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平安から平成までの刀剣の歴史を実物を通して体感!名古屋刀剣ワールドで企画展「いろんな刀大集合」が開催

  • 2026.1.24

名古屋刀剣博物館「名古屋刀剣ワールド」では、2026年1月22日から3月15日(日)まで、企画展「いろんな刀大集合」が開催される。今回展示されるのは、太刀、打刀、脇差、薙刀など、同館所蔵の多彩な日本刀16振。時代ごとに刀剣の形や用途の変化を体感することができる。

平安時代から平成までの多彩な刀剣がそろう

企画展「いろんな刀大集合」
企画展「いろんな刀大集合」

「武士が腰に差しているもの」とのイメージが強い日本刀だが、実は、その種類は非常に幅広い。長さによって「太刀」「打刀」「脇差」「短刀」と呼称が変化するだけでなく、長い柄の先に刀身を付けた「薙刀」や、両刃の「剣」なども日本刀の仲間に含まれる。

今回の「いろんな刀大集合」は、多種多様な日本刀16振の展示を通して、平安時代から平成までの約1000年に渡る刀剣の歴史をひもとく企画展。時代が移り変わるにつれ形や用途が変化していく様子を、実物を通して体感できる。

■企画展「いろんな刀大集合」概要

期間:2026年1月22日~3月15日(日)

場所:名古屋刀剣博物館「名古屋刀剣ワールド」北館4階 特別展示室

※鑑賞には博物館入館料が必要(一般1200円)

さまざまな種類の日本刀を一気に鑑賞

いずれ劣らぬ名品ぞろいの今回の企画展。以下に、特に注目すべき4つの展示品を紹介する。

■【特別重要刀剣】古剣 無銘

【写真】平安時代頃の作とされる「【特別重要刀剣】古剣 無銘」などの名作が大集合!
【写真】平安時代頃の作とされる「【特別重要刀剣】古剣 無銘」などの名作が大集合!

片刃に深い反りのある、いわゆる“日本刀”が誕生する以前の刀剣の姿「両刃造」の形態を見せる刀剣で、平安時代頃の作と考えられる。刃の中心に特徴的な彫物が施されていることから、実戦用ではなく、貴族の装身具あるいは祭神具であった可能性が考えられているという。

本剣とわずかな例外(※)を除き、樋(日本刀の刀身に彫られる細長い溝)以外の彫刻を備えた平安時代以前の作例はほとんど確認されていない。資料・歴史的価値が高いことから、本剣は特別重要刀剣に指定されている。

※聖徳太子が装備していたとして知られる「丙子椒林剣」(大阪市・四天王寺所蔵)、「七星剣」など

■【特別重要刀剣】太刀 銘 吉用

【特別重要刀剣】太刀 銘 吉用
【特別重要刀剣】太刀 銘 吉用

杢目肌(もくめはだ)を地鉄に現した、表情豊かな太刀。吉用(よしもち)は、名門の刀工集団・福岡一文字派に所属し、鎌倉時代中期に現在の岡山県瀬戸内市周辺で活躍した名工の名前だ。磨上げながらも腰反りが高く、やや細身の刀身が生み出す趣ある姿を堪能したい。

・日本刀の鑑賞ポイント「杢目肌」とは

杢目肌とは「折り返し鍛錬」という工程で作られる木目に似た模様のことで、木の断面に見られる円状の模様に似ていることが名称の由来。吉用の場合は刃先にまで杢目肌が現れる作品が多いことから、「吉用肌」とも呼ばれる。

■【重要刀剣】薙刀 銘 洛陽住藤原国広造 慶長十六八月日

【重要刀剣】薙刀 銘 洛陽住藤原国広造 慶長十六八月日
【重要刀剣】薙刀 銘 洛陽住藤原国広造 慶長十六八月日

室町時代の守護大名・山名宗全の末えいにあたる山名豊国が所持し、明治維新にいたるまで山名家に伝えられてきた薙刀(※)。新刀期(安土桃山時代後期から江戸時代中期)初期屈指の名工・堀川国広が鍛えたひと振りで、力強く、荒々しい波を思わせる刃文が見て取れる。

古来、優れた刀剣には、作者の名前などをくきに刻んだ「銘」(作品名称)とは別の「号」という愛称が与えられることがある。その多くは、美しい姿や刃文、印象的な逸話などをもとに付けられたものだ。つまり、号を持つ刀剣は、古くから高く評価されてきた作例であることがうかがえる。

「磯波」という力強い号を持つ本薙刀もそのひとつ。磯波という号は、刀身の紋様にちなみ、鎌倉幕府三代将軍・源実朝が詠んだ「大海の 磯もとどろに 寄する波 割れて砕けて さけて散るかも」の歌に由来すると考えられている。

※薙刀…長い柄の先に刀身を備える刀剣で、南北朝時代を中心に太刀などとともに戦場で用いられてきた

■【重要刀剣】脇差 銘 津田越前守助広 寛文十年二月日

【重要刀剣】脇差 銘 津田越前守助広 寛文十年二月日
【重要刀剣】脇差 銘 津田越前守助広 寛文十年二月日

江戸時代初期に大坂で活動した刀工である二代・助広(※)によるひと振で、寄せては返す大波のような刃文・涛乱刃(とうらんば)を備えた脇差(※)。目にも鮮やかで躍動感あふれる刃文が楽しめる。

本脇差に見られる「濤瀾(とうらん)乱れ」は、二代・助広が創案した刃文で、作刀当時から大きな注目を集めた。涛乱刃が完成へと向かう過程に位置付けられる作例だと考えられる。

※二代・助広…現在の兵庫県芦屋市生まれ。大坂で初代・助広の門人となったのち、師のあとを継いだ

※脇差…刃長30センチ以上60センチ未満の刀剣を指し、室町時代頃から見られるようになる

今回の商品について担当者に話を聞いてみた。

ーー今回の商品の狙いは?

企画展「いろんな刀大集合」では、平安時代から平成時代まで、約1000年にわたる刀剣の歴史を、実物を通して気軽に楽しんでいただくことを目的としています。刀剣に詳しい方はもちろん、これから知りたい方にも親しみやすい構成を意識しており、時代ごとに形や用途がどのように変化してきたのかを感じ取っていただける内容です。名古屋刀剣博物館に初めて訪れる方から、何度も足を運んでくださるリピーターの方まで、幅広くご覧いただける企画展となっています。

ーー今回の商品のイチオシは?

見どころのひとつは、時代や用途の異なる作品を通して、刀剣の多様な魅力をご覧いただける点です。なかでも鎌倉時代中期に作られた「太刀 銘 吉用」は、端正な姿と気品のある作風が特徴で、太刀ならではの美しさをご堪能いただけます。また、江戸時代初期の作品である「薙刀 銘 洛陽住藤原国広造」は、実用性と造形美を兼ね備えたひと振りで、薙刀という武器の特性を間近にご覧いただける貴重な機会です。異なる特徴を持つ刀剣を見比べることで、日本刀の多彩な魅力をお楽しみいただけます。

ーー読者(ユーザー)へのメッセージは?

刀剣の種類や特徴は実に多種多様で、実物を間近にご覧いただくことで見えてくる魅力が数多くあります。ぜひ名古屋刀剣博物館に足を運んでいただき、それぞれの刀剣が持つ個性や奥深さを体感してください。

刀剣ファンはもちろん、「刀に興味があるけれど、詳しいことはわからない」という初心者にもおすすめのユニークな企画展。気になったら足を運んで、刀剣の持つ機能美を堪能してみては。

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