1. トップ
  2. 「安いプランじゃおじいちゃんが可哀想」遺族の罪悪感につけ込む?50万円のはずが請求額は200万円になった葬儀トラブル【作者に聞く】

「安いプランじゃおじいちゃんが可哀想」遺族の罪悪感につけ込む?50万円のはずが請求額は200万円になった葬儀トラブル【作者に聞く】

  • 2026.1.29

祖父が亡くなり、悲しみに暮れる親族。しかし、安置室で告げられたのは無情な言葉だった。「病院にご遺体を置いておけるのは3時間までです。その間に葬儀場を探してください」――。

カゲワサビ(@AoiKageyama)さんが描くルポ漫画『ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話』は、多くの人が直面する可能性がありながら、語られることの少ない「葬儀の金銭トラブルと焦燥」を赤裸々に描いている。なぜ、当初50万円のはずだった予算が、最終的に200万円まで膨れ上がってしまったのか。その背景には、心理的な隙を突く葬儀ビジネスの構造と、準備不足があった。

「まだ生きているのに決めるのは……」 心理的なためらいが招く“3時間のパニック”

【漫画】「ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話」を読む 画像提供:カゲワサビ(@AoiKageyama)
【漫画】「ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話」を読む 画像提供:カゲワサビ(@AoiKageyama)
ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話2 画像提供:カゲワサビ(@AoiKageyama)
ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話2 画像提供:カゲワサビ(@AoiKageyama)
ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話3 画像提供:カゲワサビ(@AoiKageyama)
ドタバタで葬儀場を決めて超お金がかかった話3 画像提供:カゲワサビ(@AoiKageyama)

祖父の容態が悪化した際、ネットで葬儀場を調べてはいたものの、「ここ」と決めるまでには至らなかったカゲワサビさんの家族。その理由は多くの日本人が共感するであろう、「本人が生きているうちに葬儀の話をするのは不謹慎で気が引ける」という心理的な壁だった。

しかし、現実は非情だ。病院の安置室は回転率が求められ、死後わずか数時間で搬送先を決めなければならない。悲しみに浸る間もなくスマホで検索し、ようやく「基本プラン50万円」と明記された葬儀場を見つけ、安堵したのも束の間、そこから「追加ミッション」の嵐が始まった。

「おじいちゃんがかわいそう」 遺族の愛着に訴えるアップセルの罠

葬儀場の担当者と対面すると、即座に「安価なプランはおすすめできない」という揺さぶり(営業提案)がかかる。これに反応したのが祖母だった。「あんまり質素だと、おじいちゃんがかわいそうだ」。

この一言で、当初の50万円プランは100万円のプレミアムプランへ変更された。しかし、これはあくまで「式場代」の一部に過ぎない。葬儀費用は大きく分けて「葬儀社への支払い」「宗教者への謝礼」「飲食・返礼品などの実費」の3段階で膨れ上がっていく。

結果として、お布施や戒名料、霊柩車、ドライアイス代、深夜の搬送費用などが次々と加算され、最終的な総額は家族葬としては高額な200万円に達した。

家計簿アプリ元社員が教える「葬儀の教訓」とエンディングノートの重要性

作者のカゲワサビさんは、もともと家計簿アプリの会社に勤務していた経験を活かし、この体験を「お金に関する知識」として分かりやすく1色カラーの漫画にまとめた。葬儀に関する知識をきちんと伝えることを目標に、図解や色数を抑えた構成で、読者が内容に集中できるよう工夫されている。

カゲワサビさんは今回の教訓として、事前にエンディングノートを作成してもらうことで、故人の意向に沿った適切な規模と金額の葬儀を行うことの大切さを説いている。

本作には元葬儀業者からも「どんな風に送ってあげたいかを話し、寄り添ってくれる会社を選んでほしい」とのコメントが寄せられている。葬儀はプランを選んで終わりではない。故人の尊厳と残された家族の生活のバランスを保つためには、平時からの「冷静なリサーチ」が不可欠であることを、本作は強く警鐘を鳴らしている。

取材協力:カゲワサビ(@AoiKageyama)

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

元記事で読む
の記事をもっとみる