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2026年夏から運用開始の「防災気象情報」とは? 津波フラッグも紹介

  • 2026.1.28

気候変動などの影響により、世界各地で自然災害が相次いでいます。

南アジアと東南アジア全域では、非常に強い雨が甚大な被害をもたらして、「インドネシアとスリランカ、タイの3か国の死者は12月3日、合わせて約1400人に達した」とも報道されています。

年々、苛烈になる地球環境。外出先で急な豪雨や地震、噴火などの自然災害に見舞われないとも限りません。

そんな時代に、自分の身を守るためには、「知識と知恵のある自分」であることが大切です。中には、知らなかったことで、身を守るための行動が遅れてしまうという場面も。

今回は、2026年に新設される防災気象情報と2020年に導入された津波フラッグについて確認していきたいと思います。

防災気象情報が2026年からよりわかりやすく

大雨などが降り続いた時、どのタイミングで避難をするかなど、多くの方がテレビやラジオ、ネットなどで情報を集めるのではないでしょうか。でも、その情報の意味を理解できていなければ、身を守る行動につなげることができません。

2019年5月から運用が始まった防災気象情報は、災害発生の危険性と避難行動開始のタイミングの指標として広く浸透してきましたが、それでもまだ十分とは言えません。近年では、インバウンド旅行者も増え、日本語を理解しない人たちにも情報を素早く正確に伝える必要も高まってきています。

そんな中、大雨による洪水の特別警報や、国や都道府県による共同の高潮の予報・警報を発表できるようにする、改正気象業務法などが2025年12月5日、参院本会議で全会一致により可決、成立し、2026年夏から、警報・注意報などの防災気象情報が大きく変わることになりました。

防災気象情報は40種類以上もあり、複雑すぎてよくわからないという声から改善が検討されてきました。

新たな防災気象情報の案では、4種類の災害(洪水、大雨、土砂災害、高潮)に分類。それぞれ相当する警戒レベルと警報などの名称を併記し、名称は危険度が高い方からレベル5の「特別警報」、新設される4の「危険警報」、3の「警報」、2の「注意報」となります。現在の大雨警報(土砂災害)は「レベル3 土砂災害警報」となるのだそうです。

今回新設される、レベル4「危険警報」に相当する情報は、住民が避難を完了する目安として位置づけられています。避難のタイミングがわかりやすくなったとされており、行動基準の整理によって、避難の遅れを防ぎ、被害の軽減につながることが期待されています。

とはいえ、気象用語は年々増えて、新しい用語に言い換えられたりもするので、自分の頭の中もアップデートしていないと、今、目の前の状況がどのぐらい危険なのかピンとこないことも少なくありません。

今回の改正後の運用は2026年の出水期(5月下旬頃)からの運用となるので、その前に情報を確認し、家族と避難行動の確認をしておくといいでしょう。

知っていますか?津波と津波フラッグのこと

近年、国内外で大きな地震などの災害が発生していますが、中でも、津波は、国内での地震だけではなく、遠く離れた地で起きた地震でも日本まで到達することもあるので、注意が必要です。

記憶に新しいのは、2025年7月30日にカムチャツカ半島沖で起きたマグニチュード8.7の地震が引き起こした津波です。この時は、太平洋沿岸などに一時、津波警報が発令され、神奈川県の逗子や葉山の友人たちのFacebookページには、高台の公園などに避難をする様子の写真などが続々と投稿されていました。

まず、津波とは?

津波は、海が深いほど速く伝わる性質があります。上記は、津波の速さを表しているものですが、なんと、沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。

逆に、水深が浅くなるほど速度は遅くなるものの、陸地に近づくにつれ、減速した波の前方部に後方部が追いつくことで、陸地近くでは波高が高くなります。また、沖合よりは減速するとはいえ、車の速度で襲ってくるため、すぐそこまで迫った津波から人が走って逃げきれるものではないということが分かります。

つまり、津波から命を守るためには、津波を海岸で目視してからの避難では遅いのです。海岸付近で地震の揺れを感じたら、あるいは津波警報や大津波警報が発令されたら、実際に津波が見えなくても、まずは、速やかに避難することが大切です。

津波フラッグを知っていますか?

「津波フラッグ」の存在を、ご存じでしょうか?

津波フラッグは大津波警報、津波警報、津波注意報が発表されたことをお知らせする旗のことで、全国の海水浴場や海岸付近で2020年から導入されました。

津波警報等は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン、鐘等、様々な手段で伝達されますが、津波フラッグの導入により、聴覚に障害をお持ちの方や、遊泳中などで風や波で音がかき消され気づきにくい人も視覚で確認できるようになりました。

津波フラッグは、長方形を四分割した、赤と白の格子模様のデザインです。複数のデザインが検討され、実際にどのデザインが見やすいかなどの検証のすえ、いまのデザインに決まったのだそうです。

気象庁HPの情報によると、2025年の6月末現在、全国の導入率は、314市区町村の79%となっています。

2011年の東日本大震災では、岩手県、宮城県及び福島県における聴覚障害者の死亡率が、聴覚障害のない人の2倍にのぼったとのデータがあり、障害のある方への伝達手段についての検討が行われたのだそうです。

当時の情報伝達の問題点として、①防災行政無線、サイレン、広報車による呼びかけが聞こえなかった、②停電によりテレビ(字幕)や携帯メール等が使えなかった、といった点が挙げられており、視覚的に伝達ができる手段として、津波フラッグが検討・導入されたと言います。

防災無線の内容の理解が難しい、小さなお子さんや、耳の遠いご高齢の方などにも視覚で状況が理解できる津波フラッグは大きな助けになるのではないでしょうか。

折しも、神奈川県逗子市では津波がきた時を想定し、海の家を含めた海岸関係者の役割、避難場所・経路の確認と大規模地震発生時の津波対応力を高めるために2025年7月1日、津波避難訓練を実施していたのだと言います。

この訓練直後だったこともあって、7月30日の津波警報発令の際も、スムーズな避難行動をとることができた人も多かったそうです。海岸沿いの町に住む人たちは、日ごろから津波に対する意識も高く、津波フラッグを知っている人も多いと思いますが、海から遠く離れた町に住む場合、あまり津波に対しての知識はないように思います。

とはいえ、レジャーで家族や友人などと訪れることは誰しもあると思うので、日ごろから、海の近くに行ったら、どこに避難に適した高台があるかなど確認しておくといいでしょう。

ちなみに、私は携帯に「標高ワカール」という無料アプリを入れています。このアプリがあると、自分の今いる場所の標高が分かるので、土地勘のない場所に出かけたときや、旅行、登山の時などに活用しています。

いつもの暮らしの中に、「もしも」の備えを入れておく。そんな行動の積み重ねが、「いざ」という時の自分を助けるお守りになる。そう思います。

<執筆者プロフィル>
水野佳(みずの けい)
保健師/フリーランスライター
オートキャンプ歴9年

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