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神戸の伝統を感じる老舗レストラン5選。中国料理・神戸ビーフを堪能できる名店案内

  • 2026.1.17
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異国情緒あふれる美しい街に溶け込む老舗レストランは、いつの時代も特別な場所。明治の開港にルーツを持つ中国料理と神戸ならではの肉料理、それぞれの美味しさをご堪能あれ!

SADAHO NAITO

【中華料理】東天閣(元町)

100年以上の歴史ある洋館で風格ある美しいうまみを味わう

異人館へ向かうトアロードに、異彩を放つ洋館。エリア最古級といわれる130年の歴史ある重厚な扉を開けると、畑 耕治支配人をはじめスタッフが丁寧に迎えてくれます。「神戸生まれのお客さまが、『懐かしい!』と約半世紀ぶりにお見えになることも」と支配人。神戸っ子自慢の一軒ではまず、干し鮑や貝柱、ナマコなど希少な乾物を使った蒸しスープ「佛跳牆(ぶっちょうしょう)」を。うまみが幾層にも重なった美しい一杯にはファンが多く、全ての料理の要となる“一番だし”がクリアで上品な味わいを生み出しています。他にも窯でじっくり焼き上げる「北京ダック」、ナイフ不要の柔らかさの「スペアリブの照り焼き」、「芋の飴炊き」など名物は多数。コースはオーダーメイドが店の主流。料理のリクエストや予算などを伝えて、とっておきの時間を。

(写真)ディナーコースは¥13,200~[サ別](メニューにより変動)。「これを目当てにお見えになる方も」という伝統的な蒸しスープ「佛跳牆」(要予約)には「修行僧がその香りに我慢できず寺の塀を跳び越えてきてしまう」という由来が。

SADAHO NAITO

全てのコースに付く「北京ダック」は、もっちりきめ細かな自家製の皮に広島県産の赤みそベースのソースと包んで提供。

SADAHO NAITO

焼・炊・煮・炙と手間をかけた「スペアリブの照り焼き」。

SADAHO NAITO

じゅうたん敷きの店内では格調高くも落ち着く装飾がお出迎え。大小9つの個室も。

SADAHO NAITO

ドイツ人・ビショップ氏の自邸として建てられたコロニアル様式の館。1945年に「東天閣」初代が受け継ぎオープン。震災も乗り越えた街のシンボルです。

DATA
兵庫県神戸市中央区山本通3-14-18
tel.078-231-1351
営業時間:11時半~14時(L.O.)17時~20時(L.O.)
定休日:年末年始


SADAHO NAITO

【中華料理】第一樓(旧居留置)

人生の節目にふさわしい円卓で大皿料理を囲む伝統

自身や家族の人生の節目、祝席や宴会などで「第一樓」を訪ねたことのある人は多いはず。阪神・淡路大震災で全壊しながら翌年には不死鳥のごとく再建。初代の門 兆鴻さんが1947年に開いた老舗は、まもなく創業80年を迎えます。円卓にて供される大皿の料理を囲み、台を回しながら話に花が咲く…楽しい食事の記憶は特別。アラカルトもありますが、コースでこそその時間は濃密に。豪華な前菜に始まり、ふかひれスープ、北京ダックに大エビ炒め、鮑のオイスターソース炒め…と安心のオールスター。「5代にわたるお付き合いのお客さまも。これからもお喜びいただきたい一心です」と3代目の白崎大介さんが話す通り、親から子へ、子から孫へ。店先に飾られた鳳凰のシンボルが未来を照らすよう。

(写真)料理は¥13,200[サ別]のコースより(写真は6人前)。コースの口開けは、名物と言っていいほどのインパクトがある豪華な前菜の盛り合わせ。伊勢エビにカニ、鮑、イカとセロリのあえ物、ピータンなどの冷菜に、人気の酢豚や大エビの甘酢ニンニク風炒めなどの温菜が登場。

SADAHO NAITO

「天然鮑のオイスターソース煮込み」。

SADAHO NAITO

コクのある甘酸っぱいソースがジューシーな大エビの天ぷらによく絡んだ「大海老のケチャップソース炒め」

SADAHO NAITO

全席円卓を備えた個室で、人数に合わせて利用可。2~5階の客席を合わせると600席以上のキャパシティを持ち、企業の会合での利用も多いそう。

SADAHO NAITO

店先には中国神話に登場する高貴な霊鳥・鳳凰が羽ばたいて。

DATA

兵庫県神戸市中央区江戸町94
tel.078-331-0031
営業時間:11時半~14時(L.O.)17時~20時(L.O.)
定休日:年末年始、臨時休業あり


TOMOAKI KAWASUMI

【肉料理】欧風料理 もん(三宮)

ゲスト本位の接遇に和みつつ上階で隠れた名物・すき焼きを

華やかな飲食店が並ぶ生田神社参道に、まもなく創業90年を迎える老舗。名物のとんかつやオムライスなどの洋食で知られていますが、実は上階ですき焼きやしゃぶしゃぶが食べられます。「生田さんでのご祈祷帰りにご家族で寄られる方も」と4代目の日笠あい子さん。スライスした兵庫県産但馬牛のロースとたっぷりの野菜を、甘さほどよい自家製の割り下で妹の由利子さんが手ずから世話してくれます。溶き卵に大根おろしを入れてあっさりいただくのが「もん」流。「母が考案したスタイル。消化にもいいですしね!」と、チャーミングなあい子さん。歴史をまとう一軒で初代の蒐集品に囲まれて。知る人ぞ知るコースは大切な人とぜひ。

(写真)「スキ焼コース」¥8,600~(2名~、前日までの要予約)より。A4ランク相当のロース肉は1人前約160gと贅沢に。オードブルをつまみつつ完成を待って。

TOMOAKI KAWASUMI

細長く成形された名物の「とんかつ」¥1,860は、サクサク感を生かすためソースは「かけずに付けて」が先代スタイル。

TOMOAKI KAWASUMI

家族へのお土産には「ビーフカツサンドウィッチ」¥2,480を。時間がたっても柔らかい肉質は健在。薄く塗ったソースがしっとりしたパンにマッチ。単品は持ち帰りも可。

TOMOAKI KAWASUMI

あい子さんと、次代を担う息子の公太さん。

TOMOAKI KAWASUMI

鍋コース専用の4階は年代物の看板に囲まれ、ホッと和む民藝空間。

TOMOAKI KAWASUMI

生田神社の旧門前町に立つ店舗には、歴史と風格が漂います。

DATA
兵庫県神戸市中央区北長狭通2-12-12
tel.078-331-0372
営業時間:11時~20時45分(L.O.)
定休日:月曜、不定休

SADAHO NAITO

【肉料理】元祖 鉄板焼ステーキ みその 神戸本店(三宮)

歴史ある鉄板ステーキを夜景と楽しむショータイム!

とどまるところを知らない世界の“WAGYU”人気ですが、「鉄板焼きステーキ」の元祖で知られ、関西を中心に展開するのが「みその」。終戦直後の動乱期に生田神社前で創業、コテを使って焼き上げる蒸し焼きスタイルを考案し、現在に至るまで歴史を引き継いでいます。鏡面のごとく輝く鉄板に、ジュエリーのような輝きの神戸ビーフが登場すると海外のゲストからも歓声が。ごくレアに仕上げるサーロインは、サシの強烈なうまみと甘みが口内にじゅわり。南西にひらけた開放的なカウンターで、神戸の景色を見ながら華麗なコテさばきを眼前で。時間も舌もうっとりとろけます。

(写真)定番の「Aコース(神戸ビーフ)」¥23,000~より。進駐軍のゲストにふるまう際に生まれたステーキカバーを使って蒸し焼きにすることで、厳選された神戸ビーフがよりジューシーに。からし醤油とも好相性。

SADAHO NAITO

サーロインは脂や筋を丁寧に外しながらの素早いコテさばきが圧巻。肉が焼ける音や香りも美味しい。

SADAHO NAITO

西には街のランドマークだった東急ハンズ跡、南には遠く港が。


DATA
兵庫県神戸市中央区下山手通1-1-2 みそのビル7・8F
tel.078-331-2890
営業時間:11時半~13時半(L.O.)17時~21時(L.O.)
定休日:年末年始

※25ans読者と伝えると、ワンドリンクまたはガーリックライスをサービス!(2026年1月末まで)

TOMOAKI KAWASUMI

【肉料理】伊藤グリル(元町)

神戸牛=ステーキのみにあらず! 一品に思いとうまみを詰めて

日本郵船のコックとして世界で料理してきた初代・伊藤 寛さんが創業して102年。老舗洋食の筆頭「伊藤グリル」にも炭火焼ステーキが用意されていますが、店の必食は伝統の「ビーフシチュー」。ステーキと同じ神戸ビーフを煮込み、きめ細かい肉からもこっくりとしたデミグラスソースからも黒毛和牛のコク深いうまみが感じられます。「煮ても焼いても美味しい。脂の融点が低いし胃にもたれないですね」と4代目の享治さん。3代にわたって守ってきたメニューは、時代に合わせてマイナーチェンジを重ね「多少軽めの味わいに」。南京町の入口で“変わらない”時間を過ごして。

(画像)「洋食ディナーコース」¥6,600より、ブリスケやウデ肉など、赤身中心の部位を複数使用する「ビーフシチュー」(平日は単品¥3,960も)。バターがしっかりきいた滑らかなマッシュポテトも絶品。「黒毛和牛タンシチュー」(+¥440)も人気。

TOMOAKI KAWASUMI

コースはメインのほかに、キッシュやキャロットラペ、サーモンなどのオードブルにサラダ、スープ、デザートが。

TOMOAKI KAWASUMI

桃色のクロスがかけられたテーブルからカーテン越しに見る店の赤いひさし。「変わらない」よさがあります。

DATA
兵庫県神戸市中央区元町通1-6-6
tel.078-331-2818
営業時間:11時半~14時(L.O.)17時半~20時(L.O.)
※要予約
定休日:火・水曜



Photos:SADAHO NAITO, TOMOAKI KAWASUMI
Text:YOSHIKO ANADA
25ans(ヴァンサンカン)1月号掲載(2025年11月28日発売)

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