1. トップ
  2. お仕事
  3. 「ここが総務ね」と職場を案内してくれる先輩。だが、一部案内されない部屋を見て、背筋が凍った【短編小説】

「ここが総務ね」と職場を案内してくれる先輩。だが、一部案内されない部屋を見て、背筋が凍った【短編小説】

  • 2026.2.8

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

笑顔の裏に潜む闇

「ここが総務よ。みんな明るくていい人ばかりだから、すぐに馴染めるわ。安心してね」

入社初日、案内役の先輩は柔らかな微笑みを浮かべて、私をオフィスへと導いてくれました。日当たりの良いフロアにはデスクが並び、社員たちの活気ある声が心地よく響いています。

これからの生活に胸を膨らませていた、その時でした。

廊下の突き当たりにある、無機質なグレーの扉の前まで来たときです。先輩は急に口を閉じ、そこだけを無視するように、早歩きで通り過ぎようとしました。

「あの、先輩。あちらの部屋は何でしょうか?」

私が足を止めて尋ねると、先輩の表情が凍りつきました。彼女は周囲を気にしながら、声を潜めてこう囁いたのです。

「……あそこはね、いわゆる窓際。会社に不要だと判断された人たちが、自分から辞めると言うまで座らされている場所なの」

先輩は気まずそうに目を逸らし、私を急かしました。けれど彼女が去った後、私はどうしても抑えきれない好奇心に駆られ、一人でその扉の前へと戻ってしまったのです。

私は息を殺し扉を開け、中をそっと覗き込みました。

シュレッダーの音が響く部屋

そこには、先ほどまでの華やかな世界とは完全に隔絶された、異様な光景がありました。薄暗い部屋に数人の男女が等間隔で座っています。机の上にはパソコンも資料もなく、ただ一台ずつ、シュレッダーが置かれているだけでした。

彼らは、まるで感情を抜き取られた機械のように、紙を一枚ずつ、ただひたすらシュレッダーにかけ続けていたのです。誰一人として会話をせず、表情もありません。

虚空を見つめるその瞳には光がなく、ただ「シュシュシュ」という乾いた音だけが、静まり返った部屋に虚しく響いていました。

その光景はあまりにも残酷で、私の背筋を凍りつかせました。華やかな会社の裏側に隠されていた、魂を空っぽにされる場所。

私の社会人生活は、最悪の戦慄とともに幕を開けたのです。

 

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる