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再放送なのに“トレンド入り”「すでに完成している」「スター感」25年前の“月9”神回に登場、当時13歳の少女

  • 2026.2.5

2001年放送の月9ドラマ『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』が再放送され、通称・“星のケーキ”回に出演している一人の子役に注目が集まっている。「すでに完成している」「スター感ある」とSNSトレンドにもなったのは、後に大型アイドルグループのセンターとして国民的スターとなる、女優・大島優子。当時13歳の彼女が演じたのは、病と闘いながら“星のケーキ”を求める少女・加世子だった。

※以下本文には放送内容が含まれます。

すでに光っていた、原石のきらめき

再放送されたドラマ『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』は、月9黄金期とも名高い2000年初頭を支えた名作。元ボクサーのエイジ(滝沢秀明)が働く洋菓子店・アンティークを舞台に、天才パティシエや型破りなオーナーらが織りなす、甘くてほろ苦い人間模様を描いたハートフルなコメディである。

そんなアンティークへ、“星のケーキ”を作ってほしい、と母親を介して繰り返し頼む少女がいた。当時13歳の子役・大島優子が演じる、入院中の加世子だ。
SNSでは即座にトレンド入り、「大島優子だったんだ!」「今とほとんど変わらない」など、驚きと感動の声が広がった。Mr.Childrenの楽曲を全面的に使用した斬新な構成や、当時は手法として珍しかったテンポの良いカット割り、心情をテロップで表現するなど、実験的な演出が話題を呼んだ『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』。第4話「小さな星」は、とくに視聴者の記憶に残る“神回”として知られている。

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大島優子(C)SANKEI

入院中の彼女のもとへ星のケーキが届けられるも、彼女はそのケーキを拒絶。何度も作り直しを依頼されるケーキ店のスタッフだが、エイジは少女と重ねられる交流のなかで、彼女が本当に欲しがっているものに気づく。

この複雑で感情の機微が求められる役柄に、当時13歳の大島優子は見事に応えた。

13歳の間合いと、目の力

SNSで注目されたのは、何も見た目の完成度だけではない。演技力あってこそ、驚きが集まったのだ。

命の終わりを目の前にしている、孤独な少女。星のケーキを繰り返し作り直させる過程において、セリフよりも目の力が雄弁に感情を語るようになる。怒っているのか、悲しいのか、それとも諦めているのか。視聴者に解釈を委ねるような微妙な揺らぎを、目の力で表現してみせた。

本作は、滝沢秀明や椎名桔平、藤木直人に阿部寛といった、当時からすでに活躍中の看板俳優たちが名を連ねていることでも話題だ。しかし、子役だった大島優子も決して浮いてはおらず、堂々と立ち向かっている。ケーキを介して少しずつ心を開いていく過程を、独特の間合いで魅せている様子には、すでに完成されている演技の片鱗が見える。

強く在ろうとしながらも、どこか寂しげな少女の姿は、涙なくしては見られない。儚さ、潔さ、そして淡い希望。そのすべてが、大島優子という役者の表現の核に今も息づいていると思えてならない。

原点回帰? スターになる必然性

ドラマ『アンティーク』のこのエピソードは、単なる“子役時代の出演作”にとどまらない。それは、女優・大島優子の表現者としての“原点”であり、後の活躍を予見させる完成度だった。

大島優子といえば、後に国民的アイドルとなり、現在も女優として数々の作品に出演。明るさと芯の強さ、そして物語の核を担う深みを併せ持つ稀有な存在として、映画やドラマで安定した評価を得ている。

彼女の元に寄せられるのは、決して偶然の賛辞ではない。カメラの前で生きる力、他者を惹きつける視線、そして“わかりやすさ”ではなく“余白”で魅せる演技の妙。すべてが、当時から彼女のなかに確かに息づいていたのである。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_