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「花粉症じゃない人」も花粉を避けたほうがいい?クリニック院長小倉先生にお伺いしました

  • 2026.2.25

花粉症に悩む人は多いと思います。
今年も飛散量は多いと聞くと、うんざりしますよね。
どんな対策が重要?おすすめの治療は?
金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長の小倉慶雄先生による解説です。

今年の飛散はいつ・どれくらい?

2026年はスギ花粉の飛散開始が九州~関東で2月上旬~中旬、北陸~東北で2月下旬~3月中旬の見込み。
ピークは早い地域で2月下旬、多くの地域で3月上旬~中旬と予測されています(ヒノキはその後に続きます)。
日中が暖かい日は要注意。
公式予測をこまめにチェックし、症状が出る前から準備しましょう。

「花粉症じゃない人」も花粉を避けたほうがいい?

結論:無理のない範囲で避けるメリットはあります。
花粉への暴露が多いほど感作(アレルギー体質化)につながりやすく、複数アレルゲンへの感作(ポリセンサー)は将来の喘息や重い鼻炎リスクを高めることが報告されています。
将来のリスクを抑える意味で「暴露を減らす生活工夫」は合理的です。

腸内環境を改善することで症状はよくなる?

結論:効果は『ある可能性』があるが個人差・製品差が大きいといえます。
近年の無作為化試験やメタ解析では、特定株のプロバイオティクス追加で鼻症状やQOLが改善した報告があります。
ただし菌株・用量・期間がまちまちで、標準治療の代替にはなりません。
まずは基本治療+生活対策を軸に、補助選択肢として検討を。

鼻うがいは効果ある?安全に行うコツ

効果:体系的レビューで、鼻洗浄は低~中等度のエビデンスで症状軽減の可能性が示されています(副作用は少ない)。
安全に行うために、水は必ず「滅菌水・蒸留水・煮沸後に冷ました水」を使用し、器具は清潔にしましょう。
水道水のそのまま使用は不可――海外の公的機関も強く注意喚起しています。
方法を守れば日常的に安全に使えます。

いつ受診すべき?

市販薬で症状が落ち着ていると、病院に行くべきか悩んでしまいますよね。
以下のような場合は、受診しましょう。
・市販薬を2週間ほど正しく使っても、日常生活・仕事・睡眠に支障があるとき
・強い鼻づまり、嗅覚低下、発熱や顔面痛(副鼻腔炎の疑い)
・ぜんそく、アトピー、妊娠・授乳中、糖尿病など合併があるとき
・舌下免疫療法(後述)を検討したいとき→こうした場合は耳鼻咽喉科・アレルギー専門医へ。

市販薬で大丈夫?(基本の薬物療法)

多くの軽症~中等症では適切な市販薬でコントロール可能と考えられます。
最新ガイドラインでは、
〇鼻噴霧用ステロイド(INCS):鼻づまりに最も有効で全般的に第一選択。
〇第2世代抗ヒスタミン薬:くしゃみ・鼻水・かゆみに有効。
症状パターンで併用を検討します。
目症状には点眼薬を。
眠気や相互作用、持病がある方は成分を確認しましょう。
プレシーズン投与(飛散開始前から抗ヒスタミン薬等を開始)は、発症後開始より有利とする国内の知見があります。

注射や舌下薬など『新しい治療』は?(アレルゲン免疫療法)

アレルゲン免疫療法(AIT)は、スギやダニなど原因アレルゲンを微量から投与し、病態そのものを是正して長期寛解や新規感作の抑制、将来の喘息リスク低減も期待できる疾患修飾治療です。
日本ではスギ舌下免疫療法(SLIT)が保険適用となっています。
最低3~5年の継続が推奨され、即効性はないため、早めの相談が鍵です。

花粉症と食べ物の関係

口腔アレルギー症候群(PFAS)という、特定の花粉と関連する果物・野菜で口のかゆみが出ることがあります。
症状があれば原因食の回避と専門医相談を。
一般の食事:抗炎症をうたう食品やサプリだけで症状が劇的に改善する根拠は限定的。
栄養バランスを整え、必要に応じて前述のプロバイオティクスを補助的に。

意外な症状:肌荒れ・微熱・集中力低下も

花粉症の症状は、皮膚炎の悪化や倦怠感・集中力低下など、全身のQOLを下げます。
鼻・目だけでなく肌ケア(低刺激保湿)もシーズン入り前から。
重い発熱や強い痛みは別疾患の可能性があるため受診を。

今日からできる『暮らし方のコツ』

飛散情報チェック&外出計画
通勤・送迎は飛散ピーク(晴れて風が強い午後~夕方)を避け、マスク・眼鏡・帽子で防御。洗濯は外干しを避ける。
帰宅動線
玄関前で衣類を払う→洗顔・洗眼(部屋に持ち込まない)→保湿。
換気
花粉の少ない早朝・小雨後に短時間、レースカーテン併用。
空気清浄機はHEPA・適正風量で。
掃除
床の湿拭き・低速吸引(HEPA)で舞い上げない。

まとめ(要点)

2026年のスギは2月上旬~中旬に飛散開始、3月上旬~中旬がピーク。
症状前から準備を。
第一選択は鼻噴霧用ステロイド(INCS)±第2世代抗ヒスタミン。改善不十分なら受診を。
鼻うがいは『正しい水』で安全に。
舌下免疫療法(SLIT)は長期の疾患修飾が期待でき、早めに検討。

参考文献・情報源(一般向け/医療者向け混在)
日本気象協会:2026年 春の花粉飛散予測(tenki.jp)https://tenki.jp/pollen/expectation/
鼻アレルギー診療ガイドライン(解説・総説・抄録等)/ラジオNIKKEI薬学チャンネル資料 https://www.radionikkei.jp/yakugaku/docs/yakugaku-250501.pdf
Bousquet J, et al. ARIA等:アレルギー性鼻炎治療の推奨(INCSの位置づけ)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7066682/
日本アレルギー学会『アレルゲン免疫療法の手引き2025』https://www.jsaweb.jp/uploads/files/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%B3%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%952025.pdf
Cochrane Review:鼻洗浄の有効性 https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD012597.pub2/full
FDA Consumer Updates:鼻洗浄の安全指針 https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/rinsing-your-sinuses-neti-pots-safe
Frontiers in Immunology:プロバイオティクスの臨床研究 https://www.frontiersin.org/journals/immunology/articles/10.3389/fimmu.2022.848279/full

※本記事は特定の企業・製品を推奨しません。治療や製品の選択は、成分・用量・用法を確認し、体質や合併症に応じて医療者にご相談ください。
(執筆・監修:泌尿器科専門医/糖尿病専門医)

執筆者


小倉慶雄先生

金沢駅前内科・糖尿病クリニックは金沢駅から徒歩3分で「糖尿病」「肥満」「甲状腺」の専門的な治療を行っています。
糖尿病・肥満で悩んでいる、一人でも多くの手助けになりたい。
その思いで、患者様の生活スタイル・習慣と病状に合わせた最適な治療を提供します。

金沢駅前内科・糖尿病クリニック
https://kanazawa-naika.jp/

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