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おしゃれに目覚めた3歳の娘が夢中に! とっておきの一着を選ぶ喜び、コーディネートを悩む幸せな時間。ときめきが詰まった、くらはしれいさん最新絵本【書評】

  • 2026.2.4
きょうは なにきる? くらはしれい/KADOKAWA
きょうは なにきる? くらはしれい/KADOKAWA

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3歳を迎えた娘は、最近「今日はこれが着たい」と自分で服を選ぶようになってきた。私が差し出した服に首を振り「いや!こっちがいいの!」と別の組み合わせを主張することもある。それならばと休日、時間に余裕がある日は、その感性に任せてみることにした。すると、色も柄もばらばらで「そうくるか!」と思わず笑ってしまうようなコーディネートを、臆することなく着こなして披露してくれる。

そんな彼女の心をきっとつかむだろうと、うっとりするような洋服やファッション小物が登場する『きょうは なにきる?』(くらはしれい/KADOKAWA)を読み聞かせてみた。結果は予想以上。ページをめくるごとに目を輝かせながら、どれにしようかと悩む彼女。「これにする!」と、お気に入りを選ぶウキウキとした様子が全身から溢れ出ていた。

クローゼットの奥の秘密の扉の先には…

物語の主人公もまた、特別な日のおめかしをしようとクローゼットを覗いている。どれにしようと悩んでいると、奥に秘密の扉を見つけ、開くとそこは動物たちが営むこだわりのお店が広がっていた――。

羊のワンピース屋さん、白鳥のブラウス屋さん、うさぎの帽子屋さんなど、お店ごとにわくわくするようなファッションアイテムが並ぶ。モコモコひつじぐもワンピース、オーロラブラウス、きたかぜがきこえるみみあて……。「なにえらぼう なにきよう」と女の子は、心ときめく洋服選びの旅に出る。想像力を刺激するお洋服や小物の数々に、娘もすっかり夢中な様子。

リフレインが心地よく響き、読み聞かせにもぴったり

くらはしれいさんの繊細に描きこまれた愛らしいイラストは、大人もうっとりするほど。加えて本作は、心地よいリフレインが印象的で、読み聞かせにもぴったり。

「なにえらぼう なにきよう」というフレーズがお店ごとに登場するので、自然と「なにえらぼう なにきよう」と口ずさむように。靴下や靴では「なにはこう」と変化するので、「この場面では“はく”っていうんだよ」という会話から、「きる」「はく」「かぶる」「もつ」「つける」といった、アイテムごとでの動詞の使い分けにも自然と意識が向いた。

もっとも、この絵本の魅力は、読み聞かせの場面だけにとどまらない。ページをめくるたびに現れる洋服や小物の数々は、子ども以上に大人の想像力をくすぐる。色や質感、名前のひとつひとつに物語が宿っていて、じっくり眺めていると、時間を忘れてしまうほどだ。実際、この書評を書きながら絵本を読み返しているときに、何度手が止まって見入ってしまったことか!

くらはしれいさんの絵本が、子どもだけでなく大人からも支持を集めている理由は、こうした「ときめき」を、年齢を問わず等しく差し出してくれる点にあるのだと思う。誰かのためではなく、自分の気分のために絵本を開く。そんな楽しみ方もできるだろう。

『きょうは なにきる?』は、服を選び始めた子どもにとっては、自分の「好き」を確かめる1冊であり、そばで見守る大人にとっては、選ぶ楽しさを思い出させてくれる絵本でもある。もちろん、ひとりで静かにページをめくる時間にも、この絵本はよく似合う。毎日を少しだけ特別にする、その入り口としてページをめくってみてほしい。

文=ネゴト / Micha

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