1. トップ
  2. 恋愛
  3. 妹を傷つけ追い詰めた最強ボスママに、双子の姉が反撃開始! 理不尽なママ友社会に一矢報いる痛快復讐劇【書評】

妹を傷つけ追い詰めた最強ボスママに、双子の姉が反撃開始! 理不尽なママ友社会に一矢報いる痛快復讐劇【書評】

  • 2026.1.25

【漫画】本編を読む

ママ友コミュニティのなかには、外からは見えない力の序列が存在する。その中心に立つ「ボスママ」に支配される空気は、息苦しさという言葉では言い表せないほど心を蝕んでいく。『ボスママに徹底的に復讐する話』(横山了一/KADOKAWA)は、そんな誰もが内に抱えた小さな怒りと正義感を、痛快な復讐劇の形で描き出す作品だ。

事の発端は、主人公・リゼが双子の妹・ミゼの息子であるユースケに呼ばれたことにある。ママ友によるいじめを受けたミゼは、意識不明の重体になり病院にいた。リゼは妹に変装し、双子の姉として理不尽な仕打ちをしたPTAメンバーに立ち向かう決意を固める。標的は、7人のPTAメンバーのひとり、笑顔と支配力で群れを支配する最強のボスママ・ツバキ――。

本作が痛快なのは、ただ単純に敵を打ち負かすだけではなく、理不尽な力関係を解体し、真の意味での再生と、関係修復に導く点にある。ママ友社会という特異な舞台設定をベースにしつつも、単なる仕返しの物語に終始せず、「弱者が圧力に屈せず、自分なりの正義と尊厳を取り戻すこと」という普遍的なテーマを描くのだ。リゼは妹の代理として標的であるママ友たちの輪に入り込み、陰湿な策略を駆使する彼女たちに真正面からぶつかっていく。敵対するママ友たちが抱える子育ての問題を、レディース上がりのリゼが腕っぷしと義理人情で解決していき、仲間を増やしていく少年漫画のようなストーリー展開は、荒唐無稽なようでいて胸がすく、非常に巧妙なエンタテインメントだ。

「ちばてつや賞」を受賞した著者ならではの、痛烈なユーモアと鋭い社会観をもって描かれている本作は、復讐劇としてのスリルとエンタメ性を備えながら、読後にじんわりとした余韻を残す作品だ。理不尽な状況に置かれたすべての人に捧げられた、解放の物語である。

文=時任邪武郎

元記事で読む
の記事をもっとみる