリスクをきちんと伝えていくことも、幼児教育指導者の一つの仕事だと考えている。

「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」(浅木さん)

次回は、「小学校受験を決意したら最初にすること」です。

今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書

『名門小学校受験 合格する「家族力」(浅木真理・著/エール出版社)』

(本体1,500円+税)

●浅木真里

1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。

(楢戸ひかる)

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