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余震発生確率とは?余震の可能性と防災のポイントを解説

  • 2026.1.26

大きな地震の後は、同じ地域で再び揺れが起こることがあります。

こうした揺れは「余震」と呼ばれ、本震の影響で周囲の地殻が再び動くことで起こります。特に発生直後は余震の回数も多く、規模の大きいものが起こる可能性もあります。

この記事では、余震とは何か、その発生確率の考え方や公表の仕組み、日常で取るべき防災行動のポイントをわかりやすく解説します。

余震とは

余震とは、大きな地震の後に、同じ震源域やその周辺で発生する地震のことです。

大きな地震が発生すると、多くの場合、その地震が発生した場所の周辺で地震が発生します。最も大きな地震のことを本震、それに続く地震を余震といいます。

余震の回数は本震の直後に多く発生し、時間とともに減少していくのが一般的です。しかし、一時的に余震が活発化することもあります。

なお、余震の規模は本震のマグニチュードに比べると1程度小さいことが多いですが、本震に近い揺れが生じるケースもあるため要注意です。

また、大きな余震が発生すると家屋の損壊などの被害が発生し、さらに余震が続くことによって不眠やストレスの原因になる場合もあります。

余震発生確率とは

余震発生確率とは、大地震の後に本震の震源域や周辺で一定規模以上の余震が発生する可能性を統計的に示した数値です。

科学的に「確実に発生する」「絶対に発生しない」という予測はできませんが、過去の地震データをもとに、一定期間内に大きな余震が起きる可能性を確率で表現します。

気象庁は、この確率を防災上の呼びかけとして活用しています。

余震発生確率の計算

余震発生確率の計算は、余震活動の以下の性質を利用して行われます。

  • 余震の数は本震直後に多く、時間とともに少なくなる
  • 規模が大きい地震の数は少なく、規模が小さい地震の数は多い(マグニチュードが1大きくなると発生数は10分の1程度減る)

これらは余震活動に共通した性質です。

それぞれを組み合わせて計算することで、「今後3日以内にマグニチュード5以上の余震の起きる確率が30%」といった形で、一定期間内における余震の可能性を確率で予測します。

余震発生確率の発表

余震発生確率は、最大震度5弱以上が観測された場合、もしくは最大震度4以下でも地震が多発する場合などに、地震発生から1週間程度以降の報道発表資料において以下のように発表されます。

「最大震度◇以上になる地震の発生確率は、地震発生当初に比べ1/○程度、平常時の約△倍」

なお、地震発生当初とは大地震発生直後の3日間のことです。

平常時の約△倍については、100倍を超える場合は「100倍を超える」、100倍以下の場合は概数で表現します。

また、余震発生確率が高い状態がいつまで続くかの見通しについては以下の表現で発表されます。

「今後●週間程度は最大震度■程度の地震に注意」

大地震が発生してから約1週間の間に、最大震度5弱以上となる余震の3日間の発生確率が10%を下回った場合、その余震発生確率は公表しません。

また、余震発生確率では「余震」という言葉が使われませんが、これは余震という言葉を使うと最初の地震よりも規模の大きな地震は発生しないという印象を与えるためです。

地震活動の見通しに関する呼びかけ【時系列】

期間を1週間程度としているのは、大地震後の大きい余震は、最初の大きな地震発生後約1週間程度のうちに発生することが多い傾向があるためです。

このように、地震直後は経験則に基づいた呼びかけを行い、1週間後は統計的な見通しを加え、さらに地域の特性や活断層の有無も踏まえて注意喚起をします。

余震の注意点と防災のポイント

余震といっても本震に比べて規模が小さいとは限りません。

たとえば、2016年4月の熊本地震では4月14日にマグニチュード6.5(最大震度7)の地震が発生し、その2日後の16日にマグニチュード7.3(最大震度7)の地震が発生しています。

このときは4月14日が本震だと見なされていましたが、実際には4月16日の地震が本震でした。熊本地震のように最初の大きな地震の後にさらに大きな地震が起こる可能性があるため、余震と侮らず、大きな揺れに備えることが大切です。

また、熊本地震では2016年4月14日21時26分から2016年8月31日21時までの間に震度1以上の地震が2047回発生しています。

震度の内訳は以下の通りです。

  • 震度1:972回
  • 震度2:672回
  • 震度3:288回
  • 震度4:95回
  • 震度5弱:9回
  • 震度5強:4回
  • 震度6弱:3回
  • 震度6強:2回
  • 震度7:2回

震度5弱以上の地震も多く発生していることがわかります。

大きな地震には多くの余震を伴うのが一般的であり、大地震で命や財産が助かっても、そのあとの余震で被害を受ける可能性があります。

本震後も、家具の転倒防止や避難経路の確保、ライフラインへの備えなど、本震と同様の防災対策を続けることが大切です。

また、大きな揺れのあとしばらくは同程度の地震が発生するおそれがあるため、自宅へ荷物を取りに戻ることはできるだけ控えましょう。やむを得ず戻る場合も、一人では行動せず、ヘルメットや懐中電灯を準備し、建物の被害状況をよく確認するなど、十分に安全を確かめてから行動することが大切です。

<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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