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「貯金ゼロ」でも大丈夫 40代から老後資金2000万を作るのに必要な「知恵」

  • 2026.2.7
40代から老後に必要な生活資金を作るには?(画像はイメージ)
40代から老後に必要な生活資金を作るには?(画像はイメージ)

人生の折り返し地点を過ぎた40代、50代。収入は安定してきたものの、教育費や介護費用が重なり、老後資金まで手が回らないという焦りを抱える人は少なくありません。定年退職後に20年以上生活を続ける場合、少なくとも2000万円の資金が必要といわれています。

しかし、この年代には若い世代にない強みがあります。今回は、起業コンサルタントとして活動する岡崎かつひろさんの著書「人生中盤からの成功戦略 お金・仕事・人間関係に困らないコツ」(かや書房)を基に、40代、50代だからこそ実践できる資産形成の考え方をお伝えします。

まず「生活費3カ月分」を現金で確保する

著書で「資産形成の第一歩は、投資ではありません。リスク管理の第一歩は、万が一のための資金と増やすための資金を明確に分けること」と岡崎さんは指摘します。まずは「守りの資金」を確保することが先決と言えるでしょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、40代の約23%、50代の約21%が「金融資産ゼロ」と回答しています。

また岡崎さんは「人生には予期せぬ出来事が必ず訪れます」と注意喚起。具体的には病気、事故、親の介護、そしてリストラです。もしこのような出来事に遭遇したとき、手元に現金がなければ、積み上げた投資資産を不利なタイミングで売却せざるを得ません。

では、なぜ「3カ月分」なのでしょうか。厚生労働省が公表する「令和4年(2022年)雇用動向調査」を見ると、転職入職者が前職を離職してから現職に就くまでの期間は、「1カ月以上3カ月未満」(28.4%)が最多です。

岡崎さんは「会社員であれば、3カ月あれば次の就職先を見つけることが可能」だと主張します。月の生活費が30万円なら90万円、40万円なら120万円。この金額を普通預金に置いておくことが出発点です。

また、岡崎さんは「個人事業主や起業家の場合は不確実性が高いため、半年分の生活費を確保すべき」とアドバイスしています。中小企業庁「小規模企業白書(2023年版)」によると、フリーランスの約4割が「収入の変動が大きい」と回答。売掛金の回収遅延、取引先の突然の契約終了、繁閑の波など、会社員にはないリスクを抱えています。雇用保険の対象外であることも考慮すれば、より厚い備えが必要と言えます。

40代から月3万円を積み立てると、いくらになるか

守りの資産を確保したら、それ以外の資金は積極的に運用していきましょう。2024年に始まった新NISAは、年間最大360万円まで非課税で投資できる制度。つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を組み合わせられ、運用益がすべて非課税となります。非課税期間も無期限です。

では、40歳から月3万円を積み立て、年利5%で運用した場合、65歳時点でいくらになるか。答えは約1786万円です。元本は900万円ですから、約886万円が運用益。これが非課税で受け取れます。月5万円なら約2977万円。老後2000万円問題の解決が、具体的な数字として見えてきます。

50歳からのスタートではどうでしょうか。月3万円、年利5%で15年間運用した場合、65歳時点で約802万円。月5万円なら約1336万円です。40代と比べると時間の差は大きいですが、退職金や企業年金と組み合わせれば、十分に現実的な数字です。大切なのは「遅すぎる」と諦めないことです。

もちろん、年利5%は保証されたものではありません。しかし、過去30年間の世界株式インデックスの平均リターンは年率約7%前後で推移しています。分散投資を心掛ければ、5%という想定は現実的な範囲です。

ただし、「投資にはリスクがつきものです」と岡崎さんが注意喚起します。

消費者庁「令和4年(2022年)版消費者白書」によれば、投資詐欺の相談件数は年間約8000件だといいます。「『年利30%』『元本保証』『確実にもうかる』といった甘い言葉には要注意」と言えます。国内株式、海外株式、債券など複数の資産クラスに分散することで、リスクを抑えながら着実に資産を育てることができます。

経験と人脈を「情報の質」に変える

40代、50代には、20代、30代にはない武器があります。「経験に裏打ちされた判断力」と「人的ネットワーク」です。

長年のビジネス経験は、怪しい投資話を見抜く目を養っています。なぜこの利回りが可能なのか、リスクはどこにあるのかを冷静に分析できる力は、資産を守る最大の防御壁です。同世代の友人や仕事仲間との情報交換も、ネット検索では得られない生きた知恵をもたらします。

江戸時代の近江商人は「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしを商売の基本としました。「この視点は、具体的な投資判断にも生きてきます」(岡崎さん)。

高配当をうたう未公開株への投資話が舞い込んだとき。自分の利益だけで考えれば魅力的に見えても、「その仕組みで得をするのは誰か、損をするのは誰か」という視点を持てば、誰かの損失の上に成り立つ構造が見えてくることがあります。三方よしの精神は、こうした冷静な判断の土台になります。

逆に、地域企業を応援するファンドやESG投資は、リターンを追求しながら社会課題の解決にも貢献できる「三方よし」の選択肢といえます。

資産形成に近道はありません。しかし、40代、50代から始めても、65歳まで25年という時間が残されています。複利の効果は、時間をかけるほど大きくなります。まずは3カ月分の生活費を確保し、月3万円の積み立てを始める。その堅実な一歩が、将来の安心へとつながっていきます。

コラムニスト、著述家 尾藤克之

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