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自己主張の強い子は狙われにくい?グルーミングの被害者になりやすい子どもの特徴とは?【監修者インタビュー】

  • 2026.1.28

【漫画】本編を読む

性的接触を目的に未成年者をはじめとした児童に接近し、信頼関係を利用してコントロール下におく“チャイルドグルーミング”(以下、グルーミング)。信頼関係を築いた上で性加害を行うため、子どもの抵抗感を失わせ、それが性暴力であることすらわからないように加害を行うのが特徴だ。近年、聞かれるようになったこの言葉をテーマに描いた漫画が『娘をグルーミングする先生』(のむ吉:著、斉藤章佳 西川口榎本クリニック副院長(精神保健福祉士・社会福祉士):監修/KADOKAWA)だ。

主人公の佐倉真美は女手ひとつで子どもを育てるワーキングマザー。高校1年生の娘・小春の成績が落ちていることに愕然とし、塾を探すことに。小春が通うことになった塾の塾長・森先生はとても真面目そうな人。森先生のおかげで小春の成績も次第に上がっていきすっかり安心していた真美だが、ある日小春から「ママに会わせたい人がいる」との言葉が。交際相手として連れてきたのはなんと森先生。森先生との交際を反対する真美だったが、小春は聞く耳を持たず……。

本作の監修をした西川口榎本クリニック副院長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳(あきよし)先生に、グルーミングについて話を聞いた。

――グルーミングの被害者になりやすい子ども、家庭の特徴はありますか?

斉藤章佳さん(以下、斉藤):彼らとしては加害行為を繰り返したいんです。となると手懐けやすい子がターゲットに狙われやすくなってきます。例えば、家庭内でしっかり性教育を受けていて、警戒心が強く自己主張ができる子というのは狙われにくい。でもそれってなかなか初対面ではわからない。だから彼らは性的意図を隠しながら情報を収集していくわけですが、加害者が男性の場合、親とのコミュニケーションが不足していて父親を求めている子や貧困家庭の子、ヤングケアラーで子どもでありながら過度な自己犠牲を強いられている子などを狙う傾向にあります。家庭内の問題だけに限らず、学校の中でトラブルを抱えていたり、メンタルの課題を持っていたり。自閉スペクトラム症などの特性がある場合もターゲットにされやすいです。

ただオンラインから始まるグルーミングの場合はターゲットを選ぶのではなく、たくさん釣り糸を垂らしてその中で引っかかった子どもを釣り上げるという手法が多いです。彼らはいろんなところにグルーミングの落とし穴を作っている印象がありますね。

――森が小春に対して、ふたりでご飯を食べる時、「ふたりだけの秘密にしよう」と言ったりするのも加害者によくある行動だと思われますか?

斉藤:そうですね。彼らのグルーミングの戦略って、一言で言うと“優しさ”なんですよ。目的の達成のために徹底的に子どもに寄り添っていくんです。子どもたちが欲している“優しさ”の中に「共感」「受容」「傾聴」も含んでいくので、カウンセラー顔負けです。自己肯定感が低かったり、「死にたい」「消えたい」「どうせ私なんか…」というように、自分が必要とされていないと感じていたりする子にはそれが刺さりやすいです。

取材・文=原智香

斉藤章佳:

1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設「榎本クリニック」にソーシャルワーカーとして勤務。現在、西川口榎本クリニックの副院長。25年に渡り、アルコール依存症、ギャンブル、薬物、摂食障害、性犯罪、児童虐待、DV、クレプトマニアなどさまざまなアディクション(依存症)問題に携わる。専門は加害者臨床で、3500人以上の性犯罪者の再犯防止プログラムに携わる。著書に『「小児性愛」という病-それは、愛ではない』(ブックマン社)、『子どもへの性加害-性的グルーミングとは何か』(幻冬社新書)、『夫が痴漢で逮捕されました-性犯罪と「加害者家族」』(朝日新書)などがある。

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