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大人の発達障害「ADHD(注意欠如・多動症)」によく見られる"話し方の特徴"とは?

  • 2026.1.28

「話が長い」「すぐ脱線する」「人の話を遮ってしまう」。

これらは、大人のADHD(注意欠如・多動症)を持つ人によく見られる特徴のひとつです。

話し方の特徴だけでADHDと判断することはできませんが、一定の傾向はあります。大人のADHDに見られやすい話し方の特徴と、その背景、コミュニケーションについて、当事者向け・周囲の人向けの両方の視点から解説します。

大人のADHDとは。よく見られる3つの特徴

ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)は、発達障害のひとつです。かつては子どもの障害と考えられていましたが、現在では大人になっても症状が続くケースが多いことがわかっています。

ADHDの主な特徴は、「不注意」「多動性」「衝動性」の3つに分類されます。人によってどの特徴が強く出るかは異なり、3つすべてが目立つ人もいれば、不注意だけが顕著な人もいます。

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特徴1「不注意」

集中力を持続させることが難しく、注意が散漫になりやすい傾向です。具体的には以下のような形で現れます。

  • ケアレスミスが多い
  • 物をよくなくす
  • 約束や期限を忘れる
  • 作業を最後までやり遂げるのが苦手
  • 整理整頓ができない
  • 話を聞いているようで聞いていない など

こうした特徴が日常生活や仕事に支障をきたすレベルで現れます。一方で、興味のあることには過度に集中する「過集中」の状態になることもあります。

特徴2「多動性」

じっとしていることが難しく、落ち着きがない傾向です。子どもの場合は走り回るなどの行動として現れますが、大人の場合は以下のような形になることが多いです。

  • 貧乏ゆすりや手遊びが止められない
  • 長時間座っているのが苦痛
  • 常に何かをしていないと落ち着かない
  • 頭の中が常に忙しく動いている など

大人の多動性は、外から見えにくい「内的な落ち着きのなさ」として表れることもあります。

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特徴3「衝動性」

思いついたことをすぐに行動に移してしまう傾向です。

考える前に発言してしまう、順番を待てない、衝動買いをしてしまう、感情のコントロールが難しい。こうした特徴が、対人関係や金銭管理などさまざまな場面で問題を引き起こすことがあります。

ADHDでよく見られる話し方の特徴

ADHDを持つ人のなかには、先述した特性により、話し方に特徴的なパターンが見られることがあります。

話が脱線しやすい

会話の途中で別のことを思いつき、そちらに話が逸れてしまうことがあります。

「そういえば」「あ、それで思い出したんだけど」と話題が次々と移り変わり、最初に何を話そうとしていたのかわからなくなることも。

これは、注意が移りやすいというADHDの特性と関係しています。頭の中で連想が次々と生まれ、それをコントロールすることが難しいのです。

本人は話のつながりを感じていても、聞いている側には唐突に感じられることがあります。

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話が長く、要点がつかみにくい

伝えたいことがうまくまとまらず、話が長くなってしまう傾向があります。結論から話すのが苦手で、時系列や思考の流れに沿って話すため、聞いている側は「結局何が言いたいの?」と感じることも。

要点を絞ることが難しく、背景情報や関連する話をすべて伝えようとして、結局何が言いたかったのかわからなくなることがあります。

また、「ちゃんと伝わったか不安」という気持ちから、同じことを繰り返し説明してしまうこともあります。

早口になる

頭の中の思考スピードに口がついていこうとして、早口になることがあります。思いついたことを忘れないうちに全部言おうとするため、どんどんスピードが上がっていきます。

聞いている側にとっては、情報量が多すぎてついていけないと感じることがあるかもしれません。

相手の話を遮ってしまう

相手が話している途中で、自分の考えやアイデアが浮かぶと、それを言わずにはいられなくなることがあります。

悪気があるわけではなく、衝動性によって「思いついたら言わないと忘れてしまう」「今言わなければ」という切迫感を感じているのです。

結果として、「人の話を聞かない」「自己中心的」という印象を与えてしまうことがあります。

思ったことをそのまま言ってしまう

頭に浮かんだことを、フィルターを通さずにそのまま口に出してしまうことがあります。「空気を読む」「言葉を選ぶ」といったプロセスを経る前に、衝動的に発言してしまうのです。

本人に悪意はなくても、場にそぐわない発言や、相手を傷つける発言をしてしまうことがあります。後から「なんであんなことを言ってしまったんだろう」と後悔することも少なくありません。

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声のボリュームや抑揚のコントロールが難しい

状況に応じた声の大きさの調整が難しいことがあります。

静かな場所で大きな声で話してしまったり、逆に聞こえにくいほど小さな声になってしまったり。感情が高ぶると特に声が大きくなりやすい傾向もあります。

話し方だけでADHDと決めつけるのはNG!

ここまでADHDに見られやすい話し方の特徴を紹介してきましたが、非常に重要な点があります。話し方だけを見て、「この人はADHDだ」と判断することはできません。

話し方だけでは判断できない理由

まず、ここで挙げた話し方の特徴は、ADHDでない人にも見られるものです。緊張しているとき、興奮しているとき、疲れているときなど、誰でも話がまとまらなくなったり、早口になったりすることはあります。

また、ADHDを持つ人すべてにこれらの特徴が当てはまるわけではありません。ADHDの現れ方は人によって大きく異なり、話し方に特に問題を感じていない人もたくさんいます。

さらに、似たような話し方の特徴は、他の要因でも生じます。不安障害、うつ病、睡眠不足、ストレス、性格傾向など、さまざまな原因が考えられます。

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ADHDの診断には専門家の評価が必要

ADHDかどうかを判断できるのは、精神科医や心療内科医などの専門家だけです。診断には以下のような要素が総合的に評価されます。

幼少期からの症状の存在、複数の場面(家庭、学校、職場など)での困難、日常生活や社会生活への支障の程度、他の疾患との鑑別。これらを詳細な問診や心理検査などを通じて評価します。

自分や周囲の人がADHDかもしれないと感じた場合は、インターネットの情報だけで判断せず、専門の医療機関を受診することが大切です。

決めつけは当事者を傷つける

「話が長いからADHDでしょ」「空気が読めないのは発達障害だから」。こうした安易な決めつけは、当事者を深く傷つけます。また、実際にADHDを持つ人に対する偏見を助長することにもなりかねません。

話し方に特徴があるからといって、その人を障害者扱いしたり、レッテルを貼ったりすることは避けましょう。一人ひとりの個性として尊重する姿勢が大切です。

次:うまく伝えるには? 今日からできる話し方のコツ

うまく伝えるには? 今日からできる話し方のコツ

ADHDの特性があっても、工夫次第でコミュニケーションをスムーズにすることは可能です。以下は、話し方に困りごとを感じている方に向けた実践的なコツです。

話す前に「会話の目的」を決める

話し始める前に、「今から何を伝えたいのか」を一言で考える習慣をつけましょう。頭の中で「結論は〇〇」と明確にしてから話し始めると、脱線しにくくなります。

可能であれば、箇条書きで「伝えたいこと」をメモを書いておくのも効果的です。

「結論から話す」を意識する

日本語は結論を最後に持ってくる構造になりがちですが、意識的に結論を先に言う練習をしてみましょう。

「結論から言うと〇〇です。理由は〜」「お願いしたいことがあります。それは〜」というように、最初に要点を伝えることで、聞き手は話の全体像を把握しやすくなります。

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「話しすぎ」のサインを決める

自分が話しすぎているかどうか、客観的に気づくのは難しいものです。そこで、自分なりの「サイン」を決めておくと役立ちます。

たとえば、「相手が時計を見た」「相手の相づちが減った」「30秒以上話し続けている」など、話を区切るタイミングの目安を決めておきましょう。

また、ある程度話したら「ここまでで質問ある?」「わかりにくいところはない?」と相手に確認する習慣をつけると、一方的に話し続けることを防げます。

「メモ」を味方につける

頭に浮かんだことを忘れないうちに言いたい。その衝動が相手の話を遮る原因になっていることがあります。そんなときは、小さなメモ帳やスマートフォンのメモ機能を活用しましょう。

相手の話を聞きながら、思いついたことをさっとメモしておけば、「言い忘れるかも」という不安が和らぎます。

相手が話し終わってから、メモを見ながら自分の意見を伝えれば、会話の流れも自然になります。

ワンクッション置く練習をする

衝動的に発言してしまう傾向がある場合、発言の前にワンクッション置く練習が有効です。

具体的には、何か言いたくなったときに心の中で「1、2、3」と数えてから話す、一度深呼吸してから発言するといった方法があります。

自分の特性を相手に伝える

信頼できる相手には、自分の特性をあらかじめ伝えておくのも一つの方法です。

「話が長くなりがちなので、遮ってもらって大丈夫です」「脱線したら教えてください」と伝えておけば、お互いにコミュニケーションが楽になります。

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ADHDの人に対して周囲が意識したいこと

最後に、ADHDの特性を持つ人の周囲にいる方に向けて、コミュニケーションを円滑にするためのポイントをお伝えします。

「わざとやっている」わけではないと理解する

ADHDの特性がある場合、わざと話を聞かないわけでも、故意に話を遮っているわけでもありません。脳の特性によって、コントロールが難しい状態にあるのです。

「ちょっと待って、まだ話の途中なんだ」と穏やかに伝え、話を戻すようにしましょう。

また、できていないことばかりに注目するのではなく、できていることを認める言葉をかけると本人の自信につながります。

話の要点がわからないときは確認する

相手の話が長くなったり、脱線したりして要点がわからなくなったときは、「つまり、〇〇ということ?」と確認しましょう。

責めるような口調ではなく、「理解したいから確認させてね」という姿勢で聞くことが大切です。

具体的に、端的に伝える

ADHDの特性がある人は、長い説明や曖昧な指示を処理するのが苦手な場合があります。何かを伝えるときは、できるだけ具体的に、端的に伝えるよう心がけましょう。

「ちゃんとやっておいて」ではなく「明日の15時までに、このファイルを更新しておいてください」というように、具体的な行動と期限を明示すると伝わりやすくなります。

視覚的な情報を活用する

大事な指示や約束事は、口頭で伝えた後にメールやチャットでも送っておくと、お互いに確認しやすくなります。

困っているときは専門家への相談を促す

ADHDの特性による困りごとは、周囲のサポートだけで解決できるものばかりではありません。

本人が強いストレスを感じていたり、日常生活や仕事に大きな支障が出ていたりする場合は、専門家への相談を勧めてみましょう。

「こういうところに相談してみたら?」と具体的な情報を提供するのも一つのサポートです。ただし、強制するのではなく、本人の意思を尊重することが大切です。

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監修者プロフィール

なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長 中澤佑介

金沢医科大学医学部医学科卒業。「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。2024年9月、JR金沢駅前に金沢駅前内科・糖尿病クリニックを開設。2026年4月、金沢市玉鉾に心療内科・ペインクリニックを開設予定。

<Text:外薗 拓 Edit:編集部>

 

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