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「愛してるよ」妻のスマホに届いたメッセージ。だが、妻は2年前に亡くなったはず…一体誰が?【短編小説】

  • 2026.2.9

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

亡くなった妻のスマホが震えた

妻がこの世を去ってから、早いものでもう二年が経ちます。

リビングの棚の引き出しには、妻が生前使っていたスマートフォンが、主を失ったまま静かに眠っていました。

解約はしたものの、思い出の写真や動画が消せず、私は時々充電しては、画面の中の笑顔に会いにいっていたのです。

ある静かな夜のことでした。

充電ケーブルを繋いだ途端、ブブッ、とスマホが短く震えたのです。

Wi-Fiに繋がっていたその画面に、ポップアップ通知が浮かび上がりました。

『愛してるよ』

心臓が止まるかと思いました。

妻はもういないはずなのに。

恐る恐る画面を覗き込むと、差出人の名前を見て、私はさらに息を呑みました。

それは、すでに家を出て一人暮らしをしている「娘」からだったのです。

娘とは、正直なところ、折り合いが悪いままでした。

もともと自立心の強い子でしたが、進路を巡って私と対立し、喧嘩別れのように家を出ていってしまったのです。

連絡を取ったのは、妻が亡くなった時の葬儀の連絡くらい。

それ以来、私たち親子の時間は止まったままでした。

そんな娘が、なぜ亡き母のスマホに?

娘の気持ち

震える指でロックを解除し、メッセージアプリを開きました。

そこには、続きの文章が送られてきていました。

『愛してるよ。ママ、私ね、結婚することになったんだ』

その一文を見た瞬間、私の目から涙が溢れ出しました。

娘は、私宛に送ったのではありませんでした。

天国にいる母親に、一番に報告をしたかったのです。

返事が来ないと分かっていても、人生の節目に、一番愛してくれた母親に伝えたかったのでしょう。

「愛してるよ」という言葉は、かつて妻が娘に毎日のように言っていた口癖でした。

画面をスクロールすると、今日だけでなく、これまでもいくつものメッセージが送られていたことに気づきました。

『今日は仕事で失敗しちゃった』

『ママの作ったハンバーグが食べたいよ』

娘はずっと、寂しさと戦いながら、画面の向こうの母親に甘えていたのです。

私は涙を拭い、自分のスマートフォンを手に取りました。

今度は私が、母親として、そして父親代わりとして、娘の言葉を受け止める番です。

「結婚、おめでとう」 そう伝えるために、私は震える指で、数年ぶりに娘の番号をコールしました。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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