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「おい!遅刻だぞ!」遅れてきた新人。だが、新人が述べた理由にモヤモヤしたワケ【短編小説】

  • 2026.2.7

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

価値観の違い

「おい!遅刻だぞ!」

月曜日の朝、静まり返ったオフィスに上司の怒鳴り声が響き渡りました。

ピリピリとした空気の中、視線の先にいたのは、配属されたばかりの新人くん。

彼が引き起こした「時間解釈」の騒動が、私の心に今でも消えないモヤモヤを残しています。

ことの発端は、その日の朝に行われる予定だった重要なミーティングでした。

事前に共有された集合時間は「10時10分前」。

私を含め、その場にいた社員全員が、これを「10時の10分前」、つまり「9時50分」と解釈していました。

しかし、新人くんが現れたのは10時8分でした。

予定より18分も遅れての重役出勤。

当然、上司はカンカンです。

「みんな待ってるんだぞ!」と雷を落としました。

新人の主張

ところが、新人くんは悪びれる様子もなく、キョトンとした顔でスマホの画面を私たちに見せてきたのです。

「え? でも課長、まだ10時8分ですよ?」

一瞬、何を言っているのか理解できませんでした。

彼は続けて、信じられない言い訳を口にしたのです。

「指示は『10時10分前』でしたよね?つまり『10時10分』になる『前』に来ればいいってことですよね?今は10時8分なので、期限の2分前です。僕は遅刻していません」

時が止まりました。

彼は「10時の、10分前(9:50)」という引き算ではなく、「10時10分、の前(〜10:09)」という期限として言葉を受け取ったというのです。

確かに、言葉遊びとして見れば、彼の理屈が100%間違っているとは言えないのかもしれません。

日本語は時に曖昧です。

ですが、私が猛烈にモヤモヤしたのは、その屁理屈ではありません。

すでに十数人の先輩や上司を20分近く待たせているという事実を棚に上げ、「自分の解釈こそが正しい」「紛らわしい言い方をしたそっちが悪い」と言わんばかりの、その態度でした。

「次は9時50分って書いてくださいね。それなら間違えませんから」 席に着きながらそう呟いた彼を見て、上司は顔を真っ赤にして驚いていました。

言葉の定義よりも、「相手の意図を汲み取る」というコミュニケーションの基本が通じない恐怖。

あまりにも深い溝を感じた、月曜日の出来事でした。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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