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ガブリエル・シャネルの所蔵品を撮影したロー・エスリッジによる写真展がシャネル・ネクサス・ホールにて開催

  • 2026.3.4
Hearst Owned

CHANEL(シャネル)が東京・銀座に展開するCHANEL Nexus Hall(シャネル・ネクサス・ホール)にて、アメリカ人写真家ロー・エスリッジさんの展覧会「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」 を開催。ガブリエル・シャネルの所蔵品を撮影した貴重な作品が、初めて一般公開されました。これまでシャネルとの協業を重ねてきたロー・エスリッジさん、作品に込める思いとは? スペシャルインタビューと共にお届けします。

シャネルの貯蔵品を再解釈した写真展「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」が開催

KOHEY KANNO

アメリカ人写真家のロー・エスリッジさんと10年以上にわたってさまざまな形で協働してきたシャネルが、近年ガブリエル・シャネルが大切にしていた所蔵品の数々を探求するプロジェクトをエスリッジさんに新たに依頼したことから実現した、写真展「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON(カンボン通り31番地のフーガ): ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」。

KOHEY KANNO

パリのカンボン通り31番地にあるクチュリエのアパルトマンに残されたプライベートコレクションと共に、普段は非公開となっているメゾンのアーカイヴ施設「パトリモアンヌ」に所蔵されているアイテムが撮影され、2025年6月に創刊されたシャネルの『アーツ&カルチャーマガジン』に掲載されました。現在開催されているシャネル・ネクサス・ホールでの写真展では、これらの作品が初めて展覧会という形で公開されています。

新しい視点で紐解かれるガブリエル・シャネルのレガシーとは

KOHEY KANNO

エスリッジさんは、ジャック・リプシッツによるシャネルの胸像や、ピエール・ルヴェルディによる『ミシアのための詩』の手稿、サルバドール・ダリとガラによるイラスト付きの献辞本、バレエ「三角帽子」のためのパブロ・ピカソによるスケッチ、2世紀のエジプトの葬儀用マスクといった多様なオブジェを撮影。これらを小道具と組み合わせ写真作品として撮り下ろすことで、ガブリエル・シャネルのレガシーに現代的な側面を吹き込みました。

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革新的なデザインを生み出しただけでなく、芸術への情熱的な支援を続けたガブリエル・シャネルの功績は、現代まで不朽のものとして受け継がれています。彼女の先見的な思想と前衛芸術家たちと育んだ友情を捉えた写真が紹介される今回の展示により、同時代を代表する芸術家をサポートし続けてきたメゾンの1世紀にわたる伝統がより明らかに浮かび上がります。

ロー・エスリッジが語るシャネルとの関係性や写真展の見所

KOHEY KANNO

ニューヨーク近代美術館やロンドンのテートモダン、ボストン現代美術館などの美術機関に作品が収蔵されるなど、国際的に高い評価を得ている写真家ロー・エスリッジさん。ファッション誌や広告写真で培った手法をアート作品に取り入れることで、独自のスタイルを築いてきました。このような実験的な方法を駆使し、被写体に新たな関係性やストーリーを生み出した同展の魅力について、エスリッジさんに話を伺いました。

<Profile>
RoeEthridge(ローエスリッジ)/現代写真家

1969年にフロリダ州マイアミに生まれ、20代でニューヨークに移住。コマーシャル・フォトグラフィーを通じて自身の創作活動を継続。ファインアートとコマーシャル・フォトグラフィーというふたつの領域で制作する中で、ビューティー撮影のアウトテイク(未使用カット)が自身の芸術作品の志向と同等になり得ることを発見し、ファインアートとコマーシャル・フォトグラフィーの間を自由に行き来しながら作品を制作するように。思いがけない結びつきを生み出しつつ写真がどのように機能するのかを分かりやすく示し、個人的な意味を内包しながらより広い文化的状況を表現。

――今回の展示に至るまで、約10年にわたりシャネルと取り組まれてきたとのことですが、その中での気付きや発見はありましたか。

今回のコラボレーションが、私にとって最も発見に満ちたプロジェクトでした。最初にご一緒したのは2013年ですが、その時に初めて知ったのは、シャネルがいわゆるファッションブランドの典型的な商品だけでなく、サーフボードやテニスボールなどのスポーツ用品までデザインしているということでした。それはとても意外で、驚きでもありました。キャンペーンのお仕事では、ネイルやリップスティックといった商品そのものにフォーカスすることが多いですが、それ以外の領域にも広がりがあると知った時、ブランドの持つ生命力や遊び心、そして喜びのようなものを強く感じました。

KOHEY KANNO

――そうした経験を通して、ガブリエル・シャネルという人物像について想像されたことはありますか?

今回のカルチャーコミッションを通して、彼女の人となりをより深く知ることができました。本当に多面的で、文化的にも非常に大きな存在だったという印象を受けています。

――今回の企画展においてテーマ等があれば教えてください。

大きくは、「歴史的な視点から重要なもの」「彼女のアパルトマンにあるような個人的な要素を持つもの」「写真の中で驚きやサプライズを生むもの」という3つのカテゴリーに分けて考えました。

《CHANEL N°5》1924年-パリ、パトリモアンヌ・シャネル蔵 KOHEY KANNO

――彼女の所有物から着想を得て作品に昇華されたとのことですが、ご自身の個性はどのように反映されたのでしょうか。

2013年にも彼女のアパルトマン(カンボン通り31番地)を撮影しているので、空間のことはある程度理解していましたが、個人的な繋がりとして印象的だったのは、彼女も私も獅子座だということです。その共通点をどこかで作品に反映したいという思いがありました。

また、“麦の穂”のモチーフが彼女にとって非常に重要だったということも興味深い気付きでした。ストーリーを語る上でのアイコニックなモチーフは、きちんと提示したいと考え構成を考えていきました。

《クリスタルのフラワーブーケ》(製作ゴッサンス)20世紀-ガブリエルシャネルのアパルトマン(カンボン通り31番地)蔵、《CHANEL 麦の穂のブローチ》(製作ゴッサンス)1960年代、CHANEL ペタンクボール2010年春夏プレタポルテコレクション-パリ、パトリモアンヌ・シャネル蔵 KOHEY KANNO

――彼女の所有物を“再解釈する”という側面では、どのようにストーリーを考えられたのでしょうか?

撮影は2度に分けて行ったのですが、セットデザイナーなどチーム編成も異なったので、シンプルなバージョンとバロック調のムードという風に、自然にムードが変わっていきました。意図的に予測していたわけではありませんが、結果的に全体としては調和しているのも面白い点かなと感じています。

KOHEY KANNO

――特に思い入れのある作品はがあれば教えてください。

ひとつは《CHANEL 麦の穂のブローチ》、もうひとつはアイコニックな香水瓶《シャネル N°5》の作品、そしてエジプトの葬儀用マスクです。カンボン通り31番地にある鏡の螺旋階段を彷彿させる作品では、偶然スタイリストが等身大サイズの鏡を持ってきてくれたことで、ミニチュアのような世界をつくることができたことも、幸運なサプライズでした。

《エジプトの葬儀用マスク》2世紀-ガブリエルシャネルのアパルトマン(カンボン通り31番地)蔵、《CHANEL パールネックレスとカメリア》1990年代- パリ、パトリモアンヌ・シャネル蔵 KOHEY KANNO

――来場者にはどのように楽しんでほしいですか。

今回の展示でも「フーガ」という言葉を使っていますが、カウンターポイント(対位法)や変奏といった音楽的な構造を意識しています。例えば、麦の穂や手、本などという同じモチーフを繰り返し使用しながらも、少しずつ変奏させた作品をつくっていますので、一見しただけでは気付かない要素が、二度目、三度目に訪れた時に目に飛び込んでくるなんてことがあるかもしれません。

KOHEY KANNO

「大きな部屋と小さな部屋」「鮮やかな色彩と白を基調とした作品」などというコントラストを音の振動のように感じ取りながら作品を見ることで、音楽が聞こえてくるように感じてもらえたら、それがいちばん嬉しいですね。そういう楽しみ方をしていただきたいです。

「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES(カンボン通り31番地のフーガ)」会期は4月18日まで

KOHEY KANNO

シャネル・ネクサス・ホールのロー・エスリッジさんの写真展は、4月18日(土)まで開催されています。3月の毎週水曜日には、会場スタッフによる展示の案内も実施。エスリッジさんの視点で紐解かれるガブリエル・シャネルのレガシーを、ぜひ実際に体感してみてください。

「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES(カンボン通り31番地のフーガ)」
会期/~2026年4月18日(土)
※会期中無休
開館時間/11:00~19:00(最終入場18:30)
入場無料・予約不要

「水曜日の特別企画」

日程/3月4日(水)、11日(水)、18日(水)、25日(水)
時間/18:00~18:15展示案内
※16:00~19:00はドリンクサービス
※申し込み不要、参加無料

会場/シャネル・ネクサス・ホール
所在地/中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
URL/nexushall.chanel.com/program/2026/roe_ethridge

問い合わせ先
シャネル・ネクサス・ホール事務局
MAIL/nexus.ginza@chanel.com
URL/nexushall.chanel.com

INTERVIEW:AYANO ISHIHARA

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