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Vol.2 「就学相談のお知らせ」に電話をしてみた、その先は?

  • 2016.7.14
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●連載の目次はこちらから●

© naka - Fotolia.com

マイペースで癇癪(かんしゃく)持ちの湧太の育児は大変で、「これって、普通なのかな? それとも…」というモヤモヤを、ずっと胸に抱えていた私。年長さんの7月のお泊り保育で、集団の和を乱した湧太を見て、副園長先生から「彼は気をつけてあげないと」と指摘を受けた。

■もしかしたら発達障害かもしれない

何となく「発達障害」という単語は気になっていたが、実際に調べてみることはなかった。「そうだったら、どうしよう」と怖かったからだ。でも、副園長先生に「彼は気をつけてあげないと」と言われ、このときばかりは、「怖いとか言っている場合じゃない!」という気持ちになり、初めてインターネットで「発達障害」について検索をしてみた。

ネットで調べれば調べるほど、湧太の普段の状態は、発達障害の子そのもの。その日、子どもを寝かしつけた後、どれくらいネットサーフィンをしていたのかは記憶にない。気がついたら、夜が白々と明けていた。明け方、寝ている夫の枕元で、「ねぇ、パパ。湧太は発達障害かもしれないよ。調べれば調べるほど、湧太の状態にそっくりなの」と言いながら、泣き崩れた。

■「就学相談のお知らせ」に電話をしてみる

そのときに夫は「だったら、何なの? 湧太は湧太だろう」と、しっかりと受け止めてくれた。翌朝、夫の言葉に勇気づけられて、以前、幼稚園からもらった「就学相談のお知らせ」に記載されている電話番号(市役所の教育支援課)に電話をしてみた。

電話口の対応は、「よくお電話してくださいましたね」と優しく包み込むような感じだった。けれども、そのときに感じたことは「発達障害の子どもがいる親だと思って、優しくされているんだ。かわいそうだと思われているに違いない」というものだった。

電話はしてみたものの、「その先」に進むのはためらわれ、相変わらず気持ちは行ったり来たりしている。何の悪気もない(というか、むしろ気遣ってくれている)教育支援課の人の言うことに、わけもなく過敏に反応している。今、思えば、すごく、すごくナーバスになっていたと思う。

「もしかしたら、わが子が発達障害かもしれない」という方向に一歩足を踏み出したこの頃は、心理的な葛藤が強く、つらかった。このあたりの話を書き出したら長くなるので、話を進めよう。

■「WISC-III」という検査をする

さまざまな葛藤の後、再度教育支援課に電話をし、子どもの発達が心配な人の受け入れ窓口である、市の教育支援センターで面談を受けることになった。

専門家に湧太の日常の話を聞いてもらうと、「まずは知能検査をしてみましょう」という提案を受けた。

湧太が受けた検査は、「WISC-III」といって、検査時間は100分程度。「言葉の理解や表現力」「注意や集中を保つ力」「記憶力、作業を正確に早く行う力」「持っている知識や得た情報をまとめて考える力」などを測定することができるそうだ。

テストの結果を見ると、湧太には年齢相応の発達をしていない部分があった。検査をして下さった臨床心理士さんからは、「こういった部分が足を引っぱり、本人もつらいのではないか?」という指摘と、湧太をサポートするための具体的な方法を教えてもらった。

●サポートの提案例●

・相手に言われたことを理解することが苦手

→手順や方法を教えるときは、一つひとつ短く伝える

→言葉を教えるときはカテゴリー分けやパターン分けをしてあげる

・同時にいくつものことを行うことが苦手

→手順を整理して、ひとつできたら次の行動に移れるようにしてあげる

<次回、「息子が軽度の発達障害クリニックを受診したときの話」に続きます。>

(楢戸ひかる)

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