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震源の深さと揺れや津波との関係は?

  • 2026.2.9

地震が発生した際、震度やマグニチュードに目が向きがちですが、被害の大きさを左右する要素となるのが震源の深さです。

どれくらいの深さで地震が発生したかで、地上での揺れの広がり方や、津波が発生するリスクが大きく変わります。

今回は地震発生時に確認したい「震源の深さ」に焦点を当てて解説します。

震源の深さとは

震源の深さとは、地震が発生した場所(震源)から地表までの垂直距離のことです。

日本の周辺は複数のプレートが複雑に重なり合っているため、地震が発生する深さはさまざまです。

なお、震源の真上にあたる地表の地点を「震央(しんおう)」と呼び、観測地点から震央までの距離を「震央距離」、観測地点から震源までの直線距離を「震源距離」といいます。

震源が深いところで起きる地震を深発(しんぱつ)地震、浅いところで起きる地震を浅発(せんぱつ)地震と言います。内閣府の防災用語では以下のように説明しています。

・浅発地震:震源の深さが70kmより浅い地震
・やや深発地震:震源の深さが70kmから300kmまでの地震
・深発地震:震源の深さが300kmより深い地震

震源の深さで呼び方を分けているだけであり、地震の深さによって地震の性質が大きく変わるわけではありません。

震源の深さと揺れの関係

地震の揺れの強さは、震源距離が近いほど大きくなるのが基本です。

そのため、震源が浅い地震では、震央付近の震源距離が短くなるため、地震波が勢いを保ったまま地表へ到達します。

例えば、内陸型地震では私たちが生活している場所のすぐ真下が震源となることに加え、震源が10kmから20km程度と浅い場合が多く、震源までの距離が短くなります。

こうした地震では、揺れのエネルギーが途中で弱まることなく地上に届くため、突き上げるような激しい縦揺れや、建物に大きなダメージを与える強力な揺れが、前触れなく一気に襲ってくるのが特徴です。

一方、震源が非常に深い深発地震では、震央付近であっても震源距離が長くなるため、直上の揺れはそれほど大きくならないのが一般的です。

しかし、震源が深い地震は、広範囲のプレートに揺れが伝わりやすくなるため、震源から遠く離れた地域まで揺れを及ぼしやすくなります。

さらに、地震波が硬いプレート内部を伝う際に、エネルギーを失わずに遠方まで届けてしまう「異常震域」が発生することがあります。この場合、震源から数百km離れた場所で強い揺れに見舞われることもあるため、震源が深いからといって油断は禁物です。

震源の深さと津波の関係

震源が浅いほど大きな津波が発生しやすい特徴があります。

地震によって海底の地形が急激に上下に動かされると、その上の海水が丸ごと押し上げられ、巨大な波となって四方八方へ広がります。

特に震源が浅いほど海底を大きく変形させる力が強く働くため、津波も大きくなりやすいのです。

一般的にマグニチュード7以上で、震源の深さが40kmよりも浅い場合に、被害を及ぼす津波が発生する可能性が高いといわれています。

一方、震源の深さが100kmを超えると、地震の規模が大きくても海底まで変動が及びにくくなり、津波が発生する可能性は低くなります。

このため、地震発生時には震源の深さも必ず確認するようにしましょう。

最近の事例

最近の事例として、令和6年能登半島地震と令和7年12月8日に発生した青森県東方沖地震について津波の観点から比較してみます。

この2つの地震はマグニチュードがほぼ同等ですが、津波の高さには大きな差が出ました。

能登半島地震の場合、震源が16kmと浅かったため、海底が大きく隆起し、これにより海面がダイレクトに押し上げられました。一方、青森県東方沖地震は、マグニチュードこそ大きかったものの、震源が約55kmと能登に比べて深かったため、海底の表面まで変形の力が伝わる間にエネルギーが適度に分散されたと考えられます。

津波の高さは海底から各地までの距離、各地の地形、断層の動くスピードなどいろいろな要素で変わるため一概にはいえませんが、能登のような数m級の巨大津波には至らず、警報レベル(1m~3m予想)に留まった可能性は十分にあります。

このように地震の規模が同程度でも津波の高さには大きな差が生じることもあります。

地震速報は震源の深さもチェック

大地震の被害を予測する上で、震源の深さは重要な指標となります。

特に注意が必要なのは、震源がごく浅い地震です。

震源が浅い地震は揺れがダイレクトに伝わりやすく、津波も大きくなりやすい傾向にあります。

さらに内陸の浅い場所で地震が起きた場合は、震源距離が短くなりやすく、地震波が瞬時に到達します。そのため、緊急地震速報が間に合わず、強い揺れと速報がほぼ同時、あるいは揺れが先に襲ってくるケースがあります。

もちろん、震源が深い地震も決して油断はできません。異常震域によって、震源から遠く離れていても大きな揺れが生じる可能性もあります。

震源の深さによって揺れや津波にどのような特徴が出るのかを知っておくことは、自分や大切な人の命を守るためにも大切なことです。

地震発生直後は、震度やマグニチュードと合わせて「震源の深さ」をチェックする習慣をつけましょう。

<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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