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失言や連発するミス「ちょっとした言葉も攻撃と感じ泣いてしまう」これは発達障害の特性?実例と対策を描く【著者に聞く】

  • 2026.2.10

自身の発達障害に関する特性や体験談を発信している春野あめ(@AmeHaruno)さんは、実習中「はかりの上に物を置かないでね」と注意されただけなのに「攻撃的な言葉を言われた」「責められた」と感じてしまい、泣いてしまった体験を描く。春野あめ(@AmeHaruno)さんの『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』より「case.04 ちょっとした言葉を攻撃と感じる」を紹介するとともに春野さんにインタビューした。

何度も注意され「わざとやってるの?」理解されにくい発達障害

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(2) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(2) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(3) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(3) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

特性によるやらかし体験やその時の思考回路などを漫画『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』に描く春野さん。「なんで失敗を繰り返すの?」「わざとやってるの?」発達障害は理解されにくい。当事者は、その都度落ち込んだり、傷付いたりする。蓄積された体験はネガティブな思考につながりやすく、「自分はダメな人間」だと落ち込んだり、逆に怒りになって発散する人もいる。

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(4) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(4) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(5) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(5) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

本作は、「トラブルの際にそのような言動をしたのはなぜなのか?当事者の思考回路を知りたい、知って納得できると周りとの関係も変わっていくのでは…?」という思いから制作が始まった。「私自身、自分が周りの人たちを振り回した経験を包み隠さずに描くことは勇気がいりましたが、『発達障害についてもっと詳しく描きたい』『いろんな人に知ってほしい』という気持ちがあったので、引き受けることにしました」と、制作の経緯を話す。

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(6) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(6) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(7) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(7) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

「実際に自分が起こした対人関係のトラブルを中心に紹介しています。それをもとに当時の自分の思考回路、発達障害の特性について解説し、どうすれば自分をコントロールしやすくなるのか、周りとの調和がとれやすくなるのかということについて、実際の工夫や考え方、支援の窓口についてなど、あらゆる方面から改善策を考えて描きました。専門的な部分に関しては、最終的に臨床心理士・心理学博士である中島美鈴先生にご監修いただきました。要所要所で中島先生のコラムも収録されています!」と話す。実際のトラブルからどのような考え方をすればよいのか、わかりやすい実例方式が本書の見どころだ。

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(8) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(8) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(9) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(9) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

春野さんは、発達障害と診断されてから特性を理解し、二次障害と向き合える状態になるまで8年もかかったという。たとえば、仕事中に手が空いてしまい、先輩にやることがないか尋ねたら「適当にほかのことやってて」と言われ、YouTubeを見ていたら「さすがにそれは…」とあきれられてしまったことがある。「適当に、ほかのこと」とアバウトに言われると「話の意図を汲み取れない」につながってしまう事例を描く。

発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(10) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(10) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(11) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房
発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた case.04(11) 画像提供:(C)春野あめ/竹書房

また春野さんが実習生のとき、物を片付けているときに「はかりの上に置かないで!」と注意された。「精密機械だから置きっぱなしにするのはよくないんだよ」相手は注意喚起のつもりで言ったのに、「攻撃された」と思い、泣いてしまった。「ちょっとした言葉を攻撃と感じる」その背景までしっかりと描かれている。ほかにも「人との距離感がおかしい 」「融通がきかない 」「自覚なく人を不快にさせてしまう」「嘘をつく 」など、ASD、ADHD傾向の特性に分かれた13のケースが描かれている。発達障害で「生きづらさ」を感じている人は、解決の糸口のひとつとして本書を読んでみてほしい。

「他人とは比べられないので『生きづらい』ってどれくらいなのか、『努力(自分なりに)や我慢』をしている人も多いと思うのですが、もし悩んだらすぐに心療内科に行ってみてください!発達検査を受けられるなら受けてみてください!でも、診断はあってもなくてもいいです!まず自分にはどんな特性があるのかを知ると、どこでつまづいてきたのか、どんどん芋づる式にわかってくるはずです。自分で自覚していなかったトラウマもわかってくるかもしれません。どんな考え方を持って、どんな生き方をしてきたのか、どんな親にどんな風に育てられたのか、どんなことに傷ついてきたのか、一歩一歩自分を知っていくことが大切だと思っています。今回の漫画は、自己理解のちょっとした足しにしてもらえたらうれしいです」と春野さんは、発達障害の人が少しでも生きやすくなるための方法を提案している。

取材協力:春野あめ(@AmeHaruno)

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