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なぜADHDの人は「おしゃべりが止まらない」のか?話が長い理由を深掘り

  • 2026.1.28

ADHD(注意欠如・多動症)傾向のある人の中には、話が止まらなくなる・話があちこちに飛んでしまうといったコミュニケーションの悩みを抱えている人が少なくありません。

ただの「マシンガントーク」や「おしゃべり好き」、あるいは「異様に話が長い人」に見えるかもしれませんが、そこには脳の特性に基づく理由があります。

神谷町カリスメンタルクリニック院長・松澤 美愛先生監修のもと、見ていきましょう。

なぜADHDの人は「おしゃべりが止まらない」のか?

ADHD(注意欠如・多動症)の人が「おしゃべりが止まらない」「話が長くなりやすい」背景には、脳の働き方や認知の特性が深く関わっています。

衝動性が強く、思いついたことをすぐに話したくなる

ADHDの特性のひとつに「衝動性」があります。これは「考えるより先に行動してしまう」という傾向で、会話中にも当てはまります。

相手が話している途中でも、「それ知ってる!」「自分もこんな経験がある!」と感じるとすぐに口に出したくなってしまう。結果、話を遮ってしまったり、自分の話が止まらなくなったりするのです。

これは失礼をしたいわけではなく、脳のブレーキ機能(自己抑制)に弱さがあることが要因です。

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ワーキングメモリの弱さで、話の軸がズレやすい

ADHDの人は「ワーキングメモリ(作業記憶)」が弱い傾向があります。これは「会話の中で、今なにを話していたか」「話のゴールがどこか」といった情報を一時的に頭の中に保つ力です。

  • 話しながら別のことを思いついて、脱線していく
  • 話しているうちに、自分でも何を言いたかったのかわからなくなる

これも本人に悪気はなく、頭に浮かんだことを次々に話してしまう脳の構造が影響しています。

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「沈黙が不安」「伝えたいことが多すぎる」という気持ちが非常に強い

ADHDの人は感情や刺激に敏感な傾向があり、沈黙に不安を覚える傾向にあります。

また、「自分のことをわかってほしい」「全部話さないと気が済まない」という強い気持ちも、おしゃべりを加速させる要因です。

過集中によりマシンガントークをしてしまう

ADHDの人は、自分の関心が強い話題になると、脳が過度に活性化する傾向があり、これを“過集中”とも言います。

興味スイッチが入ると、興奮・過集中により一気にまくし立てるように話し出す。テンションも上がり、話のスピードもボリュームもアップ。話題が関連する情報にどんどん派生し、話が止まらなくなることも。

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ADHDの当事者に聞いた「おしゃべりが止まらない理由」とは

実際に、ADHDの特性を持つ人に、なぜ話始めたら止まらないのかその理由をアンケート調査しました。その一部を紹介します。

自分の興味のある事を話すのが楽しいから、ずっと喋ってしまいます。話してると不安な事とかも考えなくていいので、夜になるとつい家族に話し続けてしまいます。(ベルさん/10代 女性)

話をしている時にあっ!この話もしたい、しなきゃ。他のことに目がいきそのことも話したくなってしまうからです(ゆうみさん/30代 女性)

脳の処理が追い付いてないから。思いついたものをただ発しているだけ。(ヒロキさん/30代 男性)

話を止めるという発想が頭の中から消える瞬間がある(TTさん/40代 男性)

場を盛り上げたい 話したいことが芋づる式にどんどん思い浮かぶから(1635さん/40代 女性)

話の間が持たず、沈黙になるのに耐えられないから。話を聞いてもらえると、つい調子に乗って持てる情報やネタをドンドン出してしまいがちだから。(明日から本気出すさん/40代 女性)

頭に次々と言葉・記憶・知識が浮かんできて口に出して吐き出さないと頭の中がパンクしそうに感じてしまう(タバGiさん/60代 男性)

調査期間:2026年1月22日~2026年1月29日
調査協力:ミルトーク

次:ADHDの人のおしゃべりが止まらないとき、どうしたらいい?

ADHDの人のおしゃべりが止まらないとき、どうしたらいい?

ADHDの人が「話し出すと止まらない」のは、興奮、衝動、不安、記憶の整理のしづらさなど、複数の要因が重なって起きる自然な反応です。「悪いクセ」ではなく「脳の反応」なのです。

とはいえ、ずっと話されると正直つらいという場面もありますよね。相手の話を否定せずに、会話の流れをコントロールする方法とは。

話を「区切る」サインを出す

「色々な情報をありがとう。ちょっと整理する時間をください」など、肯定しつつ一度会話を止める“クッション言葉”を使うのが効果的です。

「このあと予定があるから、あと◯分なら話せる」と“具体的に時間を区切る”のもよいでしょう。

「要点を復唱する」など、整理してあげる

「◯◯ってことで合ってる?」「◯◯ということが言いたかったんだよね?」など、相手の話を要約するのがよいでしょう。

ADHDの人は「何を言いたかったか」自分でも見失うことがあるため、整理してあげることで話が落ち着きやすくなります。

疲れすぎないよう「距離」をとるのも大切

たとえ大切な人でも、自分の心が限界を感じているなら、無理に付き合い続けないことも大切です。

「ごめん、ちょっと疲れてきたから休憩したい」「ちょっと今は話を聞く余裕がないみたいで」など、相手の人格を否定せず、自分を守るための「境界線(バウンダリー)」を引くことは、決して冷たいことではありません。

それでも止まらない場合、物理的に場を終える・離れることも有効です。相手が話し続けていても、「このあとは予定があるから、ごめんね」とその場を離れましょう。

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本人が自覚していない場合もあるので、親しい関係ならフィードバックを優しく伝えてみるのも一つの方法です。

ただし、ADHDの会話スタイルは“直すべきもの”ではなく「環境調整」が基本です。「直してもらおう」ではなく「どんな環境・仕組みがあればスムーズにコミュニケーションをとれるか」という視点にします。

「何を言っても止まらない」という状態なら専門機関へ相談を

「話すのを一度止めようか」などの指摘でも止まらない、周囲がかなり疲弊している、本人も困っている様子なら専門機関に相談するのがよいでしょう。

ADHDの傾向が強い場合、自力でのコントロールには限界があることも多くあります。精神科・心療内科、発達障害支援センター、産業医などに一度相談してみましょう。

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監修者プロフィール

神谷町カリスメンタルクリニック院長 松澤 美愛先生

東京都出身。慶應義塾大学病院初期研修後、同病院精神・神経科に入局。精神科専門病院での外来・入院や救急、総合病院での外来やリエゾンなどを担当。国立病院、クリニック、障害者施設、企業なども含め形態も地域も様々なところで幅広く研修を積む。2024年東京都港区虎ノ門に「神谷町カリスメンタルクリニック」を開業、院長。精神保健指定医/日本精神神経学会/日本ポジティブサイコロジー医学会
URL https://charis-mental.com/
InstagramURL https://www.instagram.com/charismentalclinic

<Edit:編集部>

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