1. トップ
  2. 恋愛
  3. そのとき、どう動く?防災センターで学ぶ災害時の行動と対策【学生が調べた防災】

そのとき、どう動く?防災センターで学ぶ災害時の行動と対策【学生が調べた防災】

  • 2026.2.25

近年、豪雨や地震など、様々な自然災害が多発しています。災害が起きた時どのような行動が行えるでしょうか。道で倒れた人への救助?火災の消火?挙げればきりがないほど、私たちにはできることが多くあります。そこで、今回自分から行える防災対策や緊急時の行動を知るために千葉県松戸市にある千葉県西部防災センターへお邪魔し、実際の災害を想定した体験をしてきました。このセンターは、県民が防災知識・技能・意識を高めるために災害時の個人の自主的対応を養うための体験学習施設です。インストラクターによる無料ツアー形式で風水害の疑似体験のほか火災の消火、煙からの避難など様々な体験及び学習をすることができるようになっています。

風水害体験コーナー

風水害体験では、最大風速30m/秒、最大雨量30mm/時という、台風時を想定した暴風雨を実際に体験しました。これまでニュースや天気予報で目にしていた数値ですが、それを自分の身で受けたのは初めてでした。

まず、カッパを着用。長靴を履き、フードも被った状態で、転倒防止のため手すりを両手で強く持ちました。最初に雨が降り、その後に風が吹くという流れで、風がだんだん強くなるにつれて立っているだけでも大きな負担を感じました。

手すりに両手でしっかりと掴まっていたにもかかわらず、体は風にあおられ、足元で踏ん張るのがやっとの状態でした。前から吹き付ける風は想像以上に強く、少し気を抜けば体勢を崩してしまいそうで焦りを感じました。また、雨と風が同時に当たることで、目を開けることができず、ほとんど視界が確保できませんでした。視界を失うことは強い不安につながり、冷静な判断が難しくなることを実感しました。

さらに印象的だったのは、寒さです。室内で体験したにもかかわらず、時間が経つにつれて手がだんだん冷たくなり、寒さを感じるようになりました。濡れた状態で風を受け続けることで、カッパを着ていても体温が奪われていく感覚があり、屋外であれば、さらに過酷な状況になるだろうと思いました。

今回の体験で強く感じたのは、「備えていても、風が加わるだけでかなり辛くなる」ということです。安全な環境で、十分な装備をし、手すりに掴まっていた状態でも、恐怖と苦しさを感じました。実際の災害では、夜間や避難中など、より不便な状況で行動をしなければならない場面もあると思います。

雨と風が重なることで人の行動は大きく制限されることがわかりました。風水害は決して他人事ではなく、日頃からの備えや早めの避難判断が重要であることを強く実感しました。

119通報体験

119通報体験では、通報時に何をどのように伝えたらいいのかを火災と救急のそれぞれについて体験することができます。シミュレーション機器には公衆電話、固定電話、携帯の3バージョンがあり、今回私たちは公衆電話を使って緊急時の通報体験を行いました。スマートフォンが使えなくなった時、一番に頼るべきは公衆電話だと思ったからです。今回、利用した公衆電話には左下に緊急用ボタンというものがついていました。流れとしては、①受話器を取る②緊急連絡ボタンを押す③ダイアルで119を押すという形で、通常利用する際にお金が必要な公衆電話ですが今回の機種では緊急時の小銭は必要ないとのことでした。機種によっては小銭を入れなければいけないため、日頃から緊急時用の小銭を持っておくことを勧めてくれました。

電話がつながったらすぐ、事件なのか事故なのか、その場所がどこなのか、誰がどうなっているのかを項目ごとに短時間で伝えることが、重要な部分です。今回は体験なので読み上げる項目が決まっていますが、実際に自分が現場にいた時を想像し、伝えるべき情報をあらかじめ想定しておくことが大切だと感じる体験でした。

応急救護体験

災害時には建物の倒壊や転倒事故などによって、負傷者が発生する可能性が高いです。そうした場面で、救急車が到着するまでの間に周囲の人がどのような行動を取るかが、生死を分けるカギになります。応急救護体験では、心肺蘇生法を教わりました。

まず動画を視聴し、声かけを行い、反応がないことを確認したうえで、周囲に助けを求めるという基本的な流れを教わりました。頭では理解しているつもりでしたが、実際に倒れている人を前にすると、緊張して動きがぎこちなくなり、想像以上に冷静さを保つことが難しいと感じました。

人体模型を使った心肺蘇生の体験で特に印象に残ったのは、胸骨圧迫の大変さです。一定のリズムで、十分な深さまで押し続ける必要があり、数十秒続けるだけでも腕や肩に大きな負担がかかりました。体力的にきついだけでなく、正しくできているのかという不安もあり、災害現場の緊張した状況では、さらに難易度が高くなるだろうと感じました。

また、AEDについて口頭で説明を受けました。AEDは自動音声で指示してくれるため、特別な知識がなくても使用できますが、いざという時にその存在を思い出し、ためらわずに使えるかどうかが重要だと思います。普段から設置場所を意識しておくことや、使い方を知っておくことが、救命につながると学びました。

心肺蘇生は、誰かがやらなければ始まらない行動であり、その「誰か」になる可能性は、誰にでもあります。災害時に自分が率先して動けるよう、日頃から意識と備えを持つことが大切であり、自分自身の行動で助けられる命があるということを忘れないようにしましょう。

まとめ

今回、千葉県西部防災センターでの体験を通して、災害時に「自分から行動すること」の大切さを強く実感しました。風水害体験では、数値だけでは分からなかった暴風雨の恐ろしさや、視界を失う不安、体力が奪われていく感覚を身をもって知ることができました。119通報体験では、いざという時に落ち着いて必要な情報を伝える難しさと、事前に流れを知っておくことの重要性を学びました。また、応急救護体験では、心肺蘇生やAEDの使用が決して特別な人だけのものではなく、誰もが「命をつなぐ行動」を取る立場になり得ることを実感しました。

災害はいつ、どこで起こるか分かりません。そのときに慌てず行動できるかどうかは、日頃からどれだけ災害を「自分事」として考え、備えているかにかかっています。今回の体験を通して、災害時に自分から動く勇気と、動けるように準備しておくことの大切さを学びました。防災は特別なことではなく、日常の意識と小さな備えの積み重ねであり、その一つ一つが、いざという時に命を守る力になるのだと感じました。

<執筆者プロフィル>
髙栁梨花 鈴木幸来 波多野楓希

元記事で読む
の記事をもっとみる