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もふもふ、しょぼくれ、ころころ…愛らしすぎる姿に釘付け!きっとパンダが好きになる『パンダのすごい世界』

  • 2026.2.7

2026年1月27日、上野動物園で飼育されていた日本在住最後のジャイアントパンダ、双子のシャオシャオとレイレイが中国へと帰っていった。白と黒のツートンカラー、まるまるとした体、のんびりとしたマイペースな動き。パンダには、見ているだけで人の気持ちを緩めてしまう不思議な力がある。もっとあの愛らしい姿を見ていたかった――そんな “パンダロス”に揺れる心に、そっと寄り添ってくれる映画がある。『パンダのすごい世界』(公開中)だ。

【写真を見る】キュートすぎる!ふわふわな毛並みの赤ちゃんパンダ

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本作は、パンダのユニークな生態を高解像度映像で記録したパンダムービー。2024年に中国でテレビ放送され、SNS総再生回数11億回超えという大きな反響を呼んだドキュメンタリー番組を基に映画化され、中国最大の映画賞である中国金鶏賞にもノミネートされた話題作だ。

パンダたちは食べるのが大好き!笹を求めて大移動することも
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『皇帝ペンギン』(05)、『アース』(07)、『オーシャンズ』(09)と同系譜に連なるネイチャードキュメンタリーとして、豊富な映像資料を基にパンダの実態や “生きる化石”とも呼ばれるパンダの約800万年におよぶ歴史にも光を当てる。誕生から成長、繁殖、老後の暮らしに至るまで、動物園ではなかなか見ることのできない、知られざるパンダの姿が余すところなく映しだされていく。

世界中の人々の心を掴んで離さない、もふもふフワフワの人気者

パンダはみんなの人気者
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そこで今回は、長年にわたり私たちを魅了してきたパンダという存在を改めて見つめ直しながら、『パンダのすごい世界』が映しだす“パンダの一生”と、その奥深い魅力に迫っていきたい。

様々な性格のパンダたちが登場する
様々な性格のパンダたちが登場する

日本でパンダは半世紀以上にわたり特別な存在として人々に愛されてきた。カンカンとランランが初来日した1972年には、宮崎駿×高畑勲コンビによるオリジナル中編劇場アニメーション『パンダコパンダ』(72)が公開。翌年には続編『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』(73)も制作されるなど、日本中が一躍パンダブームに包まれた。

その後も、1986年に日本で初めて繁殖に成功して話題になった上野動物園のトントン、2000年に日本初となる自然交配による繁殖で誕生した良浜(らうひん)、そして上野動物園で生まれ育ち、社会現象的な人気を集めたシャンシャンなど、多くのパンダが名前と共に記憶されてきた。

こうした歴史の延長線上にいるのが、2021年6月23日に上野動物園で生まれた、シャンシャンの双子の兄妹であるシャオシャオとレイレイだ。ちなみにシャオシャオ(暁暁)は「夜明けの光が差し、明るくなる」、レイレイ(蕾蕾)は「蕾から美しい花が咲き、未来へつながっていく」という意味がそれぞれの名前に込められている。

この2頭が返還されたことで、日本国内で飼育されているパンダは54年ぶりとなる0頭に。シャオシャオとレイレイは現在、2頭の母であるシンシンと姉のシャンシャンが暮らす四川省のパンダ施設に到着し、検疫と健康観察を受けているという。

人気者パンダの一生はたくさんの愛にあふれている!

お母さんに甘える子どもたち
お母さんに甘える子どもたち

では、パンダの“ふるさと”では、彼らはどのように生まれ、育ち、どんな一生を送っているのだろうか。

『パンダのすごい世界』のおもな舞台となるのは、中国四大パンダ基地とも呼ばれる四川省に点在するジャイアントパンダ保護研究センターだ。世界の飼育下パンダのおよそ6割が暮らすこの地には、2023年まで上野動物園で過ごしていたシャンシャンをはじめ、日本から返還されたパンダたちも新たな生活を送っている。繁殖や医療、研究など、それぞれに役割を持つ複数の施設が連携しながら、パンダの命を支えているのが特徴だ。

飼育員と共に自然に戻る準備をするパンダたち
飼育員と共に自然に戻る準備をするパンダたち

映画は、標高1700メートルを超える高地に広がる自然環境から、充実した医療設備が整う施設まで、様々な現場を丁寧に追っていく。野生復帰を目指し、雪深い山中でトレーニングに励むパンダの姿や、飼育員が見守るなか成長していく子どもたち。そして生まれたばかりの赤ちゃんパンダが、人の手を借りながら大切に育てられていく様子など、動物園ではなかなか目にすることのできない日常が映しだされる。

生後80日の双子のパンダ
生後80日の双子のパンダ

登場するのは、年齢も性格も異なる個性豊かなパンダたちだ。大自然のなかで野生復帰に挑むシエンシエン親子、やんちゃな双子のシャオルーとシャオジアン、そして“パンダ界のトップスター”として知られるファーファー。さらに、高齢となり穏やかな余生を過ごすパンダの姿も捉えられ、生まれてから老いに至るまで、パンダの一生もまた多層的に描かれていく。

言葉を超えた強い絆で結ばれる飼育員とパンダのシエンシエン
言葉を超えた強い絆で結ばれる飼育員とパンダのシエンシエン

本作が印象的なのは、パンダだけでなく、彼らに寄り添う飼育員や医療スタッフの姿にも丁寧にカメラを向けている点だ。非常に難易度の高い繁殖や飼育、高齢化といった課題に直面しながらも、愛情と専門性を持って日々パンダと向き合うスタッフたち。パンダのコスチュームを着て世話をする飼育員の慈しみの笑顔や、老いを迎えたパンダ一頭一頭に寄り添い、穏やかな時間を過ごせるよう細やかなケアを続けるスタッフの姿には、思わず胸が熱くなる。それらの親身なケアの積み重ねによって、かつては絶滅の危機に瀕していたパンダの個体数は、着実に回復している。

美味しそうにミルクを飲む赤ちゃん
美味しそうにミルクを飲む赤ちゃん

『パンダのすごい世界』は、パンダに会えなくなったいまだからこそ、私たちがどれほど彼らを愛してきたのか、その命を守るために多くの人が尽力してきたことを、改めて思い出させてくれる。そんな優しさを湛えたこのパンダドキュメンタリーは、静かな余韻と共に、私たちの胸の奥にやさしい温もりを残してくれるはずだ。

文/足立美由紀

※宮崎駿の「崎」は「たつさき」が正式表記

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