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目標は武道館ライブ!『恋愛裁判』のアイドルグループ、ハッピー☆ファンファーレの5人に迫る

  • 2026.1.24

誰かに恋愛感情を抱き、想いが実れば交際する。一般人であればなんの問題もない、ごく自然なことが、アイドルという職業に就く者にとっては、なぜ「罪」になってしまうのか。深田晃司監督による『恋愛裁判』(公開中)は、時にファンの疑似恋愛の対象にもなりうるアイドル界において、長らく暗黙の了解とされてきた“恋愛禁止ルール”に鋭く切り込んだ意欲作だ。

【写真を見る】元日向坂46の齊藤京子だからこそ生まれる、パフォーマンスや握手会のシーンの説得力!

恋愛禁止条項違反で所属事務所から訴えられてしまったアイドル

主人公は売りだし中の新星アイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める山岡真衣(齊藤京子)。中学時代の同級生で大道芸人の間山敬(倉悠貴)と偶然再会し、いつしか恋に落ちた彼女は、アイドルとして背負う恋愛禁止ルールと、抑えきれない自分の感情との間で葛藤する。ある事件をきっかけに、ついに敬のもとへと駆け寄った真衣だったが、その8か月後、「恋愛禁止条項違反」で所属事務所から訴えられてしまう…。

中学時代の同級生、間山敬と再会し、いつしか恋に落ちる真衣 [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
中学時代の同級生、間山敬と再会し、いつしか恋に落ちる真衣 [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

『淵に立つ』(16)で第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞し、『LOVE LIFE』(22)で第79回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出されるなど、海外映画祭でも高い評価を受けてきた深田監督。元アイドルの女性が異性との交際を契約違反とされ、賠償を命じられた実際の裁判に着想を得た監督が、約10年にわたる構想を費やし、自ら企画・脚本(共同)も手掛けた本作も、第78回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門への正式出品を果たした。

「恋愛禁止ルール」を破ったという理由で所属事務所から訴えられる真衣 [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
「恋愛禁止ルール」を破ったという理由で所属事務所から訴えられる真衣 [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

徹底したリアリティを追求するために、ハッピー☆ファンファーレのメンバーは、オーディションを通して、現役アイドルや元アイドルを中心に構成されていることも注目ポイント。まるでドキュメンタリーのようにリアルなアイドルの世界を表現するグループメンバーのキャラクター、演じるキャストたちを紹介したい。

公式サイトが存在し、楽曲のサブスク配信も行っているハッピー☆ファンファーレ

ハッピー☆ファンファーレは「あなたと一緒にハッピーな世界を、音楽でつくる!」をコンセプトにした5人組女性アイドルグループ。メンバーは三浦美波、大谷梨紗、山岡真衣、清水菜々香、辻元姫奈。ファンネームはラッパ隊。現在人気急上昇中の“ハピファン”の目標は、いつか日本武道館でライブを開催すること。握手会には毎回、大勢のファンが詰めかけている。

「agehasprings」の音楽プロデューサー、玉井健二が制作したオリジナル楽曲「秒速ラヴァー」と「君色ナミダ」は、Spotifyなど各種オーディオストリーミングサービスで配信中。メンバープロフィールやディスコグラフィ、「秒速ラヴァー」のMV short Clipなどが掲載された公式サイトのほか、本物と見間違えるほど作り込まれた公式インスタグラムも存在する。メンバーカラーのペンライトやマフラータオル、トートバッグ、マグカップといったグッズの数々、インスタライブやクリスマス特別企画の動画などもアップされているのが楽しい。

グループを率いるセンター、山岡真衣(齊藤京子)

ハッピー☆ファンファーレのメジャーデビュー時から表題曲でセンターを務める真衣。21歳でニックネームはまいまい。メンバーカラーは赤。広島出身で、メンバーの菜々香、梨紗と3人でルームシェアをして寮生活を送っている。アイドルとしての自分に自信がなく、エゴサをしては落ち込むのが悪いクセ。ある日、偶然再会した中学時代の同級生で大道芸人の敬と親しくなり、いけないと思いつつ、彼を好きになってしまうが、「恋愛禁止ルール」を破ったという理由で、所属事務所から訴えられることになる。

【写真を見る】元日向坂46の齊藤京子だからこそ生まれる、パフォーマンスや握手会のシーンの説得力! [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
【写真を見る】元日向坂46の齊藤京子だからこそ生まれる、パフォーマンスや握手会のシーンの説得力! [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

本作においてなにより重要な主人公の真衣役に抜擢されたのは、アイドルグループ日向坂46の元メンバーである齊藤京子。2024年4月にグループを卒業後、東宝芸能に所属。本作の脚本を読み、オーディションで披露した演技によって真衣役を獲得した。映画前半のアイドルパートでは、トップアイドルとして長年活動してきた彼女だからこその圧倒的な説得力で、真衣の華やかさと内面の葛藤を体現。と同時に後半では、化粧っ気がない疲れた表情で、感情を抑えながら低い声で淡々と話す裁判シーンの芝居がリアリティたっぷりで胸を打つ。現在は俳優として、『#真相をお話しします』(25)、『(LOVE SONG)』(25)、『教場 Reunion/Requiem』(26)、ドラマ「いきなり婚」、「あやしいパートナー」、「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」など多くの作品に出演し、活躍の場を広げている。

真衣の華やかさと内面の葛藤を体現する齊藤京子 [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
真衣の華やかさと内面の葛藤を体現する齊藤京子 [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

グループ最年少、清水菜々香(仲村悠菜)

ハッピー☆ファンファーレで最年少の清水菜々香。18歳、ニックネームはななたん。メンバーカラーは黄色。千葉出身だが、実家が遠いため、真衣や梨紗と一緒の寮生活を選択。無邪気でかわいい妹キャラは、ハピファンのメンバーのなかでも最近特に人気があり、握手会ではファンの長い列が目立つ。ゲーム好きで、ゲーム実況の生配信もしていることから、人気ゲーム実況YouTuberと知り合い、密かに恋愛中。

菜々香を演じるのは、アイドルグループ、私立恵比寿中学の現役メンバー、仲村悠菜。10歳で芸能界入りし、2022年に私立恵比寿中学のオーディションを受け、新メンバーとして“転入”した。エビ中への転入前は俳優を目指していて、現在も映画やドラマに出演。おもな出演作に、『仮面病棟』(20)、「浦安鉄筋家族」、「ラブライブ!スクールアイドルミュージカル the DRAMA」などがある。

目標は武道館ライブ! [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
目標は武道館ライブ! [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

クールで大人びた印象の大谷梨紗(小川未祐)

ハピファンのメンバーのなかで最もクールで大人びたキャラの大谷梨紗。21歳でニックネームはりさ。メンバーカラーは青。寮のルームメイトである真衣と共に、菜々香の恋を陰ながら見守っている。暇があればアコースティックギターをつま弾き、趣味の範囲だが作詞作曲も行う。すべてを誰かにプロデュースされるアイドルではなく、いつか自分の作った曲を歌うのが夢。静岡出身で、冬の朝に水平線から昇るだるま朝日をこの世で一番美しい景色だと思っている。

梨紗役は、2018年に主演作『最期の星』で映画デビューした小川未祐。ハッピー☆ファンファーレを演じる5人のなかで唯一アイドル未経験者だが、中学時代からプロダンサーとして活動し、俳優業を始める前はガールズグループ練習生としての活動経験もある。深田晃司監督作『よこがお』(19)にも出演し、今回が約6年ぶりの深田組参加となった。そのほかの出演作に『海辺の金魚』(21)、『とりつくしま』(24)、ドラマ「痛ぶる恋の、ようなもの」など。ミュージシャンとしても活動し、2025年にセカンドアルバム「Tulsi」をリリースした。

真衣と梨紗の関係性が尊い [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
真衣と梨紗の関係性が尊い [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

グループ最年長のリーダー、三浦美波(今村美月)

ハッピー☆ファンファーレの最年長でリーダーを務める三浦美波。22歳、ニックネームはみなみ。メンバーカラーは緑。ハピファンがもっとメジャーになることを目指していて、風紀委員と言われるほどアイドルの「恋愛禁止ルール」にも厳しい。

美波役を演じるのは、STU48の元メンバーの今村美月。2017年に1期生として正式メンバーとなり、2020年より2代目キャプテンに就任した。2024年にグループを卒業したあとは、映像作品や舞台に出演するなど表現の幅を広げている。

菜々香と同じ年下組、辻元姫奈(桜ひなの)

ハッピー☆ファンファーレ内では菜々香と一緒に年下組になる辻元姫奈。19歳、ニックネームはひめにゃ。メンバーカラーはピンク。本作の姫奈役で映像作品デビューを果たしたのは、東北地方出身の女性メンバー9人によるアイドルグループ、いぎなり東北産の現役メンバーである桜ひなの。小学5年生だった2015年、いぎなり東北産の結成メンバーとなり、アイドル活動のほか、モデル、舞台、テレビ、ラジオなど様々なジャンルで活動中。

劇中ライブでのパフォーマンス、楽曲にも注目!

劇中でのパフォーマンスだけでなく、楽曲は実際にサブスクで配信中! [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
劇中でのパフォーマンスだけでなく、楽曲は実際にサブスクで配信中! [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

芝居のリハーサルとは別に、ボイストレーニングやダンスレッスンを受けたメンバー役5人が披露するハッピー☆ファンファーレのライブパフォーマンスも大きな見どころの一つ。所属事務所の社長に津田健次郎、チーフマネージャーに唐田えりかを配するなど、メンバーを取り巻くキャラクターのキャスティングも絶妙だ。

アイドルにとって恋愛は罪なのか? [c]2025「恋愛裁判」製作委員会
アイドルにとって恋愛は罪なのか? [c]2025「恋愛裁判」製作委員会

キラキラしたアイドルたちの表と裏、光と影を細部に至るまでとことんリアルに描写した本作は、古くから巷に浸透している「アイドルは恋愛禁止」というステレオタイプの思い込みを改めて見つめ直すきっかけになるに違いない。

文/石塚圭子

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