1. トップ
  2. 恋愛
  3. 男の子がピンクはおかしい?偏見で人を傷つけない子どもにするために…ランドセルの色から考える多様性

男の子がピンクはおかしい?偏見で人を傷つけない子どもにするために…ランドセルの色から考える多様性

  • 2026.2.11

入園・入学シーズンが間近に迫り、来年度のラン活も始まりつつあるこの季節。「ランドセルの色」というものは、親子で悩むこともある議題です。「子どもの好きに選ばせてあげたい」と思う一方で、「6年生まで使える色だろうか」「汚れが目立たないだろうか」、そして「男の子(女の子)なのにこの色を選んでしまったら、周囲にからかわれて、嫌な思いをしないだろうか」と葛藤してしまう親心。3年前、「天使のはね」でおなじみのランドセルメーカー・セイバンのCMが話題になりました。子どもたちが売り場でランドセルを選び、親は別室でその様子をモニターで見ているというドキュメンタリーCM。最初、子どもたちが選んだランドセルに、親たちは納得の表情でしたが、実は子どもたちには「親が喜びそうなランドセル」を選ぶよう指示があったことが判明。あらためて「自分が好きなランドセル」を選び始めた子どもたちは、生き生きとした顔で好きな色のランドセルを手に取っていました。その中のひとりの男の子が手にしたのは、ピンク色のランドセル――。男の子に対して、「似合っているね」と微笑みかけたお父さんの姿が、私の中に強く印象に残っています。日本においてピンク色は、不思議な色だと思います。桃の色、桜の色、夕焼けの色。世界にはピンクがあふれているのに、日本ではなぜか「かわいらしい女の子の色」という印象が強くあります。多様化が進む現代においても「男の子がピンクのランドセルを背負っていたら、からかわれたりしないだろうか?」と悩んだり、それ以上に「ピンクのランドセルの相手をからかってしまわないか」と、不安は尽きません。子どもたちが偏見によって傷ついたり、逆に周囲を傷つけてしまう前に何ができるのか、考えます。

ピンクが好きだった3歳男児

現在、小4の長男は、幼稚園入園前の3歳頃はピンクや赤が好きでした。児童館ではおもちゃコーナーに置かれていたピンクの衣装を着て遊び、児童館の先生たちも他のおかあさんたちも、「長男はピンクが好き」ということを特別視せずに受け入れてくれていました。

 (1675364)

長男や私に転機が訪れたのは、週に1度通っていたプレ幼稚園での出来事です。誕生日に贈られるメッセージカードの色が、男の子は青、女の子は赤と決まっていたのです。青のカードを受け取りながら、女の子がもらった赤のカードを横目に「ぼくも赤がよかったな」とこぼした長男。そこで私もようやく気付きました。今までの狭い世界とは違い、団体行動の場においては「男の子は青、女の子は赤」と自然に色分けする機会も増える、という現実を。もちろん幼稚園を批判するつもりはありません。ひとりずつ希望の色を聞くのは大変ですし、お忙しい中、メッセージカードを用意してくださっただけで感謝いっぱいです。けれど、幼児が毎日その色分けの中に身を置いたとしたら、「男の子が赤やピンクはおかしい」と考えるようになってしまわないか。自分の中に生まれた偏見によって、自分の「好き」を手放すことになってしまわないか。そして、その偏見で誰かを攻撃してしまわないか――。たかがピンクの話です。されどそれは、「誰かが好きなものの話」です。自分が好きなものを好きと言うことができ、相手の「好き」も尊重できる人間になってほしい。そのためには、「たかがピンク」で済ませずにきちんと話をしておく必要があると考えました。でも、3歳児に対してどうやって?そこで私が頼ったのは、とある世界的な人気キャラクターでした。

世界的に人気な「ピンク色のパパ」

「男の子がピンクなんておかしい」自分に対しても他人に対しても、そんな偏見を抱いてしまう前に、私が幼少期の子どもたちに説明をするのに力を借りたのは、こちらのキャラクターでした。

 (1675370)

ピンク色の可愛い生き物、バーバパパです。「おばけのバーバパパ」(偕成社)は、さまざまな姿に変身する能力を持つバーバパパが、人間と出会い交流をし、やがて自分の家族を作っていく人気絵本シリーズです。シリーズの途中から登場するバーバママは、

 (1675372)

「バーバパパのプレゼント」(偕成社)の表紙中央にいるバーバパパの隣、黒色のキャラクターです。つまり、パパがピンクでママが黒! パパとママから生まれた子どもたちは、さらにカラフルです。子どもたちにも何度も読み聞かせていたバーバパパ。「ほら、パパだけれどピンクでしょう?」と絵本を見せながら伝えれば、当時3歳だった長男も「たしかにそうだ」とすんなり理解しやすかったようです。

ピンクについて考える絵本

バーバパパのほかにも、親子で「ピンク」について考える絵本が発行されています。

 (1675376)

「ピンクはおとこのこのいろ」(KADOKAWA)は、ピンクは女の子の色でも男の子の色でもなく、「すべての色はすべての人のもの」ということを、可愛らしい絵とやさしい文章で語りかけてくれる絵本です。

 (1675378)

「かっこいいピンクをさがしに」(福音館書店)は、月刊絵本「たくさんのふしぎ」シリーズで2024年に発行され、その反響の大きさもあって2026年2月にハードカバー化した絵本です。ウガンダではピンクの制服の学校があり、あくまでピンクはひとつの色で「かわいい」というイメージがないこと、平安時代には男性も普通にピンクの服を着ていたことなど、この絵本を読むと、「今まで自分たちに植え付けられていたピンクの固定概念」に気付かされます。色の話からさらに一歩進めて、好きなものを好きと言うことについて親子で学びたい! 続いては、そんな時にぴったりの絵本をご紹介します。

多様性と「好き」について考える絵本

「ランドセルの色の話」も含めて、親子で「自分らしさ」について考える絵本としてオススメなのが「こどもジェンダー」(ワニブックス)です。

 (1675384)

「ぼくはランドセルは赤がいいんだ。でもそれは女の子の色だからダメって言われちゃった」という問題に対し、「どうすればいいかな?」と考えるきっかけを促してくれる構成になっています。さらに、「ぼくの好きなアカレンジャーは男の子だよ」など、「こう伝えてみるのはどうかな?」まで提案してくれる1冊です。

 (1675386)

「じぶんのきもちみんなのきもち」(あかね書房)は、転入初日に男か女か聞かれた子が「どっちでもいいじゃん」と答えたことをきっかけに、子どもたちが「聞かれたくないこと」「聞いてほしいこと」を発表していくストーリー。「何ができないかじゃなくて、何ができるかを聞いて!」その言葉を受け止められる子になってほしい、そんなふうに願いたくなる絵本です。

 (1675388)

「虫ガール ほんとうにあったはなし」(岩崎書店)は実話をもとにした1冊。虫が大好きな少女は、小学校に入ってから心無い言葉を浴びせられるようになります。「虫が好きなことをやめる」と落ち込む少女に、世界中の女性昆虫学者からメッセージが届く物語。「好きなものを好きでいていい」という応援と、「誰かが好きなものを非難していいのか」という問いかけ、両面から入学前に読んでおきたい絵本です。

この春、環境が変わる子どもと考えたい

入園や入学、クラス替えなど、環境が変わることで周囲の人間も変わっていきます。そんな時、どうやって自分を守り、相手をどうやって受け入れていくのか。「ランドセルの色」というわかりやすい出発点から、ぜひ、親子で多様性について考えてみてください。

【Profile】みみずく

 (1673613)

小4長男、小1次男、夫の4人家族。昆虫、爬虫類、古生物、深海生物などの生物のほか、読書、工作、ロボコンなど幅広く興味関心がある兄弟に振り回されながらも、発見に満ち溢れた日々を送る。学校での勉強以上に、世界中に「楽しいことがたくさんある」と感じられる目を養うことが目標。ワークショップや観察イベント、ミュージアムなどの体験情報や、日常の中でも手軽に楽しめる体験の仕方について発信している。

Blog:たのしいをつくる~小4&小1わくわく兄弟

元記事で読む
の記事をもっとみる