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どんな駅もこの先ずっと存在するとは限らない。日本の片隅にひっそりと残る無人駅を訪ねる旅【書評】

  • 2026.1.17

【漫画】本編を読む

駅員が常時配置されていない“無人駅”。静かで寂れたイメージを持つ人がいるかもしれないが、『駅はあるうちに行け 全国無人駅ひとり旅』(小坂俊史/竹書房)では、それぞれの無人駅がさまざまな個性を持っていることを教えてくれる。

本作は、鉄道ライターの「私」が全国の無人駅を巡る“無人駅コミック”だ。映画やドラマのロケ地として名高いJR予讃線・下灘駅、「日本一の秘境駅」と評されるJR室蘭本線・小幌駅などの有名どころはもちろんのこと、その他にも特色ある無人駅が紹介されている。有人駅時代の木造駅舎がそのまま残るJR因美線・知和駅、年季の入った現役工場が佇むJR後藤寺線・船尾駅など、実際に見てみたくなる駅ばかりだ。

本作に登場する駅は、現在も稼働中の駅である。しかし中には廃止になりかけたところや、今後の廃線が決まっている駅もあるのだ。たとえば作中では2027年4月頃に廃止が予定されているJR津軽線・三厩駅が取り上げられており、2022年に発生した大雨災害以降、列車が来ることはなくなった。利用者の減少により無人化・廃止となった駅に限らず、自然災害などの予期せぬトラブルで突然別れの時が来る可能性があることを思い知らされる。

廃止とまではいかずとも、作中では馴染み深かった駅舎のデザインが一新され、主人公がショックを受ける話もある。無人駅に限らず「いつか行こう」と思っている場所があるけど後回しにしがちな人にとっては、身につまされる話かもしれない。

永遠ではない切なさはあるが、だからこそ無人駅を直接訪問しコラムを執筆する「私」は、各駅へ向けてたびたび「残っていてくれてありがとう」と感謝の言葉を残す。めまぐるしく変化する世の中で、ひっそりと残る全国の無人駅。本作を読んで、あなたも足を運んでみてほしい。

文=ネゴト / mikasa

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