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ASD児のための落ち着ける空間づくりの工夫3!発達っ子ママに感謝された意外なDIY

  • 2026.2.8

子育てをしたことがある方なら、一度は「子どもと少し離れたい」「今は頭を冷やさせてほしい」と思ったことがあるのではないでしょうか。特に自閉スペクトラム症(ASD)の特性があるお子さんを育てているご家庭では、親も子もそれぞれに「落ち着きたい」タイミングがあるかもしれません。こんにちは。2歳と5歳の子どもを育てる、DIYが大好きな建築士ママのかぁやんです。以前Instagramで「幼児が大興奮する秘密基地」という、角材だけで作れる簡易な小さなお家を紹介したところ、1.2万いいねを超える反響をいただきました。部屋の片隅にも置ける手軽なサイズで、作る人のアイデア次第でカーテンや壁を足して自由にアレンジできる構造です。

その中に意外な反響が

その投稿には「作ってみました!」という嬉しいメッセージがたくさん寄せられましたが、なかでも印象に残っているのが、ASDの小学生の息子さんを育てるお母さんからいただいた感謝のメッセージです。

避難場所としての秘密基地

私自身も、息子が4歳の時に発達特性の傾向を指摘されるまでは、ASDについては一般的な知識しかなく、「こだわりが強い」「狭い空間が落ち着く」といった漠然としたイメージを抱いていました。そのお母さんから届いたメッセージの内容はこうでした。

いただいたメッセージは

息子は、癇癪を起こした時に狭い場所で落ち着くことができる。簡易テントのような既製品は息子には合わなかったが、お金をかけずに作る方法が分からなかった。そんな時に、私の「秘密基地」投稿を見つけたとのことでした。息子さんにとって、その小さな空間は怒りや悲しみなどの強い感情をリセットするための“避難所”になったそうです。毛布をふんわりとかけてこもれるようにしたところ、落ち着いて過ごせる時間が増えたと教えてくださいました。後にも先にも、あれほど深く感謝されたことはなく、私にとって忘れられない出来事です。 ※この記事は筆者の個人的な経験と、いただいたメッセージをもとにした内容です。すべてのASDのお子さんに当てはまるわけではありません。そこで今回は、建築士としての視点から「ASD傾向のある子どもが落ち着ける空間の工夫」を3つにまとめてみました。※筆者は建築士であり、医療・療育の専門家ではありません。以下の内容は空間デザインの観点からの提案であり、医学的アドバイスではないことをご了承ください。

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(1)音の刺激をやわらげる「耳が休まる空間」

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは聴覚が敏感である場合も多く、生活音や人の話し声、家電の作動音が同時に耳に入ると混乱してしまうことがあります。音を吸収してくれる素材(木、布、コルク、フェルトなど)を壁や床に使うだけでも印象が変わります。家にあるものでできる工夫としては、遮音カーテンへの変更、ラグを敷く、本棚を壁際に置くなど。どれも音の反響をやわらげてくれます。秘密基地を活用するなら、上に羽毛布団や毛布をふんわりとかけるだけでも音の反射が減り、思いがけず“静けさ”を感じられるはずです。私自身、最初は「そんなことで変わるのかな」と半信半疑でしたが、繊細な耳の感覚を持つ子どもにとっては、わずかな工夫でも大きな違いになると感じています。

(2)光をコントロールして安心感を生む「目が休まる空間」

視覚が敏感な子どもは、強い照明や反射光で疲れてしまうことがあります。家づくりの目線では、明るさを調整できる照明や間接照明の導入がポイント。光の色味も大切で、わが家ではほとんどの照明を電球色にしています。夜になると、やわらかい黄みのある光が部屋を包み、自然と気持ちが落ち着きます。日本では蛍光灯の白い光を好む人が多いですが、最近はLEDで光の色を調整できるタイプが増えています。秘密基地に限らず空間を区切るために組み合わせる素材としては、リネンやガーゼのような透け感のある布を使うと、自然光が柔らかく入り、居心地の良い明るさになります。

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(3)“自分の世界”を持てる「パーソナルスペース」

ASDの特性がある子どもにとって、「自分でコントロールできる空間」は安心できる場所となり得ます。たとえ1畳でも、自分の意志で「入りたい」「出たい」を選べることが大切です。おもちゃ棚の裏や絵本ラックの下など、少し家具の位置を動かすだけでも“小さなこもり場”が作れます。「ここにいると落ち着く」という感覚が育つと、子ども自身が気持ちを整える力を少しずつ身につけていきます。特性が合うようなら、完全に閉じた空間ではなく、親の目が届く半開放型もおすすめです。わが家では、2歳の娘もそうした空間が大好きで、クローゼットの扉を外してリネンのカーテンをかけた小さな場所で、0歳の頃から夢中で遊んでいました。ただ、環境の変化を苦手とする子も少なくありません。金沢こども医療福祉センター上野良樹氏らによる著書『発達障害の早期療育とペアレント・トレーニング』(ぶどう社、2021年)では、「いつもとちがってもだいじょうぶ」という感覚を育てるためには、「変化しても困らない」「変化したことで楽しく過ごせた」という小さな成功体験を積むことが大切だと述べられています。新しく秘密基地のような空間を作ることが難しいようであれば、もっともっと小さなステップから始めてみるといいかもしれません。完璧な部屋づくりよりも、子供が“ここが好き“と言える場所があることを大切にしたいですね。空間づくりは、親の愛情そのものです。秘密基地のような場所は、子どもにとってだけでなく、親にとっても心が救われる空間になることがあります。家は家族の成長とともに少しずつ変化していくもの。うまくいかなくても気にしすぎず、「今日は昨日より少し落ち着けたね」と思えるような空間づくりを、試してみてくださいね! ※本記事で紹介する空間づくりの工夫は、あくまで一般的な環境調整の例です。自閉スペクトラム症(ASD)の特性は個人差が大きく、効果には個人差があります。お子さんの状態に応じて、専門家(医師、作業療法士、心理士など)に相談しながら進めることをおすすめします。

【Profile】かぁやん(@ka.sweet.home)

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収納や安全面など、子どもがいる家庭ならではの悩みをインテリアで解決する建築士ママならではのアイデアやDIYアイテムを発信しています。また、建築士ママとしての知識をフル活用して、発達が気になる長男のためにインテリアや子供用家具・遊具でできるサポートを日々模索中。自身の子育て経験を活かし、「子どもの手が届かない収納」もしくは「触れても安心・壊れてもOKな家具のDIY」のコツをお伝えします! インテリアブランド KA home deco オーナー。

Instagram:かぁやん(@ka.sweet.home)

Blog:のびのびすぎる子育てとDIY

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