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「40歳になったら新しい友達も趣味もできない気がしていたけど、逆でした」おづまりこさんが考える、40代を充実させるためのコツ

  • 2026.1.24

新刊『ごきげんな40歳になりたい』で「40歳」のさまざまな変化を綴った漫画家のおづまりこさん。20代、30代と味わってきた旅の楽しみも、40代になって変わってきたようで――? 年齢を重ねながら、これからの人生でやりたいことについてもうかがいました。


40歳だと自覚しながら、旅先で浮かれる

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――第3章の「ごきげん40歳のひとり旅」は、沖縄の旅についてのエッセイで、ほかの章とは趣向が異なっているようにも感じますが、どういう意図があったのでしょう。

これまでのターニングポイントを振り返りつつ、40歳まで生きたことをきちんと受け止めたかったのだと思います。以前、ひとり旅をテーマにした本にも描いたのですが、大学時代に住んでいた京都を旅したとき、思いがけず内省的になって。学生だったから、やらかした記憶がいっぱいある場所なんですけど、改めて訪れてみたらポジティブな記憶に塗り替えられて、その場所のことも好きになれたのです。その経験があったので、思い出の場所にまた行ってみたくなって。

沖縄は20代の頃、友達と初めて旅をした地なのですが、社会人1年目で仕事はしんどいし、お金も全然なくて、行き当たりばったりの旅で。それはそれで楽しかったのですが、今行ってみたら、全然違う景色が見えてきそうな気がして。「自分は40歳なんだ」って思いながら旅をしてみたかったのです。それともうひとつ、「浮かれる」というテーマもあったので、自分はできないと決めつけていたことも、楽しむ旅にしようと思っていました。

――たしかに着いて早々、浮かれた服を買いに行ってましたね!

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

あれは、なかなか面白かったです(笑)。沖縄へ行くと、オリオンビールのTシャツを着ている人を見かけますけど、現地で買った服を着るのって、旅の上級者のイメージがあるんですよね。自分はやったことがないし、ちょっと苦手意識すらあったのですが、思い切ってやってみたら旅をしている感覚が増して、予想以上によかったです。もともとは苦手だったひとり旅も、チャレンジしてみることでどんどん好きになってきたので、もう少しレベルアップしたい気持ちもありました。なのでこの章では、旅をしたときに感じたことを素直に描けた気がします。

――ひとり旅を満喫している様子が伝わってきました。

そのまま描いたら、めちゃくちゃ旅を楽しんでいる人になったのでよかったです(笑)。旅の楽しみ方が変わってきている自覚は、それほどなかったのですが、エッセイにしたことで、「この人、だいぶ楽しんでるな」と気づけたので。

あきらめたから今の自分がいる

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――「あきらめる練習」をしたり、よくない記憶は「忘れるスイッチ」をオンにするなど、自分の性格との付き合い方も参考になりました。性格や考え方のクセを直すのは、年齢を重ねるほど難しくなる気がしますが、客観的に向き合うコツなどはありますか?

文章を書くことが好きで、日記や手帳に記したことをよく読み返します。9年くらい「note」で非公開の日記を書いているのですが、やっぱり9年前の自分と最近の自分は全然違うなと感じるし、年々ラクになっているような気がします。性格はそう簡単に変えられるものではないし、人との付き合い方も基本的には変わらないと思っているんですけど、私の場合はエッセイにすることで客観的になれて、「こういう自分もいいのかな」と受け入れられるようになってきました。

何かをあきらめたり、忘れたりすることも、30代半ばまではよくないことのように捉えていて、「もっと頑張らないと!」と自分を追い込んでしまっていました。だけど漫画に関しては、あきらめたから今の自分がいるのだと思えるようになったし、エッセイを10年も描き続けていられるなんて思ってもなかったので。日記やエッセイって、自分のよくないところがめちゃくちゃわかるんですよね。初期のエッセイはクセも強かったと思うし、10年かけて素直になる練習をしている感じです。

――人付き合いに関しても、友達と会って話したいときは、あれこれ考えず声をかけてみるなど、自分の気持ちに素直になる努力をしていますね。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

東京に友達が多いので、離れてしまったぶん、声をかけないとそのまま付き合いがなくなってしまう不安もあって、こちらから積極的に誘うようにしています。誘う側に勇気がいるのは相手も一緒だし、断られてもへこまずに声をかけたいですね。

井戸端会議のようなエッセイを

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――この本は40歳からの暮らしを、長い手紙のような気持ちで描いたそうですが、一冊を読み返してどんなことを感じましたか?

変化が多かったなと思いました。小さなことも大きなことも、いろんなことをやっていて、生活を新しく生きたいんだなって。いろんな変化があったので、ブログだと説明が難しいと感じていたことが、実は意外と多かったんです。拠点を関西に移したことにもいろんな理由があって、しかもそれはまだ考え中というか、現在進行形だったりするので、正しい決断だったのかどうかもわからない。なので、ようやく形にできた思いが多い一冊になりました。それと読み返してみて、前向きに頑張っているというか、なんか楽しそうに生きているな、と思いました(笑)。

――ご自身の暮らしをエッセイにするうえで、ネタ選びでいつも大事にしていることはありますか?

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

読んでくださる方に、何かしら残るものがあればいいなと思っています。ちょっとした知恵とか気づきとかでもいいですし、くすりと笑ったとか、ほのぼのしたとか、プラスなことが少しでも残るような本にしたいっていうのが一番ですね。こういう人もいるんだって知るだけでも、気持ちがラクになったりすることもあると思うので。私自身もエッセイやラジオを通して、人が生活している様子を知るのがとても好きなんです。女性は特にそういう方が多いような気がするんですけど、井戸端会議とかも要は生活情報の交換ですよね。それによって安心したり、ラクになったり、自分も頑張ろうって思えるし、年々そういう気持ちが強くなっているので、私の本を読んだことで、そんなふうに思ってもらえたら嬉しいですね。

おづまりこ『ごきげんな40歳になりたい』

――40代も前半、半ば、後半で、考えることや見える景色が変わってくると思うのですが、最近新たに気になっていることや、この先やっていきたいことなどはありますか?

今はまだ、40代が始まったという気持ちが大きいのですが、その直前までは閉じてしまっていたので、たくさん外に出て、興味を増やしたいと思っています。そして好きなことをきっかけに、友人関係を広げていきたいです。関西での人付き合いを増やすのが最近のテーマなんですけど、それがどんどん面白くなっています。それこそ39歳のときは、この先、新しい友達も趣味もできないような気がして、それも落ち込む理由のひとつだったんですけど、40歳になってみたら、むしろ逆で。関西っていうコミュニティの違いもあると思うのですが、新しい友達が増えていて、向こうも新しい交友関係を求めている感じが楽しくて。39歳の1年間は何だったんだろうって思うくらい(笑)。結局、年齢ではなく自分の気持ち次第だったと思うのですが、やりたいことが増えていますし、仕事も遊びも「楽しむこと」に一番関心がありますね。

おづまりこ

兵庫県生まれ。20代、30代は東京で暮らし、現在は関西在住。著書に『ゆるり より道ひとり暮らし』『ゆるり より道ひとり旅』『ゆるり愛しのひとり旅』『金曜日のほろよい1000円ふたりメシ』(文藝春秋)、『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』『おひとりさまのゆたかな年収200万生活』『わたしの1ヶ月1000円ごほうび』(KADOKAWA)がある。
X:@mariskosan
Instagram:@odumariko

文=兵藤育子

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