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【60代エンタメ】「ヌン活」をもっと楽しむためのプチ知識 アフタヌーンティーの魅力を英国の物語から読み解きます【好奇心の扉・前編】

  • 2026.2.7

英国生まれの物語にお約束のように登場するのが、アフタヌーンティーをはじめとするお茶の時間のエピソード。貴族から庶民まで、それぞれのクラスの日常で紅茶がいかに愛されているのかが伝わってくるようです。

そこで、ティータイムの名場面の見どころや面白さの秘密を映画やドラマでティータイムの場面監修も手がけるCha Tea紅茶教室の講師の方々に伺いました。自分でお茶会を開くためのコツもご紹介します。

児童文学に登場するティータイムから時代や背景を味わう

ChaTea紅茶教室の代表、立川碧さんが紅茶文化に惹かれるようになったきっかけのひとつは、児童文学にあるそうです。 「子どものころ読んでいた英国を舞台にした物語で、素敵だなと思う紅茶の場面に何度も出合いました。バーネットの『秘密の花園』『小公子』『小公女』などもそうですね」 ビアトリクス・ポターによる絵本『ピーターラビット』シリーズもそのひとつです。ポターは、シリーズのなかでお茶会のエピソードが出てくるお話をいくつも描いています。 「ポターは10代のころ、家族で避暑に訪れた湖水地方の美しさに魅せられ、その経験からピーターをはじめ、面白くて魅力的なキャラクターやストーリーを生みだしました。たとえば『パイがふたつあったおはなし』『こねこのトムのおはなし』では、お話に登場する猫のリビーもタビタもお招きするお客様のため、丁寧に招待状を書いたり子どもたちをちゃんとした服装に着替えさせたり、心を尽くしておもてなしの用意をします。ヴィクトリア朝の裕福な家庭に育ち、きちんとしたエチケットを身につけていたポターだからこそ創作できた物語だと感じますね。動物になぞらえていますが、当時の英国人の生活がわかりやすく描写されていますし、ティータイムがいかに大切な時間だったかということも感じていただけると思います」 モーニングティー、アフタヌーンティー、ナイトティーなど、英国の1日はティータイムとともにあると言っていいでしょう。近年、レストランの夜のメニューとしても人気のハイティーは、19世紀に生まれた夕食を兼ねた労働者階級のお茶の時間に由来します。 「もともと英国では、どの階級でも親子で夕食を一緒に食べるという習慣があまりないようです。子どもは子どもだけで食べさせて寝かせてしまい、親は親だけで食べます。でも、ときおり仕事が早く終わった日には、温かい紅茶とともに夕食を囲んで一家団欒の時間を、というのがハイティーなんです。かしこまった習慣ではありませんが、特別な時間というニュアンスはあります。労働者階級は共稼ぎですから、食事は作り置きの肉料理がメインになりますね」 一方、富裕層ではナニーと呼ばれる家庭教師が夕食はもちろん、朝から就寝まで子どもをしつけて世話をします。ナニーは労働者階級。自分よりも高い階級の子どもを教育する仕事です。全8冊におよぶ児童文学「メリー・ポピンズ」シリーズは、そのナニーである家庭教師が主役。中産階級である銀行家バンクス氏一家に、メリー・ポピンズが東の風に乗ってやってくるところから物語は始まります。最初は生意気だった子どもたちも、素敵な体験をさせてくれる風変わりな家庭教師のことがだんだん好きになっていきます。 ジュリー・アンドリュースがメリー・ポピンズを演じた映画版の、皆が空中にふわふわ浮いてしまう愉快なティータイムは、原作にもある有名な場面。 「映画ではバンクス氏は厳格で多忙な銀行家、バンクス夫人は女性参政権運動家として描かれています。仕事や活動に夢中な両親に変わり、メリー・ポピンズは不思議な力を使って、子どもとともにたくさんの楽しい時間を過ごします。彼女の影響で、子どもたちや家庭の雰囲気が変わっていく。ファンタジーの世界観のなかで、当時の世情を巧みに描いた作品だと思います」

オーダーメイドの器で彩られるアッパークラスのアフタヌーンティー 写真のティーセットは19 世紀前半のミントンのティーセット。講師の鈴木さんによると「当時の上流階級で人気を博したネオロココ様式で、優美な曲線を描くフォルムや、金彩などの豪華な装飾が特徴的です。特に、この絵柄は、貴族が自分の領地の風景を描かせたオーダーメイドだと思われます。アッパーなクラス感が伝わってきますね」。添えたお菓子は「ヴィクトリアサンドウィッチ」と呼ばれる英国の伝統的なケーキ。ヴィクトリア女王が好んだと言われ、スポンジケーキの間にジャムをはさんで上から粉砂糖を振りかけてあります。

ティータイムの名場面でさらに味わいたい英国の物語

作者ビアトリクス・ポター 生誕160年を迎える ピーターラビット

『ピーターラビットのおはなし』

『パイがふたつあったおはなし』

『こねこのトムのおはなし』

すべて 作・絵/ビアトリクス・ポター 訳/いしいももこ 福音館書店 各¥770

世界中で愛されている児童書の古典『ピーターラビット』の生みの親は英国の作家、ビアトリクス・ポター。今年2026 年は生誕160 周年となります。幼いころから、飼っていた動物をスケッチすることを好んだといわれるポター。その優れた観察眼によって生まれたピーターラビットとその仲間たちの魅力は、いまも物語のなかでみずみずしく息づいています。 ティータイムがエピソードとして出てくるお話としては、上記のエピソードのほか、『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』もあります。招いてもいない虫たちや隣人のカエルのジャクソンさんに部屋を汚されてしまった、きれい好きのねずみの奥さん。それでも粘り強く2 週間をかけて大掃除をしてティーパーティを開くのでした。

名作ミュージカル『メリー・ポピンズ』 2026年春、東京・大阪で上演

©Disney / CML

ミュージカル『メリー・ポピンズ』 【東京公演】
プレビュー公演:2026 年3 月21 日(土)~ 3 月27 日(金)
東京公演:2026 年3 月28 日(土)~ 5 月9 日(土)
会場:東急シアターオーブ 【大阪公演】
2026年5 月21 日(木)~ 6 月6 日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール <キャスト>
メリー・ポピンズ:濱田めぐみ/笹本玲奈/朝夏まなと(トリプルキャスト)、バート:大貫勇輔/小野田龍之介/上川一哉(トリプルキャスト)、ジョージ・バンクス:小西遼生/福士誠治 (W キャスト)、ウィニフレッド・バンクス:木村花代/知念里奈 (W キャスト)、バードウーマン/ミス・アンドリュー:島田歌穂/樹里咲穂(W キャスト)、ブーム提督/頭取:コング桑田/安崎 求 (W キャスト)、ミセス・ブリル:浦嶋りんこ/久保田磨希 (W キャスト)、ロバートソン・アイ:石川新太/ DION(Wキャスト)ほか <平日料金>
SS 席:16,500 円 S席:15,500 円 A 席:12,000 円 B 席:7,000円
< 土日祝料金>
SS 席:17,500 円 S 席:16,500 円 A 席:13,000 円 B 席:8,000 円 企画制作:ホリプロ/東宝 主催:ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作委員会

原作や映画同様、舞台として世界的に高い評価を得ているミュージカル『メリー・ポピンズ』が、2026年3 月から6 月にかけて、東京・大阪で上演されます。
日本では今回で3 度目の公演となる話題作。人気の秘密はミュージカルとしての音楽とショーの楽しさ、そして舞台ならではの驚きに満ちた演出。ブロードウェイではトニー賞も獲得しています。子どもから大人まで楽しめる作品らしく、家族で行ける、お得なS 席セット券があるのも嬉しいところ。 詳しくは、ミュージカル『メリー・ポピンズ』公式サイトにてご確認ください。
そうそう、ミュージカル版でのティータイムのエピソードは、お茶会を開こうとして起きるコミカルなハプニングの連続!
どうぞお楽しみに。 ミュージカル『メリー・ポピンズ』公式サイト
https://marypoppins2026.jp/

お話を聞いた方

Cha Tea 紅茶教室 東京・西日暮里の閑静な住宅街にある紅茶教室。本格的な紅茶の知識から、紅茶にまつわる文化・歴史など充実したカリキュラムを提供。机上の講義だけでなく、貴重なアンティークの茶器を使った紅茶のテイスティング、お菓子とのペアリングなど、実際に紅茶と親しむサロンならではのクラスも人気。英国様式で建てられた美しい住宅でレッスンが行われています。 https://chatea.tea-school.com

撮影/増田智泰 構成・文/杉村道子 ※素敵なあの人2026年3月号「『ダウントン・アビー』『メリー・ポピンズ』『ピーターラビット』など英国の物語から読み解く、ティータイムの上手な楽しみ方【好奇心の扉】」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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