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ザラのルックに込められた意味とは? バッド・バニーのスーパーボウル2026 ハーフタイムショーの衣装にクローズアップ

  • 2026.2.9
Apple Music Super Bowl LX Halftime Show

2月8日(現地時間)、カリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムで開催された第60回スーパーボウル。今年はグラミー賞で歴史的快挙を遂げたプエルトリコ出身のアーティスト、バッド・バニーハーフタイムショーのヘッドライナーを務め、観客を魅了するパフォーマンスとセンスが光るルックを堂々と披露した。

「ショーは楽しく、リラックスしたものになるだろう」と本番に先駆けて行われたNFLの記者会見で語ったバッド・バニー。「観ている人は、一緒になって踊ることだけを考えればいいです」。その言葉通り、ショーは「Tití Me Preguntó」という曲で幕を開け、お祭りムード満載のひとつの大きな祝典のようだった。

ほかにも「NUEVAYoL」や 「DeBÍ TiRAR MáS FOToS」といった代表曲を披露したバッド・バニー。中盤にはリッキー・マーティンレディー・ガガといったスペシャルゲストが登場し、ニューヨークのカリビアン・ソーシャル・クラブのオーナーであるトニータなど、ラテン系コミュニティで名を馳せる人々も特別出演した。(レディー・ガガはブルーノ・マーズとのヒットコラボ曲「Die With a Smile」のアレンジ版を熱唱)。

Apple Music Super Bowl LX Halftime Show

常に大胆なファッションに身を包むバッド・バニーは、この日も個性的な衣装を纏った。だが、日頃からタッグを組んでいるストーム・パブロとマーヴィン・ダグラス・リナレスがスタイリングを手がけたザラZARA)によるハーフタイムショーのルックは、意外にも削ぎ落とされており、ミニマル。襟付きのシャツ、ネクタイ、チノパンツ、スニーカー、スポーツテイストのジャージのすべてがクリーム色で、シンプルなワントーンにまとめ上げられていた。またファンの間では、ジャージに入っていた「OCASIO」の名前と背番号64は、バッド・バニーの母リサウリー・オカシオの苗字と生まれた年(1964)を意味すると推測されている。

Apple Music Super Bowl LX Halftime Show

つい先日、グラミー賞授賞式でスキャパレリSCHIAPARELLI)による初のメンズのレッドカーペットルックを着たバッド・バニーのためなら、どんなブランドでもハーフタイムショーの衣装を二つ返事で手がけたはずだ。しかし、彼はあえてスペイン発のザラにルックのデザインを託した。自身の曲の大半がスペイン語で歌われていることを思うと腑に落ちる。そしてザラはというと「見事なショーでした。ベニートは記憶に残るパフォーマンスを見せてくださり、衣装も素晴らしかったです」と声明で述べている。

Apple Music Super Bowl LX Halftime Show

ショーの中盤で着用したふたつ目のルックも、ザラによるものだった。ジャージをクリーム色のダブルブレストのジャケットに変え、アクセサリーはお揃いのグローブと、18Kイエローゴールドのケースとマラカイトストーンのダイヤルが目を引く、オーデマ ピゲAUDEMARS PIGUET)の37mm径の「ロイヤル オーク」ウォッチ。足もとには今月発売されるアディダスADIDAS)とのコラボスニーカー「BadBo 1.0」を取り入れた。

Apple Music Super Bowl LX Halftime Show

インパクトあふれるルックが当たり前となっているハーフタイムショーで、あえてシンプルな衣装を身につけたバッド・バニーだが、そのスタイルはいかにも彼らしい。これまでずっと、彼はステージでもレッドカーペットでも、独創的ながらも「自分らしさ」を大切にしたファッションを披露してきており、「自分らしいと思えないもので着飾るのは、好きではない」とUS版『VOGUE』の2025年12月のデジタルカバーストーリーで語っている。

そんなバッド・バニーはハーフタイムショー史上、パフォーマンスをすべてスペイン語で行った初のアーティストで、スーパーボウルの歴史にその名を刻んだ(保守的な人々の間で大騒動を巻き起こしたことは言うまでもない)。また、グラミー賞では『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』で、賞の68年の歴史で初めて、全編スペイン語の作品で年間最優秀アルバム賞を獲得。受賞スピーチでは、ICE(米国移民関税執行局)に抗議した。「神に感謝する前に、『ICEは出て行け』と言いたい。我々は野蛮ではない。動物でも、エイリアンでもなく、人間であり、アメリカ人だ」

「Together, we are America(私たち皆がアメリカだ)」──彼はハーフタイムショーも、そんな団結のメッセージで締めくくった。

Text: Christian Allaire Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

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