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「朝型・夜型」は5つのサブタイプに分けられる

  • 2026.2.6
朝型・夜型は5つのタイプに分けられる / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

一般的に、人の活動や体内時計のスタイルは「朝型」「夜型」の2タイプに分けて論じられます。

朝早くから活動できる人もいれば、夜になるほど集中力が高まる人もおり、この区分は日常会話でも広く使われています。

しかし、カナダのマギル大学(McGill University)を中心とする国際研究チームは、この単純な二分法では人間の睡眠リズムの実態を十分に説明できないことを明らかにしました。

研究チームは大規模な脳画像データと行動や健康に関する情報を解析し、「朝型」「夜型」はさらに細かく5つの生物学的サブタイプに分けられることを突き止めたのです。

この研究成果は2025年12月22日付の『Nature Communications』に掲載されました。

目次

  • 「朝型・夜型」は5つのサブタイプに分けられる
  • 「3つの夜型」と「2つの朝型」、それぞれの違いとは?

「朝型・夜型」は5つのサブタイプに分けられる

これまでの睡眠研究では、夜型の人は抑うつや生活習慣病のリスクが高いとされることが多くありました。

一方で、夜型でも健康に問題なく生活している人がいることも知られており、研究結果は必ずしも一貫していませんでした。

同じ夜型であっても、心身の状態には大きな個人差があったのです。

研究チームは、この食い違いの原因は「朝型か夜型か」という分類そのものが粗すぎる点にあると考えました。

夜型という大きな枠の中に、脳の状態や健康リスクが異なる複数のタイプが混ざっている可能性があると考えたのです。

そこで本研究では、睡眠リズムを単なる生活習慣として扱うのではなく、脳の特徴と行動や健康状態がどのように結びついているのかを詳しく調べることを目的としました。

研究チームが用いたのは、イギリスのUKバイオバンクに登録された約27000人分のデータです。

このデータベースには、「自分は朝型か夜型か」という自己申告に加えて、脳のMRI画像、生活習慣、認知テストの成績、病歴や服薬情報まで含まれていました。

研究者たちはまず、脳の画像から灰白質の量、脳内の配線にあたる白質の状態、さらに脳領域同士のつながり方を調べました。

そのうえで、こうした脳の特徴と行動や健康状態が同時にどのような組み合わせで現れているのかを解析しました。

簡単に言えば、「似た脳の特徴を持つ人たちは、生活や健康の面でどんな共通点を持っているのか」を、膨大なデータから機械的に探し出したのです。

この方法により、研究者の先入観に頼ることなく、人の睡眠リズムに潜む隠れたパターンを明らかにすることができました。

その結果、「朝型」と「夜型」はそれぞれ1種類ではなく、合計5つの異なるサブタイプに分けられることが分かりました。

夜型の中には「高パフォーマンス型」、「脆弱型」、「男性偏重型」が存在していました。

朝型の中には「健康型」、「女性偏重型」という2つのタイプが確認されました。

これらのタイプは、単に起床時刻や就寝時刻が違うだけでなく、脳の構造や働き方、生活習慣、健康リスクの分布まで大きく異なっていました。

次項では、それぞれのタイプがどのような特徴を持つのかを、より詳しく見ていきます。

「3つの夜型」と「2つの朝型」、それぞれの違いとは?

まず明らかになったのは、夜型が決して一様な集団ではないという点です。

「高パフォーマンス型」は、夜型でありながら反応速度が速く、認知テストの成績も良好でした。

一方で、イライラしやすい、気分が落ち込みやすいといった情動調整の難しさも報告されています。

脳の特徴としては、感情や注意に関わる領域の構造や結びつきが、他のタイプと比べて相対的に強い傾向が見られました。

「脆弱型」では、抑うつ症状や喫煙、高血圧や糖尿病などの心血管系リスクが集中的に見られました。

このタイプでは、脳内の白質、つまり神経同士を結ぶ配線の状態が、全体的にやや弱い傾向にあることが統計的に示されています。

「男性偏重型」は主に男性に多く、飲酒や喫煙、リスク行動が多い傾向を示しました。

ホルモンの特徴としてテストステロン値が高く、前立腺疾患や高血圧との関連も見られています。

これらの結果は、夜型と健康リスクの関係が研究ごとに異なっていた理由を説明する重要な手がかりとなります。

一方で、朝型についても単純に「健康的」と言い切れないことが分かりました。

「健康型」は、喫煙や飲酒が少なく、医療記録上の問題もほとんど見られないタイプでした。

教育年数が長く、全体として安定した生活スタイルと結びついている点が特徴です。

「女性偏重型」は主に女性に多く、朝型でありながら抑うつ症状や月経関連の問題と関連していました。

ホルモンの面では、テストステロンが低く、性ホルモン結合グロブリンが高い傾向が示されています。

さらに注目すべき点として、研究チームは米国の子ども約10000人を対象にした別の大規模データにも同じ解析を行いました。

そこでも5つのタイプが再現されましたが、どのタイプがどの年齢層で多いかといった分布は成人とは異なり、年齢によって姿を変えることが示されました。

この結果は、クロノタイプが生まれつき一生変わらない性格ではなく、発達や加齢とともに形を変える生物学的な特性であることを示唆しています。

この研究が示した最大の意義は、「朝型か夜型か」ではなく、「どのサブタイプに属するか」によって、強みとリスクの分布が大きく異なることを明確にした点です。

研究者たちは、クロノタイプそのものを病気とみなすべきではなく、個人差を理解するための重要な手がかりだと強調しています。

今後は、遺伝情報との関係や、同じ人を長期間追跡する研究を通じて、これらのサブタイプがどのように形成され、どのように変化していくのかを詳しく調べていく予定です。

参考文献

Scientists Discover Five Types of Night Owls and Early Birds. Which Type Are You?
https://www.zmescience.com/science/five-new-brain-sleep-subtypes-discovered/

Night owl or early bird? Study finds sleep categories aren’t that simple
https://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/night-owl-or-early-bird-study-finds-sleep-categories-arent-simple-370706

元論文

Latent brain subtypes of chronotype reveal unique behavioral and health profiles across population cohorts
https://doi.org/10.1038/s41467-025-66784-8

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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