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「AKB48」20年を支えた衣装デザイナー・茅野しのぶ 着る人に寄り添う衣装づくり 前田敦子“ロングパンツ”秘話も

  • 2026.1.17
茅野しのぶさん
茅野しのぶさん

2025年12月8日に結成20周年を迎えたアイドルグループ「AKB48」が大みそかに放送された「第76回NHK紅白歌合戦」(NHK総合など、午後7時20分~)に出演。前田敦子さんなどレジェンドメンバーも登場し、大盛り上がりのステージとなりました。同グループのデビュー当時から衣装を担当していたのが、衣装デザイナーの茅野しのぶさんです。当時から、メンバーに寄り添い、支えた茅野さんは、同年6月に著書「アイドル衣装のひみつ~カワイイの方程式~」(学研出版)を発表し、現在開催中の衣装展「AKB48大衣装展 -時代を彩った装跡-」(大阪)も盛況となっています。そこで、茅野さんにアイドル衣装の着想やこの職業を目指したきっかけなどについて、聞きました。

着想は日常生活の中に 高市首相のファッションにも着目

茅野さんは「AKB48」のほか、同グループや「HKT48」で活躍した指原莉乃さんがプロデュースするアイドルグループ「=LOVE」の衣装も手掛けています。茅野さんが生み出す“アイドル衣装”はキュートなデザインでありながら、ラインストーンや刺しゅうなど細部にまでこだわりが詰まっていて、まるで美術館に展示される芸術作品のようです。

これまで、4万着を超える衣装を手掛けてきた茅野さんですが、衣装の着想はどのように得てきたのでしょうか。茅野さんは「楽曲のイメージが決まっている場合はプロデューサー、CMだと商品から着想を得ています」と話します。続けて、「例えば、クリスマスコフレのアイシャドウの配列がすてきだと思ったら写真で撮っておいて、後日参考にしたりします。また、旅行先で見た石畳を参考にすることもあります。実は高市早苗首相の外交ファッションにも着目しています」と明かしてくれました。

さらに、いわゆるファッションアイテムから着想を得ることは、「デザインの模倣につながりやすい」という観点から、ほとんどしないと裏話も話してくれました。

「着る人」を考えた服づくり「音楽の日2025」前田敦子“ロングパンツ”に込めた思い

現在、茅野さんはアーティスト・タレントの衣装制作、スタイリング、ヘアメイクを担う企業「オサレカンパニー」の取締役を務めています。同社では、学校の制服事業も展開していて、学生たちにも寄り添った洋服を提供。女子生徒のために、パンツのパターンを設計し、細部にまでこだわりと配慮をしています。

茅野さんは、女子学生からの「長く部活をしています。太ももが気になるから隠したいです。スカートは制服くらいで、日常的にはパンツをよく履いています。自分に合うのはパンツだと思います」という要望に着目し、「学校制服では本人が着ていて、自分らしくいられることを大切にしています」とコメント。「ジェンダーレス」という視点ではなく、「着る人が自分らしくいられること」という観点を重要視していると力強く話してくれました。

実は、茅野さんの「着る人が自分らしくいられること」という思いが垣間見られる一面がありました。7月に放送された音楽特番「音楽の日2025」(TBS系)で、「AKB48」卒業メンバーの前田敦子さんらが現役メンバーと新曲や人気曲を披露する一幕がありました。

現役時代はスカート姿が印象的でしたが、同番組出演時はロングパンツという装いでした。その理由について直撃したところ、茅野さんは、「ロングパンツスタイルは、今のあっちゃん(前田さん)に似合うスタイルです。現在はアイドルと違い、俳優として活躍されています。今のあっちゃんを大切にしたいという思いを込めました」と秘話も打ち明けてくれました。

アイドルを「心から尊敬」

「AKB48」や「=LOVE」といったアイドルグループの衣装を手掛け、メンバーたちの人気を陰ながら支えてきた茅野さん。そこで、「茅野さんにとってアイドルとは?」という直球質問をしたところ、茅野さんは「自分の責任で生きていて、推しを大切にしている存在」と話し、真剣な表情を見せます。

茅野さんは、アイドルとしてステージに立つ女の子たちが、青春を捧げ、夢のために努力し、恋愛や外出も自粛している苦労について触れながら、「アイドルを心から尊敬しています」と尊敬の念を口にしていました。現在、アイドルとして頑張る人たちに向けて、「人生を長い目で見て、アイドル活動の中で長所や輝けるポイントを見つけてほしいです」とエールも贈っていました。

そして、今後の目標について、「令和のアイドルの中には、平成のアイドルに憧れた子も多くいます。私もアイドルのバトンを次の世代につなげていきたいです」と話し、はつらつとした笑顔を見せてくれました。

西田梨紗

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