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表参道ヒルズで見つけた贅沢空間。お酒を飲みながらゆったり本が楽しめる「森の図書室」

  • 2016.7.12
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「お酒を飲みながら本を楽しむ図書室」として、2年前に渋谷にオープンした「森の図書室」。その2号店が、今年の3月、表参道ヒルズにオープンしました。一般的なライブラリーとはちょっと雰囲気が違うこのお店、その魅力を探ってきました。

人と本をつなぐ「森の図書室」

表参道駅から徒歩2分、森ビルの商業施設「表参道ヒルズ」の地下3階にあるのが「森の図書室」です。図書室の運営や本棚の選書を手がけるのは、昔から無類の本好きであったという森俊介さん。「図書館をつくる」という幼い頃からの夢を実現したのが、このお店です。

お店のコンセプトは「人と本が出会い、お酒が飲める図書室」。気軽にお酒や軽食を味わいながら、さまざまな本との出会いを楽しむことができます。いろいろなジャンルの本が目に留まるよう本棚の配置はあえてランダムにするなど、人と本をつなぐ工夫が随所になされています。

ドリンクに付いてくるおしゃれなデザインのコースターもそのひとつ。裏側に書かれているのは、森さんによる読書感想文。思わず本を手に取ってみたくなるような、読書魂を刺激する文章です。

また、店舗には「一番棚」と呼ばれる本棚があります。これは、「誰かの一番好きな1冊」が並ぶ本棚。寄贈者の熱い思いが詰まっているので、読む本で迷ったら、この棚をのぞいてみるのもおすすめです。素敵な出会いがあるかもしれませんよ。

いろんな本とリンクしたメニューブックが楽しい

ドリンクや軽食を注文する前に、ぜひチェックしたいのが、テーブルに置かれたメニューブック。メニューとリンクする形で、さまざまな本が紹介されています。

たとえば、濃厚な「チョコケーキ」(600円)は、アレックス・シアラー著「チョコレート・アンダーグラウンド」からインスピレーションを受けたものだそう。チョコレートが禁止された世の中に対して、少年たちが立ち上がる痛快小説です。

「パパの好きなキッシュ」(600円)は、梨木香歩の名作「西の魔女が死んだ」に出てくる一品。主人公・まいのおばあちゃんが、まいのパパのために焼き上げた愛情いっぱいのキッシュです。本を読みながら味わうと、一層楽しい読書タイムが過ごせそうですね。

スタッフの工藤さんが“おすすめの3冊”を紹介

ただ本を置くだけではなく、「誰かのおすすめで広がる本との出会い」を大切にする「森の図書室」。本選びに迷ったら読書好きのスタッフにアドバイスをもらうのもひとつの方法です。表参道ヒルズ店のスタッフの工藤祥崇さんに、本棚にある約5000冊の中から、おすすめしたい3冊を選んでいただきました。

●レオ・レオニ 著「スイミー」

「教科書にも載っている児童文学の名作です。最後に、スイミーと仲間がひとつの大きな魚になるシーンは何度読んでもすばらしいです。小学生の時以来、約20年ぶりに手に取ってみたのですが、長い年月を経ても新鮮な感動を与えてくれる作品だと感じました」

●辻村深月 著「スロウハイツの神様」

「夢を語り、物語を作る仲間たちが織りなす人間ドラマが描かれます。辻村さんは「森の図書室」のスタッフの中でも人気の髙い作家。どの作品もすばらしいのですが、中でも「スロウハイツの神様」は、ものをつくることに対する愛情を感じる作品。共感できる部分が多いです」

● ジョン・クラカワー 著「荒野へ」

「実在の人物をモデルにしたノンフィクション小説。アラスカの乗り捨てられたバスの中で、死体として発見された1人の青年。なぜ大自然の中で孤独な死を遂げたのか?その軌跡を追った作品。ドラマチックな描き方がされており、読む側をぐいぐいと引き込ませます」

気になった本はレンタルできます

図書室では、その場で本を読むだけでなく、借りることもできます。レンタルのシステムはとてもシンプル。借りたい本が見つかったら、店舗で教えてもらえるメルアドに「件名=フルネーム」、「本文=本のタイトル」を記入して送信するだけ。レジで本体価格の一部をデポジットとして支払えば、最大1ヵ月間レンタルすることができます。

表参道ヒルズのフロア内にある表参道店は、隠れ家的な渋谷店とは対照的に、とても開放的な空間。ショッピングの合間に、ふらっと立ち寄ってみてはいかがですか?

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