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「本当におじいちゃんが?」優しい祖父の知られざる顔…92歳祖母はそれでも人生をかけて“修正”してきた【作者に聞く】

  • 2026.1.28
結婚した夫は、激しい男尊女卑思考の持ち主だった。 (C)ゆっぺ/KADOKAWA
結婚した夫は、激しい男尊女卑思考の持ち主だった。 (C)ゆっぺ/KADOKAWA

Instagramやライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」で、実体験をもとにしたエッセイ漫画を描く漫画家・ゆっぺさん。2021年には月間3000万PVを記録し、「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞した。代表作『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』では、戦前から生きる祖母・キヨさんの人生を丁寧に描き、最終話のコメント欄には500件以上の応援の声が寄せられた。

キヨさんから聞いた衝撃の祖父の過去

『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』8-1 (C)ゆっぺ/KADOKAWA
『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』8-1 (C)ゆっぺ/KADOKAWA
『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』8-2 (C)ゆっぺ/KADOKAWA
『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』8-2 (C)ゆっぺ/KADOKAWA
『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』8-3 (C)ゆっぺ/KADOKAWA
『親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話』8-3 (C)ゆっぺ/KADOKAWA

92歳となったキヨさんは、結婚後、夫が強い女性蔑視を持つ人物だったことを知る。孫であるゆっぺさんにとって、その事実は大きな衝撃だったという。祖母の結婚後の人生を「夫婦編」として描いた理由、そして祖父という存在について、ゆっぺさんは静かに言葉を選びながら振り返る。

ゆっぺさんは、幼少期のつらい体験と、結婚後の夫婦関係の問題は別物だと感じていたという。子ども時代の視点と、大人として家庭を築いたあとの視点では、読み手が受け取る重みも異なる。だからこそ、「本編」と「夫婦編」に分けて描く決断をした。

あんなに優しかったのに? 信じられなかった祖父の言動

「夫婦編」の冒頭で語られる祖父の言動は、読者だけでなく、作者本人にも強烈な驚きを与えた。昨年亡くなった祖父は、孫を溺愛し、家族を笑わせる存在だった。その記憶が強かったからこそ、「本当におじいちゃんがそんなことを言ったの?」と、何度も祖母に確認してしまったという。しかし、孫に優しい祖父でいられたのは、祖母が長い年月をかけて何度も“修正”を重ねてきた結果だった。表には描き切れなかったが、夫婦喧嘩も相当なものだったと聞かされている。

孫の記憶にある祖父は、いつも人を笑わせる人だった

ゆっぺさんにとっての祖父は、とにかくおしゃべりで、人を笑わせることが好きな人物だった。家にはいつも客人が集い、話に花が咲いていたという。一方で、妻であるキヨさんを見下すような言動があったことも事実で、その女性蔑視の強さは、孫の想像をはるかに超えていた。

妊娠の大変さを理解しない相手とは、一緒になってほしくない

とりわけ衝撃的だったのは、妊娠中のキヨさんに対する祖父の態度だ。ゆっぺさんは、「産むのは女性なのに、その大変さを理解しない相手とは一緒になってほしくない」と率直に語る。

世の中には今も、「出産の痛みを経験しないと母親になれない」「無痛分娩だと愛情が注げない」と本気で語る人がいる。しかし、その理屈を当てはめるなら、父親や祖父母は子どもを愛せないことになってしまう。「血のつながりに関係なく、愛情は育まれるものだ」という考えが、ゆっぺさんの根底にある。

中絶や出産、子どもを持つかどうかといった選択も、当事者が決めることであり、他人が評価するものではない。正解のないテーマだからこそ、安易な価値観の押し付けは人を追い詰める。漫画に描かれた祖父の姿は、そんな問題を鋭く浮かび上がらせている。

戦前から続く古い価値観の中で、女性として、母として、そして一人の人間として生き抜いてきたキヨさん。その姿があったからこそ、物語は「日本一幸せなおばあちゃん」という現在地へとつながっている。次に描かれるのは、キヨさん本人が語る夫婦の記憶と、今の率直な気持ちだ。

取材協力:ゆっぺさん

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