1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. メリットが台無しに? 見落としがちな「リビング学習」のデメリット5つ

メリットが台無しに? 見落としがちな「リビング学習」のデメリット5つ

  • 2016.6.25
  • 3200 views

こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。

子どもの学習に最適だとして注目を浴びる『リビング学習』というスタイル。

小学1、2年生の約8割がリビングで勉強しているという大手通信教育会社のアンケート結果もあるほど浸透しています。

また、東大生の約半数がリビング学習をしていたという調査結果がテレビ番組で紹介されたこともあり、「子ども部屋よりリビング」という形が定着しつつあります。

このリビング学習、多くのメリットがあげられていて、いいところばかりのように見えますが、デメリットはないのでしょうか?

どんなに効率の良い勉強方法にも多少のデメリットはつきもの。リビング学習にもあるデメリットを良く知り、それに注意を向けることで、学習効果をもっとあげることもできるはずです。

●(1)干渉

リビング学習の利点に“寂しくない”ということがあります。いつでも誰かがそこにいるか、気配を近くに感じることができるから、安心して勉強ができるというのです。

特に小学生低学年では、子ども部屋に一人でいることに慣れない、または勉強を一人でするのが寂しいという声があり、リビングにいる方が勉強がはかどるのも確かであるようです。

ところが、人がいるからこそのデメリットもあります。

たとえば、親からの過干渉 。

「あ、そこ違っているよ」

「姿勢を正しなさい」

「消しゴムのカスを落とさないで」

などなど、子ども部屋で一人学習をしていれば、めったに言われない言葉が次々に子どもに向かって降りかかってくる可能性があるのです。

目の前に子どもがいれば、注意をしたくなるのが親心。親が干渉したい気持ちをグッと我慢できるかどうか が、リビング学習の成果に影響を与えます。

●(2)音

リビングだからこそ、ママが食事の支度をする音、兄弟が聴いている音楽など、いろいろな“雑音”が自分の部屋にいるときよりも多く大きく聞こえてきます。

これをシャットダウンできる集中力が備わっていればいいのですが、子どもの性格によっては気になって気もそぞろになるばかりのこともあります。

子ども部屋とは違って“寂しくない”リビング学習の場を作るなら、音の種類や大きさ にも気をつかってあげる必要がありそうです。

ほかの家族がテレビを見ている、ゲームをしている、おしゃべりをしている、そんな状況は勉強の妨げになることの方が多いでしょう。

●(3)食べ物

リビングとキッチンやダイニングが仕切られずに同じスペースにある家庭も多いでしょう。

子どもは食事の支度をしている匂いで胃袋が刺激され、目に入るところに置かれたお菓子にも気を引かれてしまいます。

「お菓子を食べながら勉強してもいい」という家庭もあるようですが、2つのことを同時にこなせる子どもは多くありません。

嗅覚からも視覚からも、集中の邪魔になる食欲を刺激しない ように工夫が必要でしょう。

●(4)照明

リビングの照明は落ち着いた色や光量に調整されていることが多いでしょう。全体的には明るくても手元までは照らしません。

これが個室の学習机であれば、手元をしっかりと照らす照明がくくりつけられていたり、スタンドを置いたりするはずです。

少しくらい明るさが足りないからといって、すぐさま勉強に影響を与えるとは限りませんが、一つ確実に影響を与えるところがあります。そう、視力 です。

リビング学習を行うなら、専用のスタンドを用意するなどで“照明”を確保してあげましょう。

●(5)姿勢

勉強机は、机の高さも椅子の高さも子どもの成長に合わせて変えることができます。でも、リビングのテーブルや椅子はどうでしょうか?

リビング用の椅子は大人サイズに合わせて作られていることが多く、子どもでも座ることはできますが、足が届かなかったりお尻が沈んでしまったり、テーブルが高くなり過ぎたり低すぎたりしてしまうのです。

子どもは体に合わない椅子で姿勢を保つことができません 。リビングの椅子では子どもの姿勢が崩れてしまうのです。

特に、椅子が高い場合には足が浮いてブランブランと遊んでしまい踏ん張ることができません。これが、勉強に集中できない原因となることがあります。

足元には踏み台を、椅子にはクッションを敷くなどして、姿勢を保てるようにしてあげましょう。

●まとめ

リビング学習にはメリットもたくさんあります。ところが、いくつかのデメリットがせっかくのメリットを台無しにしていたり、せっかくの子どものやる気をそいでしまったりしていることもあるのです。

これらのデメリットは、子ども自身はなかなか気づくことができず、当然対応もできません。親の方で気をつけてあげる必要があるのです。

親は“ただ、そこにいる”ことを心がけ、子どもからの問いかけに対応するにとどめておくのが、リビング学習の効果をアップさせるコツです。

口を出したくても「グっと我慢」が合言葉です。

【参考リンク】

・子ども部屋?リビング?勉強はどこでする? | ベネッセ 教育情報サイト(http://benesse.jp/contents/kodomo-beya/index.html)

・リビング学習は学力向上に効果? | リサーチのrTYPE(http://release.center.jp/2010/03/2901.html)

●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)

の記事をもっとみる