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「女なんて産んで…」姑の言葉は嫁いびりではなく最大級の愛だった…亡き義母が遺した“愛の伏線”が胸に刺さる【作者に聞く】

  • 2026.1.30
容疑者をおびき出すことを夫は反対するが、麻衣の決心は変わらない。 鳩ヶ森(@hatogamori)
容疑者をおびき出すことを夫は反対するが、麻衣の決心は変わらない。 鳩ヶ森(@hatogamori)

続きを心待ちにする読者でコメント欄が埋め尽くされているミステリー漫画がある。SNSで連載中の「犯人を予想する漫画『仮門』」だ。「めちゃくちゃおもしろい」「まだ犯人を予想できないのにハマってる」「候補が多すぎて混乱する」「人物相関が濃すぎて何度も読み返した」と熱量高めの声が並ぶ。

10年前に消えた娘と、止まっていた時間が再び動き出す物語

犯人を予想する漫画「仮門」P156 鳩ヶ森(@hatogamori)
犯人を予想する漫画「仮門」P156 鳩ヶ森(@hatogamori)
犯人を予想する漫画「仮門」P157 鳩ヶ森(@hatogamori)
犯人を予想する漫画「仮門」P157 鳩ヶ森(@hatogamori)
犯人を予想する漫画「仮門」P158 鳩ヶ森(@hatogamori)
犯人を予想する漫画「仮門」P158 鳩ヶ森(@hatogamori)

本作は、10年前に失踪した4歳の娘の行方を追い続ける家族を描いたミステリーである。事故か事件かすら分からないまま時間だけが過ぎ、希望も手がかりも凍りついた10年間。しかし現在、止まっていたはずの時間が、じわじわと、しかし確実に動き始める。作者は2023年2月「第2回 朝日ホラーコミック大賞」マンガ部門で大賞を受賞した鳩ヶ森さん(@hatogamori)。本作『仮門』でも、ホラーとミステリー、そして人の感情を絡め取る描写力が存分に発揮されている。

「女なんて産んで…」という言葉に込めた、女どうしの共闘宣言

第9話で強い印象を残すのが、亡くなった義母が生前に口にした「女なんて産んで…」という一言だ。嫌味にも呪いにも聞こえるこの言葉が、物語の中でまったく別の意味を帯びて立ち上がる。

鳩ヶ森さんはこの場面について、「多くの女性が一度は“なんで女に生まれたんだろう”と思う瞬間があるはず」と語る。生理痛で動けない日、理不尽に軽んじられた経験、セクハラや性被害にさらされた記憶。主人公・麻衣と杏美は嫁と姑という関係でありながら、そうした痛みを共有できる“女どうし”でもある。その絆を描きたくて、このシーンを入れたのだという。

嫌な姑だと思わせておいて…読者を転がす感情トリック

義母の世代は、女性であるがゆえにつらい思いを重ねてきた世代でもある。だからこそ、嫁や孫娘がこれから歩む人生を案じ、「怖い、それでも一緒に闘う」という覚悟を、あの一言に込めた。第4話でも同じセリフが登場しているが、今回それを知った読者からは「同じ言葉なのに受け取り方がまるで違う」「完全に手のひらで転がされた!」という声が続出した。

鳩ヶ森さん自身も、「嫁いびりをする嫌な姑に見せかけて、実は良いお姑さんだった、という小ネタとして仕込んだ」と明かす。いかにも“嫌なことを言いそう”な堅い和服姿も、そのミスリードを強めるための演出だったとか。

伏線が感情ごと回収される! “再読必須”の構造

作中にはキーアイテムや登場人物たちの感情が、細やかに、そして執拗に描き込まれている。鳩ヶ森さんいわく、序盤で散りばめてきた伏線を、これから少しずつ回収しながら解決編へと進んでいくとのこと。一度すべての人物の動きに注目し、最初から読み返してみると、「あっ…ここか!」と膝を打つ瞬間が増えるはずだ。感情伏線と物語伏線が同時に回収される、いわば“情緒ジェットコースター型ミステリー”である。

取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)

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