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都合よく扱われ続けた妻を義母が救う。妻と義母がクズ夫からすべてを奪いにいく【書評】

  • 2026.1.27

【漫画】本編を読む

『あなたが私を捨てたから 義母と2人でクズ夫から全て奪います』(とりまる・ねこぽちゃ/KADOKAWA)は、恋愛経験の少なさゆえに夫・直哉に翻弄されていく亜希と、理不尽な関係の中で唯一の味方となる義母との“絆”を描いたコミックだ。

亜希は飲んでいた席でたまたま出会った芸能人ばりの美形・直哉に一瞬で心を奪われ、すぐに交際に発展する。しかし、交際直後から典型的な“都合のいい女”扱いをされる。交際前の甘い態度は影を潜め、不誠実な言動ばかりが目につくようになる。そんな不安定な関係の最中に妊娠が発覚。動揺する亜希を支えたのは、意外にも直哉の母だった。

多くの“嫁×義母”作品では、義母は主人公を追い詰める存在として描かれる。しかし本作はその真逆だ。義母は初対面の頃から亜希に寄り添い、「苦労すると思うよ」と現実を見据えた忠告さえ口にしていた。結婚後もその姿勢は一貫しており、亜希にとって数少ない“信頼できる味方”であり続ける。

対照的に、問題は夫・直哉である。家事も育児も放棄し、働き方も不安定。義母に注意され逆ギレし、実母と妻、息子を置いて家を飛び出す。その姿を見て、読者の多くは失望と怒りを感じるだろう。しかし亜希は一人ではない。義母という強く温かい味方が、常にそばにいるのだ。

義母は亜希に「直哉を捨てて自由になりなさい」と背中を押すが、離婚後も亜希は義母と共に暮らす道を選ぶ。それは、利害ではなく“人としての信頼”を深く感じていたからこその選択であり、この関係こそが本作の大きな魅力といえる。

“異色のタッグ”である亜希と義母が、どのようにクズ夫へ立ち向かい、どんな結末へと進んでいくのか……。裏切られたとしても、人を信じる力、支える人の存在がどれほど救いとなり得るのか——その温かさを静かに伝えてくれる一冊である。

文=ネゴト / すずかん

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