1. トップ
  2. "父親を殺したい女"と"本音を話さない情報屋の男"の共同生活…嘘の中に真実を忍ばせる“傍観者”が仕掛けた残酷なゲーム【作者に聞く】

"父親を殺したい女"と"本音を話さない情報屋の男"の共同生活…嘘の中に真実を忍ばせる“傍観者”が仕掛けた残酷なゲーム【作者に聞く】

  • 2026.2.8
殺し屋・サイレンスから父親の捜索を依頼されたスレッド。だがすでにスレッドは父親の行方を知っていた。なぜスレッドに伝えないのだろうか…。 桜月(@k_sakurazuki)
殺し屋・サイレンスから父親の捜索を依頼されたスレッド。だがすでにスレッドは父親の行方を知っていた。なぜスレッドに伝えないのだろうか…。 桜月(@k_sakurazuki)

父親の行方を追う殺し屋の女と、その女に雇われた嘘つきの情報屋。全12話で描かれる漫画『傍観者は嘲笑う』は、物騒な設定の中に、人間のいやらしさと歪んだ執着を忍ばせた作品だ。主人公は、いつも不機嫌な殺し屋・サイレンスと、何を考えているのかわからない情報屋・スレッド。父親捜索という依頼をきっかけに出会った2人は、なかなか真相に辿り着けないまま、なぜか同居する関係へと転がり込んでいく。スレッドが実は父親の行方を早々に突き止めていた。にもかかわらず、その情報をサイレンスには明かさない。一体なぜなのか——。その沈黙が、読者に強烈な違和感を残している。

本作を描いたのは、『結婚しない同盟』を「アルファポリス」で連載していた漫画家・桜月(@k_sakurazuki)さん。桜月さんに、本作の誕生秘話やキャラクターへの思いを聞いた。

脇役のはずだった情報屋が全12話という長編の主人公になるまで

傍観者は嘲笑う_P001 桜月(@k_sakurazuki)
傍観者は嘲笑う_P001 桜月(@k_sakurazuki)
傍観者は嘲笑う_P002 桜月(@k_sakurazuki)
傍観者は嘲笑う_P002 桜月(@k_sakurazuki)
傍観者は嘲笑う_P003 桜月(@k_sakurazuki)
傍観者は嘲笑う_P003 桜月(@k_sakurazuki)

当初、スレッドは別作品に登場させる予定のキャラクターだったという。「もともとは別作品の主人公の仲間として出そうと考えていたキャラでした。しかし、話が全然まとまらず…。じゃあ、この情報屋のキャラを主人公にして作品を作ってみようと考えてみたら想定外にうまくまとまった…という裏話があります」単発の予定だった物語は、気づけば12話構成に。さらに番外編まで描かれることになった。

「嫌なヤツ」しか出てこない物語

裏社会を舞台にした本作のテーマは、実にシンプルだ。「作品のテーマは『嫌なヤツ』です。なので、出てくるキャラはみんなちょっと嫌なヤツばかりになっています」恋愛感情ではない別の何かで深く結びつく男女を描きたい――そんな思いもあり、舞台は自然と裏の世界になったという。

「もしも」を描いた、4つのボツエンディングストーリー

本作は12話で完結しているが、実は別エンディングも存在する。「別パターンの最終話として4パターン描いていて、どれも『ボツ最終話』としてpixivで読めるように無料公開しています」読者はそれぞれ異なる結末を楽しめる仕掛けだ。

作者が本当は好きだった結末とは?

桜月さん自身が気に入っている結末も明かしてくれた。「私はその1『バレて怒られる』とその2『普通に仕事を終える』が気に入っているのですが、後味が悪すぎるなと思いボツにしました」テーマが「嫌なヤツ」だからこそ、嫌な終わり方にしたかった。その一方で、「結婚エンド」を描いた理由については、「望んでいる人がいるかもしれない!と思って描いた」と、少し照れたように語る。

嘘を吐き続ける情報屋の本心を見極めろ!

スレッドが父親の行方を教えなかった理由は、殺し屋でありながら一番殺したい相手を殺せずにもがくサイレンスを“傍観”し、最高のタイミングで真実を突きつけ、その表情を愉しむためだった――本人はそう語っている。だが、それだけなのだろうか。

ひょうひょうと嘘を吐き、嘘の中に真実を混ぜ込む情報屋・スレッド。その言葉のどこまでが本当で、どこからが嘘なのか。読者は彼のセリフを疑いながら、最後まで見極めることになる。

取材協力:桜月(@k_sakurazuki)

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

元記事で読む
の記事をもっとみる