1. トップ
  2. “映画紹介マンガ”でこれまでが丸わかり!『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』ハサウェイ・ノアが戦う理由と濃厚なヒューマンドラマ

“映画紹介マンガ”でこれまでが丸わかり!『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』ハサウェイ・ノアが戦う理由と濃厚なヒューマンドラマ

  • 2026.1.29

富野由悠季氏が書き下ろした衝撃の小説三部作を映画化した『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(21)。己が信じる正義のため、反地球連邦政府運動「マフティー」に身を投じた青年ハサウェイ・ノア(声:小野賢章)と謎の美少女ギギ・アンダルシア(声:上田麗奈)、地球連邦軍大佐ケネス・スレッグ(声:諏訪部順一)ら3人を中心とした繊細な会話劇とかけ引き、ハードでリアルな戦闘シーンも話題となった。それから約5年、ついに続編『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が1月30日(金)より公開となる!

【写真を見る】これを読めば絶対観たくなる!わずか4ページで魅力を伝える、大友しゅうま描き下ろしマンガ(1/4ページ)

チームのリーダーとして、一人の青年としても深く葛藤するハサウェイと、「マフティー」の制圧をより強めていくケネス。2人の間で揺れ動くギギ。3人の運命は複雑に絡まり合い、物語はさらなる深淵へと向かっていく…。そんな濃厚なドラマをより楽しむため、“映画紹介マンガ”でおなじみの大友しゅうまが本作のレビューマンガを描き下ろし!見どころを、前作までの振り返りとあわせて紹介したい。

最新作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』はこんな物語!

時はU.C.(宇宙世紀)0105、シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンが地球に小惑星アクシズを落下させ、強制的に氷河期を起こそうとした「シャアの反乱」から12年の歳月が経過していた。シャアの計画はアムロ・レイらの活躍によって阻止されたものの、地球連邦政府では腐敗が進み、人々への圧政が強いられていた。

地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へ連行する連邦政府に対し、政府閣僚の暗殺という過激な方法で対抗していたのが、反地球連邦政府運動「マフティー」。そして、この謎多き運動のリーダーを務めているのが、本作の主人公であるハサウェイだ。

【写真を見る】これを読めば絶対観たくなる!わずか4ページで魅力を伝える、大友しゅうま描き下ろしマンガ(1/4ページ) マンガ/大友しゅうま
【写真を見る】これを読めば絶対観たくなる!わずか4ページで魅力を伝える、大友しゅうま描き下ろしマンガ(1/4ページ) マンガ/大友しゅうま

自身も優れたモビルスーツのパイロットであり、リーダーとしての指揮能力も抜きん出ているハサウェイ。「マフティー」の活動を世間に知らしめ、反政府の機運を高めようと尽力していた彼にとって目下の標的は、13年ぶりの地球開催となるオーストラリア・アデレードでの中央閣僚会議だ。議題は政府が認可した者以外は例外なく地球での居住を認めない特別法案が可決されようとしていた。

ケネスは、ハサウェイの正体を見抜くなど勘が鋭いギギを近くに置こうとする(2/4ページ) マンガ/大友しゅうま
ケネスは、ハサウェイの正体を見抜くなど勘が鋭いギギを近くに置こうとする(2/4ページ) マンガ/大友しゅうま

もちろん、「マフティー」はこの法案を廃案に追い込むための襲撃作戦を計画。しかし、ハサウェイの心にはギギという少女の存在があった。ハサウェイと運命的に出会い、すぐに彼の正体にも気づくなど謎めいた空気を放っている。

ギギへの想いが消えないハサウェイ…。濃厚な三角関係から目が離せない!(3/4ページ) マンガ/大友しゅうま
ギギへの想いが消えないハサウェイ…。濃厚な三角関係から目が離せない!(3/4ページ) マンガ/大友しゅうま

ハサウェイとギギは距離を縮めるが、結局、ハサウェイは仲間たちのもとへ行き、ギギはマフティー討伐のために派遣された地球連邦軍の大佐、ケネスの元に身を寄せることに。ケネスもまた、ハサウェイの出自や能力を高く評価し、親交を深めようとするが、彼のただならぬ気配を察知していた。また、ギギの持つ不思議な洞察力にも惹かれ、“勝利の女神”として彼女を近くに置こうとする。3人の未来はどこへ向かっていくのか?悩める主人公ハサウェイが突き進む先で手にするものとは?

ハサウェイとギギ、ケネスら3人の運命が複雑に絡み合う!(4/4ページ) マンガ/大友しゅうま
ハサウェイとギギ、ケネスら3人の運命が複雑に絡み合う!(4/4ページ) マンガ/大友しゅうま

運命的な出会いを果たしたハサウェイとギギ、そしてケネス

そんな最新作鑑賞前に、前作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』を詳しくおさらいしていこう。物語は月と地球を往復するスペース・シップ「ハウンゼン365便」の機内から始まった。この機には連邦政府の特権階級が大勢乗っており、それをねらって「マフティー」を名乗るグループが襲撃。瞬く間にハイジャックしてしまうが、機に偶然乗り合わせていたのがハサウェイ、ギギ、ケネスだった!大胆にもギギがグループのリーダーを挑発し、その隙をついたハサウェイが銃を奪うと、ケネスの協力もあって犯人たちの制圧に成功する。

最後に詰めの甘さを見せ、あわや犯人に撃たれそうになったものの、ケネスら政府関係者はハサウェイの機転の早さ、行動力を高く評価。特に興味を引いたのはその出自と経歴だった。ハサウェイの父親はアムロらと共に戦ったブライト・ノア。そう、誰もがその名を知っている、エリートの家系だ。しかし、ハサウェイこそが、連邦政府に敵対する「マフティー」のリーダー。何不自由なく暮らし、十分な教育も受けて将来を約束された彼がなぜ、反政府運動に身を投じることになってしまったのか!?

地球連邦軍のブライト・ノアを父に持ちながら、自身は反政府活動のグループを率いるハサウェイ [c]創通・サンライズ
地球連邦軍のブライト・ノアを父に持ちながら、自身は反政府活動のグループを率いるハサウェイ [c]創通・サンライズ

ハサウェイが地球連邦に敵対する理由とは?

その理由をひも解くには、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(88)で描かれたシャアの反乱までさかのぼる。まだ少年だったハサウェイは父ブライトに会うため、地球から宇宙へ向かうシャトルに乗っていた。そこで出会ったのが、政府高官の娘でニュータイプの資質を持ったクェス・パラヤ。意気投合する2人だったが、悲しい運命が2人を引き離すことに。

シャアの志に共感したクェスはネオ・ジオンに参加してしまう。当然、ハサウェイはこのまま引き下がれない。ブライトが艦長を務める戦艦に密航すると(もちろん、めちゃくちゃ怒られる)、最終決戦が繰り広げられるなか、モビルスーツに乗り込んで宇宙空間へ飛び出していく。モビルスーツに乗ったクェスとの接触を図るが、彼を追ってきたアムロの恋人チェーン・アギの攻撃でクェスが撃墜。激高して我を失ったハサウェイはチェーンを攻撃してしまうのだった…。

多くの犠牲者を出しながらも地球と人類は守られた。本来なら軍法会議で裁かれても文句が言えないハサウェイも戦いに勝利したことでお咎めなし。だが、罪を犯しながらなんの罰も受けないというのは、彼から罪を償う機会を奪ったといえるのではないだろうか。

ハサウェイは地球連邦軍の反乱分子に対する非道さに憤りを覚える [c]創通・サンライズ
ハサウェイは地球連邦軍の反乱分子に対する非道さに憤りを覚える [c]創通・サンライズ

その後、地球連邦政府では腐敗が進み、地球や一部の特権階級を除く人々の暮らしはさらに荒廃。これでは死んでいった者たちが浮かばれない。シャアの反乱はなんだったのか?クェスの死はなんだったのか?まあ、そんなことをハサウェイが思ったかはわからないが、再び地球に降り立った彼は、そこでの現実を知り、形はどうあれ地球を守ろうとしたシャアの思想に共鳴。「マフティー」に参加すると気づけばリーダーへと上り詰め、現在に至るというわけだ。

ギギへの想いと使命感との間で葛藤

話は戻って、ハイジャック事件の事情聴取のため、ハサウェイとギギは緊急着陸したダバオで足止めされていた。ギギは周りの男性を魅了し、女性たちを嫉妬させる容姿端麗な少女。そんな彼女と高級ホテルの一室をシェアすることになる。普通ならテンションが上がり、心臓もバクバクしそうものだが、そんなことはおくびにも出さない。そもそもハサウェイは、クェスとの一件があったからか、女性に対して潔癖なところを感じさせる。

マフティーを名乗るハイジャック犯を挑発するギギ [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
マフティーを名乗るハイジャック犯を挑発するギギ [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

一方、ギギには優れた洞察力があり、ハサウェイの正体が「マフティー」であるとすぐに見抜いてしまう。なんとか取り繕うにも効果がなく、「マフティー」の活動にも疑問を投げかけられ、ちょっとムッとした表情を見せるところは、なんだかんだ年相応の若者に映るし、彼女と接していると隙ができてしまうのはかわいいところ。

自身がマフティーであることをギギに見抜かれてしまうハサウェイ [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
自身がマフティーであることをギギに見抜かれてしまうハサウェイ [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

どれだけ振り払ってもギギのことが頭に浮かんできてしまう。しかし、自分には地球を腐敗した連邦政府から取り戻すという大義があるんだ!そんな使命感と欲望のなかで葛藤するハサウェイの姿は、まるで高尚な文学作品の主人公のよう。

ギギの言葉に感情を揺さぶられる [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
ギギの言葉に感情を揺さぶられる [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

ギギをめぐって立ちはだかるケネス

そして、ハサウェイとギギの間に割って入るのが地球連邦軍の大佐ケネス。元モビルスーツのパイロットで指揮官としてもとにかく優秀。また、捕虜の拷問や人質を取るといった冷徹な判断もできるなど、とにかく敵にはしたくないタイプ。しかも成熟した大人の男の魅力も漂わせ、ギギにも強い興味を持っている。

ハサウェイ、ギギに興味を持ったケネス [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
ハサウェイ、ギギに興味を持ったケネス [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

悩み、自己問答を繰り返すハサウェイから目が離せない!

気づけばギギに振り回されているハサウェイ。ダバオに降り立った夜、彼の脱出と世間に連邦政府の無能さを見せつけるため、「マフティー」によるモビルスーツでの襲撃作戦が実行される。早く仲間と合流しなければならないのに、ハサウェイは怯えるギギを連れて街中を逃げ続ける。いったい僕はなにがしたいんだ?そんなことが頭をよぎり続けていたのかもしれないが、ケネスの指揮と新型モビルスーツ、ペーネロペーを駆るレーン・エイム(声:斉藤壮馬)の活躍により、「マフティー」のメンバー、ガウマン・ノビル(声:津田健次郎)が捕らえられ、捕虜になってしまう。

市街地をギギを連れて逃げ回るハサウェイ [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
市街地をギギを連れて逃げ回るハサウェイ [c]創通・サンライズ ※写真は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

ここまでなんかクールぶっているだけであんまりいいところがないぞハサウェイ!そう感じた観客も少なくないのでは?しかし、そこは主人公。ギギと別れ、仲間たちとの合流を果たすと、アデレード会議襲撃のために準備していたΞ(クスィー)ガンダムを成層圏で空中受領して起動させるという離れ業も披露。ペーネロペーを撃退し、見事ガウマンの奪還にも成功するのだった。

能力は申し分ないのに、どこか詰めの甘さや未熟なところも見せがちなハサウェイ・ノア。そして、自分の使命に悩み続け、自己問答を繰り返す。多少複雑な一面を持つ人物ともいえなくないが、そんなところも応援したくなる。ハサウェイの活躍、ギギ、ケネスとの関係も見守っていきたい。

文/平尾嘉浩

元記事で読む
の記事をもっとみる