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寝グセでも身だしなみでもなく「朝起きて必ず整えるもの」元幹部自衛官が教える、強い心の作り方

  • 2026.2.10

寝グセでも身だしなみでもなく「朝起きて必ず整えるもの」元幹部自衛官が教える、強い心の作り方

一度折れた心は、もう強くなれない——そう思っていませんか。元幹部自衛官のわびさんは、自衛官時代にメンタルダウンを経験した当事者。そこから立て直し、いつしか「鋼メンタル」と呼ばれるまでに。心の強度を育てるために、日々欠かさず続けている習慣とは? 話題の新刊『元幹部自衛官が教える メンタルが壊れない23の習慣』(朝日新聞出版刊)から、第3回は、朝おすすめのお手軽ミッション!

お手軽ミッションで1日の充実度を上げる

皆さんが「今日は充実した1日だったなぁ」と思うときってどんなときでしょうか?

仕事が思い通りに終わったときとか、気になる映画を観たとき、部屋をちょっとでもキレイにしたときなどいろいろあると思います。そして、これらのことがいくつか重なった日は、疲れていても充実した気分で1日を終えることができるのではないでしょうか。

逆に、仕事が思うように進まなかったり、観にいく予定だった映画に行けなかったり、部屋が散らかったままだと、充実感を得ることはできず、疲れだけが残って1日が終了してしまいます。

これらのことから、私は「1日の充実度は達成したミッションの数で決まる」と考えています。ですので、小さくてもいいから何らかのミッションをなるべく多く達成することを意識しています。

とは言っても、生身の人間なので、朝起きてから時間が経つにつれて体力は落ちてきます。体力が落ちてくると思うように行動できなくなり、ミッションの達成率も落ちていきます。

だから、体力のある午前中のうちに簡単でもいいからいくつかのミッションを達成するようにしています。そして、これをルーティン化することで、日々の充実度を早い段階で上げることができるのです。

そのなかで、1日の最初のミッションとして圧倒的におすすめするのが「ベッドを整えること」です。

この「ベッドを整えること」は自発的に取り入れたわけでなく、先ほどの「朝一番にカーテンと窓を全開」と同じく、自衛隊で半ば強制的にインストールされたものになります。

自衛隊の学校では、朝6時に起きたらすぐに、完璧にベッドを整えることを求められます。完璧にベッドを整えるとは、言葉で表現するのは難しいので、防衛省のFacebookに掲載されているこちらの写真をご覧ください。

最初はこの習慣にあまり意味を見出せず、ひたすら理不尽さに耐える訓練かと思っていました。しかし、毎朝ベッドを整えることに慣れて、みんなが台風の被害を受けなくなってきた頃、教官が毎朝ベッドを整えることの意義を教えてくれました。

教官は、ベッドを整えることはその日の最初のミッションであり、しっかりとベッドを整えることでひとつのミッションを達成したことになると言っていました。大したミッションではないかもしれないけど、そこに少なからず達成感は生まれるんです。この小さな達成感は次のミッションへのやる気へとつながり、この連鎖がその日の多くのミッション達成へとつながっていくとのことでした。

このように毛布の断面がバームクーヘンになるように整え、主要な面がしっかりと垂直になるように整えなければならないのです。

ベッドがしっかりと整えられていなかったら、朝食の間に「台風」がやってきます。台風とは、毛布や布団のたたみ方がよろしくない場合、教官によってベッド+αをめちゃくちゃにされてしまい、再度完璧なベッドの整理を求められることです(今はやっているかどうかわからないですが)。

目の前の世界を変えるきっかけに!

ベッドを整えることの意義については、アメリカのウイリアム・マクレイヴン海軍大将もテキサス大学の卒業式のスピーチで同じようなことを言っているので、おそらく世界中の軍隊の共通認識だと思います。

彼のスピーチでは、他にもこんなことを言っていました。

「たとえ、つらい1日を過ごしたとしても、部屋に帰れば整えたベッドがある。整えられたベッドは、『明日は大丈夫だ』と勇気づけてくれるだろう。だから、世界を変えたいのなら、まず自分のベッドを整えることから始めよう」

別に自衛隊や米海軍のように、朝起きた瞬間から自分を追い込みながらバームクーヘンレベルでベッドを整える必要はないです。朝起きて、カーテンを開けたら、シーツと掛け布団を整え、枕を定位置に置く程度でいいと思います。たぶん、2分もあれば十分にキレイなベッドに整います。

毎朝の「ベッドを整える」ことをルーティンとして自分に課してみてください。1日の早い段階で少しでもミッションをクリアすると充実度が増しますし、いつしか目の前の世界を変えるきっかけになるかもしれませんよ。

精神科医 Tomy先生が検証!

「ベッドを整える」このアイデアは、いくつかの点から有効だなと思いました。まず作業療法としての側面ですね。精神科の治療の一つに「作業療法」というものがあります。これは作業することを通して、精神の安定化を図るものです。禅でも取り入れられているアイデアですね。人は丁寧に作業することで、余計な考えを頭から追い出すことができます。掃除や片付け、調理、単純作業なんでもいいのです。無になって、作業に没頭することで気持ちを落ち着けることができます。

また、「整える」ことによって視覚的に疲れない環境を作ることもできます。人間の脳は無意識のうちに視覚情報を処理しています。ただ見ることによって、「ここにあれがある」「あそこにこれがある」といったような処理を行っているのです。それゆえ、散らかった部屋は情報量が多く、脳が疲れやすくなるのです。ベッドを整えることで疲れにくい環境を作ることができます。

もちろん、この章ででてきたように、ミッションとしての達成感を得ることもできます。さらにこのミッションによって気持ちの良い寝床ができあがっています。一日の終わりには、ただベッドに飛び込めばいいので、気も楽になりますよね。

この記事は『元幹部自衛官が教える メンタルが壊れない23の習慣』(わび著/精神科医 Tomy監修/朝日新聞出版刊)をウェブ記事用に再編集したものです。

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