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80年代空冷4ストロークトレールマシンでヴィルヴワルテ【懐かしいオフロードバイクカタログ|80年代空冷4ストトレールマシン】

  • 2026.1.21

先月号ではお休みだったから、このコーナーが無くなったのではないかと心配したことでしょう。どっこい生きてるシャツの中───じゃないダースポの中。適当に生きてるフリーランスライターのひとりごとページは続きます。苦情は受け付けません。今回のネタは80年代空冷4ストトレール。みんな好きでしょ。

TEXT/F.Hamaya 濱矢文夫

懐かしく振り返る4ストローク

画家の奈良美智(ならよしとも)さんを、つい最近まで「ならみち」と読んでいて、男性ではなく女性だと思っていた、何も知らない筆者です。これが今回の企画と何の関係があるかと思うでしょう。そう、何の関係もありません。好きなことを書き散らかすのが、ここのジャスティス。

まあ、そんな感じで(どんな感じだ!?)、唐突に80年代空冷4ストトレール特集。80年代のトレール界隈における最前線には、2スト車があったと思うんす。4ストは燃費がよく、トルク特性も日常的に使いやすく、尖っていない。2ストよりやや重いのがたまにキズだけど、ダートだけでなく街乗りから旅まで便利だった。

「青春時代の真ん中で乗っていたよ」っていう、おっさんやお姉さんは多いと思う。

1981_HONDA XL250R:プロリンクサスはしなやかなに路面追従

最近なんでも「AI、AI」って話題だから、某チャットG◯Tに「XL250Rをおもしろ解説して」って聞いてみたのさ。まあ、いわゆる仕事放棄って言うんだけど。

その結果がこれだ。

(伝説のRFVCエンジンは名前がすでに厨二っぽいですが、実はかなりスゴい技術。吸気・排気バルブを放射状に配置することで燃焼効率アップ! まるで“80年代のアニメに出てきそうなヒーローバイク”。最近ではこの「無骨レトロ」な雰囲気が再評価されて、旧車ミーティングでも人気です)

1981_HONDA XL250R
1981_HONDA XL250R

って。ツッコミどころ満載。

ああ、AIはまだまだだな。RFVCはXLX250Rからだよ〜ん、のおじさん。

旧車ミーティングで「ほお、プロリンクになったXL250Rですか。渋いですね」って言われる姿を想像して、笑いがこみ上げる。

1983_HONDA XLX250R:カトキ、カトキチの冷凍うどん

いつも不思議に思っていることがある。それは、XLR250Rはマイナーチェンジを重ねながら長命だったのに、その前モデルで、同じRFVC単気筒エンジンを搭載するXLX250Rは、なぜ短命だったのかという点だ。

あとに登場したXLR250Rは、加速ポンプ付きのケーヒンPDキャブを1基装備していたが、XLXは同じケーヒンでもPH40というデュアルキャブだった。低中速域では1基のみが作動し、高速域になるとセカンダリーも働いて、2基でドバーッと供給する凝った仕組み。まあ、そのぶんキャブは重くて複雑なんだけどね。

1983_HONDA XLX250R
1983_HONDA XLX250R

乾燥重量はXL250Rと同じ118kg。一方、XLR250Rは111kgと、格段に軽くなっている。バイクにとって軽さは正義だ。

現在から過去を俯瞰すると、XLX250Rは過渡期のモデルという印象が強い。ヤマハDT200Rが登場したり、水冷のKL250Rが出てきたりと、80年代前半は次々と新しいモデルが投入された時代背景があり、その流れが短命につながったのだろう。

1986_HOND XLR250R:出会いは林道で、という世界線

夏の終わりにXLR250Rに乗って林道に入り、台風の影響で横たわる大きな倒木を華麗にフロントアップして乗り越え、深い轍を飛び越えて、山の奥まで進む。

途中でXT200に乗った女の子がひとり、パンクして困っているところに遭遇。俺は林道ライダーのたしなみとして、ひと通り工具を積んでいる。すぐに「任せとけ」とパンクした前輪を外し、タイヤレバーを使ってテキパキと修理する。

1986_HOND XLR250R
1986_HOND XLR250R

その脇で、長い髪を後ろで束ねた彼女は不安そうに見ている。30分で現状復帰。吊り橋効果もあって彼女は俺に好意が芽生え、その後付き合うことになったんだ。

「彼のXLR、彼女の林道」

君たちはオフ車に乗って、そんな恋の始まりを体験したことがあるか。

━━━━━ 俺は無い……。

1983_YAMAHA XT250:美しさは必要だ

100回くらい(ホントは10回くらい)書いたことがあるけれど、なんたって美しいタンクの造形も含めて、立ち姿が美しい。クルマの世界では「貴婦人」と評されるモデルがあるけれど、まさにバイク版貴婦人って感じだ。

ロングストロークのトルクでトコトコ、ってイメージされそうで、実は75mm×56.5mmという、バリバリの(?)ショートストローク。エンジンの上下長を詰めて最低地上高を上げるため、ってことっスね、may be。

1983_YAMAHA XT250
1983_YAMAHA XT250

リアサスペンションは当時のヤマハ定番の東京ラブストーリーレバー……じゃなく、カンチレバーで、ホイールトラベルは178mm。リアホイールは17インチ。エンジン冷却を考えたルーバー付きのフロントフェンダーに、フロントフォークアウターにはフィンも備わるのが斬新(冷却のため? プロテクトのため?)。

1度だけ林道で乗ったことがあるけど、バリバリ走れて楽しかった。

1984_YAMAHA XT200:売れる売れないと良し悪しは別の話

ご存知、セロー225の直系ご先祖様。発売は1982年だった。初期モデルは丸目のヘッドライトにヘッドライトカウルなし。黒フレームで地味な見た目。乾燥重量が100kgを切る軽さが魅力だったけれど、坂の上の雲を見ながら盛り上がってきていた80年代にあって、地味すぎて売れず……。

それで、中学ではクラスで目立たない暗い子だったけれど、高校に入って髪型を変えて化粧をしてデビューした女の子のように、角形ヘッドライトにヘッドライトカウルを装着。ビビッドなシートやフレームカラーにして、フォークブーツも付けて、ゴールドリムを履かせたのが、このマイナーチェンジ後のモデルだ。

1984_YAMAHA XT200
1984_YAMAHA XT200

これで大ヒット! ……した記憶はございません。

これを下敷きにしたセロー225が登場するのは翌85年。セローも、最初は売れなかったのよ〜。

1983_YAMAHA XT250T:XT250が超サイヤ人化した

艶めかしいラインの美しいタンク造形をしていたXT250の面影はどこに……。隣のXT200と、ぱっと見で見分けられない。小松菜奈と見上愛の見分けがつかないのと似ている。

デザインにおいても、高性能スポーティーさを全開アピールしたのが80年代だった。オンロードだってレーサーレプリカ全盛期になったもんね。カタログ写真なんて、どか〜んと飛んでいたからね(着地したくねー)。

1983_YAMAHA XT250T
1983_YAMAHA XT250T

エンジンはトレール初のDOHC4バルブ。カムが2本よ、イタリア語だとビアルベローよ。ヘッドが重くなって──なんて気にしない。

セカンダリーキャブが付いたYDISを採用して、後ろ足はリンクレスの東京ラブストーリーサス(もういいって)。カンチレバーじゃなく、リンク式になったのよ。

ホイールトラベルはフロントが255mm、リヤが220mm。高性能化に全振り。

1982_SUZUKI DR250S:人もバイクも見た目が大事

スズキのお家芸である、燃焼室の形状で空気と燃料を2つの渦にして燃焼効率を上げてやろう、という魂胆のTSCC(ツイン・スワール・コンバスチョン・チャンバー)を採用した4バルブ単気筒エンジン。リアにはフルフローターサス。ショックがフレームに接点を持たず、スイングアーム部分で完結しているという、ビックリドッキリメカだ。

1982_SUZUKI DR250S
1982_SUZUKI DR250S

ホンダがMotoGPでユニットプロリンクを出してきたとき、古い人間の我々は「フルフローターの再来か!?」と思ったもんです。

でも、見た目が野暮ったいから損をしている。さえないモビルスーツみたいな顔と、田舎娘のようなボディライン。「だがそれがいい!」というマニアは置いといて、もっとイケイケ(死語)なデザインにしていたらと思うと、少し残念。

でも、シートの「DR」ロゴは好きだな。

1985_SUZUKI SX200R:DRとは違うのだよ、DRとは

排気量は近いけれど、DR250系とは別の流れ。シングルカムの4バルブエンジンは、GS125系と近い。燃焼室の中で混合気の渦流を起こすSTDCC(スズキ・ツイン・ドーム・コンバスチョン・チャンバー)を採用している。

TSCCと何が違うの? って思うだろう。私も思う。この頃は、こういう英頭文字の略語が多かったよね。DAIGOか、ってくらい。ウィッシュ!

80年代空冷4ストロークトレールマシンでヴィルヴワルテ【懐かしいオフロードバイクカタログ|80年代空冷4ストトレールマシン】
1985_SUZUKI SX200R

キャブは負圧式なんだけど、円筒形バルブじゃなくフラットバルブの、いわゆるスリングショットキャブってやつ。これが後のDJEBEL200になるのである。

そこ、ドジェベルって言わない!

1981_KAWASAKI KL250:今回選出された中で最も古めかしい

カワサキは1984年発売のKL250Rから、国産トレール初の水冷になるので、「80年代空冷4スト」と括ると、これしかないのね。1977年発売だけど、82年にマイナーチェンジしているから。

そこで排気量を246ccから249ccへと、わずか3ccだけ排気量アップ。

80年代空冷4ストロークトレールマシンでヴィルヴワルテ【懐かしいオフロードバイクカタログ|80年代空冷4ストトレールマシン】
1981_KAWASAKI KL250

「ねえ。3立方センチメートルなんだって。KL250の増えた量、3立方センチメートル。僕たちの前には、巨大すぎる人生が、茫漠とした時間が〜〜〜」

と、某アニメみたいに言いたくなる。

リアが2本サスなのが、今となってはいい感じ。

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