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見るだけじゃない酒蔵見学へ。創業約220年の老舗・本家松浦酒造が始めた“選べる”日本酒体験コース

  • 2026.2.6

徳島県を代表する酒蔵・本家松浦酒造で提供している「酒蔵体験プログラム」。今回は、プログラムの中から4種類の体験にチャレンジ。日本酒ラベルの読み方や種類ごとの試飲、リアル蔵人体験まで盛りだくさんなコースを体験し、知識だけではなく、好みの日本酒を選ぶ極意を習得してきた。

盛りだくさんな内容の「酒蔵体験プログラム」
盛りだくさんな内容の「酒蔵体験プログラム」

年間1万人が訪れる人気酒蔵で、日本酒を深掘り体験!

徳島市にある本家松浦酒造は、創業約220年。1886年(明治19年)に清酒『鳴門鯛』の登録商標を取得し、徳島県産米や徳島県産酵母を多く使用した地元・徳島にこだわった日本酒造りを続けている。

登録商標『鳴門鯛』ののれん
登録商標『鳴門鯛』ののれん

年間1万人以上が訪れるという人気の酒蔵で、いままでは無料の酒蔵見学のみを行ってきたが、もっと深く日本酒のことを知ってもらうため、新しく有料コースを用意した。現在、募集を受付中の「松」、「竹」の2コースに、今後は料理とのマリアージュを体験する「梅」コースと、リアル蔵人体験ができる「極」コースが追加される予定だ。

酒の寺子屋で日本酒について学ぶ

今回はまず「【梅】ラベルから味わう日本酒コース」を体験した。日本酒のラベルの見方を学ぶ「酒の寺子屋」に酒蔵内見学がついており、所要時間は約90分。

酒ラベル見方セミナー「酒の寺子屋」
酒ラベル見方セミナー「酒の寺子屋」

「酒の寺子屋」は、もともとはスタッフ向けに行っていたものを、よりわかりやすく改良したもの。ラベルに記載してある用語の意味を知ることによって、自分好みの日本酒を選びやすくなるという。

番号と種類が記載されたシートに並べられた、10種〜13種の日本酒を試飲しながら進める
番号と種類が記載されたシートに並べられた、10種〜13種の日本酒を試飲しながら進める

まずは、純米から純米大吟醸まで、酒米の精米歩合の違いを学ぶ。酒米の精米歩合の違いは、磨けば磨くほど雑味が減ってフルーティに仕上がる。数値が小さいほどしっかり磨かれており、50%以下は大吟醸、60%以下は吟醸、70%以下は純米(本醸造)というように分類が異なる。

シートを見ながら進められるので、酒の知識がなくてもわかりやすい
シートを見ながら進められるので、酒の知識がなくてもわかりやすい

実際に飲んでみると、確かに大吟醸はスッキリとした味。一方、純米は米のうま味やコクがしっかり残っている。筆者は、日本酒と言えば純米の印象が強かった。さらに大吟醸に醸造アルコールをくわえたものを飲み比べ。醸造アルコール入りは、香りがたってフルーティ。あと味もさらっとしていて、甘みを感じる人もいるらしい。このあたりは、どちらがよいというよりは完全に好みになるそうだ。

種類が多いため、水をはさみながら試飲を。ただ水を飲みすぎると口の中が水っぽくなって味がわかりにくくなるので注意
種類が多いため、水をはさみながら試飲を。ただ水を飲みすぎると口の中が水っぽくなって味がわかりにくくなるので注意

実際に試飲しながら進めていくため、酒の知識がない初心者にもわかりやすいのがうれしい。マニアックな日本酒も入れてあるそうで、今回は常温で19年寝かし、シェリー樽で寝かせて香り付けした古酒が登場。味はクセがあって好みが分かれそうだが、直売所にしかないような酒に出合えるのも楽しみのひとつだろう。

歴史ロマンあふれる酒蔵見学

酒蔵内の見学では、登録有形文化財(建造物)に指定された酒蔵や精米蔵を回りながら、同酒造の歴史や酒造りに関する話を聞くことができる。

国登録有形文化財(建造物)に指定されている精米蔵。ほかにも、長屋門や仲酒造など5棟が文化財に指定されている
国登録有形文化財(建造物)に指定されている精米蔵。ほかにも、長屋門や仲酒造など5棟が文化財に指定されている
精米蔵の壁。左官の技術によって文字の部分が盛り上がっている
精米蔵の壁。左官の技術によって文字の部分が盛り上がっている

同酒造のルーツは、鎌倉時代から九州の長崎・平戸・五島あたりを根城にしていた水軍・松浦党。近くの醤油蔵も、もとは同じ一派だったのだとか。こうした歴史のロマンあふれる話を聞くのもおもしろい。

当時の道具なども見ることができる
当時の道具なども見ることができる

珍しいASMR体験で“発酵の音”を聞く

次は「【竹】五感で味わう日本酒探求コース」を体験。こちらは梅コースの内容にプラスして、発酵タンクの見学(ASMR)と、徳島の食材を使った「阿波肴箱」が付く。発酵タンクの見学では実際にタンクを開けてもらい、仕込み時間別のもろみの状態を見ることができる。案内してくれたのは、同酒造の10代目蔵元で総杜氏の松浦素子さん。

10代目蔵元で総杜氏の松浦素子さんの案内で、発酵タンクの見学
10代目蔵元で総杜氏の松浦素子さんの案内で、発酵タンクの見学

おもしろいのが、発酵タンクのASMR体験。高性能収音マイク・ヘッドフォンを使い、酵母が奏でる「発酵の音」を聞くことができる。これは松浦さんが幼少のころ、ホーロー製だったタンクに、そっと耳を付けて音を聞いた体験が元になっている。

高性能収音マイク・ヘッドフォンを使った、発酵タンクのASMR体験
高性能収音マイク・ヘッドフォンを使った、発酵タンクのASMR体験

渡されたイヤホンを装着すると、表面のポコポコと泡立つ様子に合わせるように、シュワシュワという音が聞こえた。松浦さんによると、この音はもろみが元気な証拠。仕込んで4日から6日くらいのころが、一番音が大きいのだという。ここから炭酸ガスが抜けて、約1〜1.5カ月で白くてドロドロしたもろみの状態に。これを絞ると日本酒に、その絞りかすが酒粕になるのだ。

発酵タンクの中は表面の泡もよく見える。今回音を聞いたのは、仕込んで10日目の純米のタンク
発酵タンクの中は表面の泡もよく見える。今回音を聞いたのは、仕込んで10日目の純米のタンク

酒ラベル見方セミナーの際に付く「阿波肴箱」には、徳島の食材を使った肴がぎっしり詰まっており、試飲の楽しみも増える。

鳴門鯛のお造りにあずき貝、阿波地鶏炭火焼き、鳴門金時など、徳島食材の肴がぎっしりと詰まった「阿波肴箱」
鳴門鯛のお造りにあずき貝、阿波地鶏炭火焼き、鳴門金時など、徳島食材の肴がぎっしりと詰まった「阿波肴箱」

料理とのマリアージュを知る

近日登場予定の「【松】蔵と美食を味わう日本酒マリアージュコース」も、特別に体験させてもらった。

こちらのコースでは、上記の「梅」+「竹」コースの内容にプラスして、海が見えるホテル・アオアヲ ナルト リゾートのフランス料理「フォーシーズン」または「日本料理 永代」の料理と、本家松浦酒造の日本酒のマリアージュ体験が楽しめる。今回はフランス料理のコース全7品を、それぞれに合う日本酒とともにいただいた。

料理ごとに1杯ずつ、その料理に合う日本酒が提供される
料理ごとに1杯ずつ、その料理に合う日本酒が提供される

前菜に合わせるのは「鳴門鯛 純米吟醸 うすにごり生酒 凛」。直売所のみで販売されている限定品で、生酒特有の微炭酸感が、重くなりがちなクリームチーズやサーモンの脂身をすっきりと流してくれる。さらに、サーモンの旨味に、うすにごりの酸味と米の香りが絶妙にマッチするので、ぜひじっくりと味わってほしい。

前菜の「サーモンとクリームチーズのカナッペ トリュフのエクラゼ」。合わせる日本酒は「鳴門鯛 純米吟醸 うすにごり生酒 凛」
前菜の「サーモンとクリームチーズのカナッペ トリュフのエクラゼ」。合わせる日本酒は「鳴門鯛 純米吟醸 うすにごり生酒 凛」

繊細な味の魚料理には「鳴門鯛 純米大吟醸 十代目」を。山田錦を丹念にみがき、長期醗酵させた「鳴門鯛 純米大吟醸 十代目」の甘く上品な香りとさわやかな口当たりが、鳴門鯛の旨味を引き立てる。

魚料理は「鳴門鯛のプァプールときのこのリゾット 鳴門井上味噌とベルモットのソース」。名物の鳴門鯛を酒で蒸し上げ、昔ながらの木樽で製造されている鳴門井上味噌の味噌とベルモットを使ったソースを添えている
魚料理は「鳴門鯛のプァプールときのこのリゾット 鳴門井上味噌とベルモットのソース」。名物の鳴門鯛を酒で蒸し上げ、昔ながらの木樽で製造されている鳴門井上味噌の味噌とベルモットを使ったソースを添えている

肉料理には「鳴門鯛 純米吟醸原酒 大古酒」をペアリング。低温調理でやわらかく仕上げられた牛フィレ肉に焦がし醤油の香りが食欲をそそる。

肉料理の「香味野菜をまとった国産牛フィレ肉のロースト 焦がし醤油の香り 赤ワインのアクセント」
肉料理の「香味野菜をまとった国産牛フィレ肉のロースト 焦がし醤油の香り 赤ワインのアクセント」

合わせた古酒は蔵で30年熟成させたあと、シェリー樽に移して香りを移している。好き嫌いが分かれそうなクセのある味わいだが、料理と合わせることで、双方の味の膨らみを感じられるようになるという、まさにマリアージュの醍醐味のような組み合わせだ。

30年熟成させた「鳴門鯛 純米吟醸原酒 大古酒」は、ウイスキーのような琥珀色
30年熟成させた「鳴門鯛 純米吟醸原酒 大古酒」は、ウイスキーのような琥珀色

料理と日本酒が互いを引き立て合い、ひと皿ごとに新しい発見があるこのコース。瀬戸内の景色とともに、ここでしか味わえない贅沢なペアリング体験を楽しめば、徳島・鳴門の魅力を五感で再発見できそうだ。特別な日のご褒美や旅のハイライトに、ぜひチェックしてみよう。

リアル蔵人体験も登場予定

さらに今後は「リアル蔵人体験」ができる「【極】水ト米ト人で醸す一本の酒コース」も登場予定。全4回の体験で、自分たちが作った酒を瓶に詰め、ラベルを貼って持ち帰ることができる。

蒸し上がった米はクレーンを使って運ぶ。この日蒸し上げた米は170キロ
蒸し上がった米はクレーンを使って運ぶ。この日蒸し上げた米は170キロ

この日は「極」体験の一部、水につけた米を取り出し、蒸す工程を見学させてもらった。蒸し上げた米を室(むろ)へ運び、温度を確認しながら米をもんで平らに広げたあと、タネ(麹菌)を振り、ビニールと布で包む。これを約24時間おくと、米麹が完成する。

約35度に保たれた室(むろ)の中。米を平らに広げる行程では、適切な温度管理が大切。麹菌の繁殖適応温度は30~40度で、15度以下では働かず、50度を超えると死滅してしまう
約35度に保たれた室(むろ)の中。米を平らに広げる行程では、適切な温度管理が大切。麹菌の繁殖適応温度は30~40度で、15度以下では働かず、50度を超えると死滅してしまう

この後、原料を合わせて醸造し、しぼり(ろ過)や加水、火入れを経て、瓶詰めしてラベルを貼り、完成となる。実際に蔵人が行うことを体験できるこのコース。自ら瓶詰めした日本酒は味も格別だろう。

限定の酒や日本酒グッズが購入できる直売所も

知識欲が満足したら、ぜひ酒蔵ならではのお土産をゲットしよう。こちらには、直売所と販売している酒を肴とともに楽しめる呑み処がある「ナルトタイの店」を併設している。

さまざまなアイテムが並ぶ「ナルトタイの店」
さまざまなアイテムが並ぶ「ナルトタイの店」

直売所には、ここでしか手に入らない限定の酒や、オリジナルの保冷バッグ、日本酒や酒粕を使ったグッズなどがならぶ。

買ったお酒を入れて帰れる「保冷トートバッグ」(2420円)は、4合瓶が4本入るビッグサイズ!
買ったお酒を入れて帰れる「保冷トートバッグ」(2420円)は、4合瓶が4本入るビッグサイズ!
日本酒エキス配合の「オーガニックハンドクリーム」(小:880円、大:2200円)は、お酒が飲めない人へのお土産にも ※写真は大
日本酒エキス配合の「オーガニックハンドクリーム」(小:880円、大:2200円)は、お酒が飲めない人へのお土産にも ※写真は大
非加熱で仕上げたフレッシュタイプの入浴剤「酒粕バスエッセンス」(495円)
非加熱で仕上げたフレッシュタイプの入浴剤「酒粕バスエッセンス」(495円)

もちろん、日本酒も充実のラインナップ。季節や数量限定など、直売店ならではの酒もそろっているので、学んだ知識を活かしつつ、自分好みの1本を手に入れたい。

直売所限定の「鳴門鯛LED無濾過生原酒(720ml 2750円)」。徳島県が開発した酵母「LED夢酵母」を使用した「鳴門鯛LED」の無濾過生原酒で、搾りたてのフレッシュな味わいが楽しめる
直売所限定の「鳴門鯛LED無濾過生原酒(720ml 2750円)」。徳島県が開発した酵母「LED夢酵母」を使用した「鳴門鯛LED」の無濾過生原酒で、搾りたてのフレッシュな味わいが楽しめる

ラベルの読み解きから、発酵の音に耳を澄ます体験、料理とのマリアージュまで……。五感で日本酒の奥深さに触れられる本家松浦酒造の酒蔵体験プログラム。日本酒ビギナーはもちろん、通な人にも新たな発見があるはずだ。徳島旅の目的地として、“知って飲む”楽しさを味わえる酒蔵体験を加えてみてはいかがだろう。

【梅】「ラベルから味わう日本酒コース」

酒ラベル見方セミナー「酒の寺子屋」+案内人付き酒蔵見学

お一人様 6600円

人数:最少6名 ~ 最大30名

所要時間:約1時間30分

【竹】「五感で味わう日本酒探求コース」

発酵タンクの見学(ASMR)&徳島食材の肴「阿波肴箱」+【梅コース】

お一人様 1万4000円

人数:最少6名 ~ 最大10名

所要時間:約2時間

【松】「蔵と美食を味わう日本酒マリアージュコース」

アオアヲ ナルト リゾートにて特別コースのご夕食、ご宿泊

お一人様 3万6200円

人数:最少8名 ~ 最大20名

所要時間:1泊2日

【極】「水ト米ト人で醸す一本の酒コース 蔵人体験!」

全般的な酒造りを体験いただくプログラム

お一人様 22万円

人数:最少4名 ~ 最大6名

所要時間:1泊2日の体験を3回(全6日間)

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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。

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