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怠けているだけではなかった! 朝起きられない、汗が止まらない、せっかちになる…夫の異変の正体は?【作者に聞く】

  • 2026.2.4
階段を登ってきただけなのに、夫の背中からは驚くほど強い動悸が伝わってきた。これは普通じゃない…! 画像提供:(C)桜木きぬ
階段を登ってきただけなのに、夫の背中からは驚くほど強い動悸が伝わってきた。これは普通じゃない…! 画像提供:(C)桜木きぬ

休日になると一日中寝ているのに、朝はだるくて起きられない。仕事のストレスが原因かもしれないと見守っていたが、次第に「ダラダラするな」とイライラが募るようになる。階段を上がるだけで滝のような汗をかき、動悸や息切れが激しく、食事量は変わらないのに体重は10キロ近く減少。「これはおかしい」と受診した結果、夫に下された診断は「バセドウ病」だった。今回紹介するのは、桜木きぬさん(@kinumanga)が自身の体験をもとに描いた漫画『夫がバセドウ病にかかったら』である。

※本作で紹介されている症状は個人の体験談であり、すべての人に当てはまるものではありません。症状で悩んでいる場合は医師・看護師等の専門家に相談してください。また、センシティブな内容を含むため、閲覧には注意が必要です。

「疲れているだけ」と思っていた違和感が、半年以上続いていた

夫がバセドウ病にかかったら01_001 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら01_001 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら01_002 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら01_002 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら01_003 画像提供:(C)桜木きぬ
夫がバセドウ病にかかったら01_003 画像提供:(C)桜木きぬ

診断される前の夫は、とにかく体がだるく、寝ても寝ても眠れてしまう状態が続いていたという。「思えば半年くらいずっとしんどかった」「まるでいつもプールの授業の後の5時間目みたいだった」と本人は振り返る。

熱や咳、鼻水といった分かりやすい症状はなく、食欲もある。それでも食後や休日はずっと横になり、平日も朝起きられない姿は、家族の目には「ダラダラしている」「怠けている」ように映っていた。体重減少に加え、手の震えや動悸、息切れが目立ち始めたことで、桜木さんは「病院に行こうよ」と夫を連れ出した。

診断は「バセドウ病」。原因がわかって変わった家族の受け止め方

いくつかの医療機関を受診した末に告げられたのが「バセドウ病」だった。甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、動悸や息切れ、多汗、全身の倦怠感、体重減少、手足の震え、眼球突出など、全身にさまざまな影響が出るのがこの病気の特徴だ。

夫が診断されたのは2018年ごろ。その体験をもとに描いた漫画を2022年にXへ投稿すると大きな反響を呼び、2025年には連載へとつながった。桜木さんは「渦中にいるときは客観的に描けない。学生時代に交通事故で内臓(肝臓)破裂という重傷を負った経験も、20年たってから漫画にした」と語り、ある程度時間を置くことで初めて描けることがあると明かす。

病気がわかってからは、「朝なかなか起きてこなくても、これはバセドウ病のせいだなと割り切れるようになった」という。「朝以外は働き者の夫です」「ホルモンには勝てないね」「お互いさま」と考えられるようになり、以前は腹立たしく感じていた行動も、少しずつ受け入れられるようになったそうだ。

せっかちさや精神面の変化に、家族が揺さぶられる日々

一方で、精神面の変化には大きな戸惑いがあったという。バセドウ病の患者の中には、赤信号すら待てないほどせっかちになる人もいるとされ、夫も会話にかぶせるように返事をしたり、忘れっぽくなったりすることが増えた。「症状が重いときの精神状態が気がかりでした」「事故に遭わないかヒヤヒヤします」と桜木さんは振り返る。本人は対応できても、子どもは素直にイライラしてしまい、家の中がギスギスすることもあったらしい。

「いつもゴロゴロしてる」「いっしょにプールに行く約束したのに」と息子が不満を漏らすこともあり、「気にせずいつもどおりに接してほしい」と言われても、症状が出ているときは心配や怒りが先に立ち、気持ちの整理は簡単ではなかったそうだ。

治療7年目。描いたからこそ届いた“理解につながった”という声

薬物療法を続け、現在は治療7年目。漫画として経験をまとめたことで、「理解の助けになった」という体験談が寄せられたことが、桜木さんにとって嬉しく、大きな励みになっている。また、「放射性ヨウ素を使ったアイソトープ治療や甲状腺切除の手術を経験された方が知見を分けてくださるのがありがたいです」と感謝の気持ちを抱いているとも語った。

本作は甲状腺専門病院・伊藤病院の監修を受け、ダ・ヴィンチWebで連載中。そのほかにも『わたしが選んだ死産の話』『性別に振り回されたわたしの話~1981年生まれのノンバイナリー~』などを発表しており、Xに投稿されている日常漫画も高い支持を集めている。ぜひ多彩な桜木ワールドに足を踏み入れてみてほしい。

取材協力:桜木きぬ(@kinumanga)

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